美味しんぼ

編集部の見解を掲載、シリーズ終了に伴い一時休載へ

編集部撮影

19日発売のスピリッツ誌上において、今回の「福島の真実」編に寄せられた批判に対する、編集部の"見解"と識者のコメント（下表）が掲載された。

また、美味しんぼの連載は、「福島の真実」編のシリーズ終了に伴い、次号より休載されることとなった。

・『美味しんぼ』福島の真実編に寄せられたご批判とご意見、編集部の見解 - 小学館

25号に掲載されたスピリッツ編集部選定による識者および行政一覧（※敬称略）

氏名	肩書
安斎育郎	立命館大学名誉教授(放射線防護学)
遠藤雄幸	川内村村長
大阪府・大阪市
玄侑宗久	作家・臨済宗福聚寺住職
小出裕章	京都大学原子炉実験所助教（原子核工学）
崎山比早子	医学博士・元東電福島原発事故調査委員・元放射線医学総合研究所主任研究官
津田敏秀	岡山大学教授（疫学、環境医学）
野口邦和	日本大学歯学部准教授（放射線防護学）
野呂美加	NPO法人「チェルノブイリへのかけはし」代表
蜂須賀禮子	元東電福島原発事故調査委員・大熊町商工会長
肥田舜太郎	医師
福島県庁
双葉町
矢ケ崎克馬	琉球大学名誉教授（物性物理学）
山田真	医師・子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表
青木理	ジャーナリスト・ノンフィクション作家

これまでの経緯

問題となっているのは、福島から帰京した主人公の山岡士郎が鼻血を出したことについて、作中に登場する元双葉町町長の井戸川克隆氏が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです。」とコメントする描写など、22・２３合併号、24号掲載の内容だ。

掲載誌である小学館のビッグコミックスピリッツ編集部は28日、「作中における、鼻血や疲労感の表現は、綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載させていただきました。」とコメント。さらに、５月１日、編集部のTwitterで、５月19日発売の25号と公式ウェブサイトに、識者によるコメントを含めた特集記事を掲載する予定であることを明らかにした。また、８日には環境省が疲労感や鼻出血についての見解を公表した。さらに双葉町、福島県が、内容に抗議する旨の文書を公表している。

つづいて12日に発売された24号掲載分では、元双葉町町長の井戸川克隆氏が鼻血と被ばくの影響を関連付ける発言をしているほか、瓦礫を受け入れた大阪府においても「放射線だけの影響と断定はできませんが、眼や呼吸器系の症状が出ています」との描写があり、大阪府・大阪市が反論を行った。この他、環境省、岩手県もリリースを発表しており、菅官房長官をはじめ閣僚からコメントが相次いでいる。

原作者の雁屋哲氏は自身のブログで、反論は一連のエピソードの最終話が掲載される25号の発売（19日発売予定）以降に行うとしており、注目が高まっている。

なお、雁屋氏は今年１月に掲載されたインタビューで、福島へ取材に行った際に鼻血が止まらなくなったと述べている。また、井戸川氏も、自身の鼻血の写真をFacebookで公開していた。

・【原発】福島の真実──『美味しんぼ』作者･雁屋哲氏に聞く - 日豪プレス
・ここ最近の鼻血の様子を撮った写真を掲載いたします。 - Facebook