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天災は防げなくても戦災は防げる

 昭和20年(1945年)3月10日の早朝、東京の下町はまだ燃えていた。強い北風に煽られて、10万人もの人が死んだ空襲被害の惨状が、夜明けとともに明らかになりつつあった。その前夜からの空襲の状況を、小学5年生だった私は自宅で見ていた。空襲警報の解除後、見通しのよい高台から、燃え盛る火の海を近所の人々と眺めていた。みんな寡黙だった。 大規模な火災による犠牲者の多さは、関東大震災と似ていた。

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