内田樹の記事一覧

新元号について

新元号についていくつかのメディアから取材があって、コメントを述べた。どれも短いもので、意を尽くせなかったので、ここにロングヴァージョンを採録する。ロシア国営通信社『ロシア・セヴォードニャ・スプートニク』の日本語版に寄稿したものである。紙面では短縮されているかもしれないが、これがオリジナル。 最初に、元号に対する私の基本的な立場を明らかにしておく。元号を廃し、西暦に統一すべきだという論をなす人がいる...

2019年04月02日 10:36

憲法について

2018年の5月に日仏会館で憲法についての講演を行った。 護憲派はなぜ「弱い」のかという問題について考察した。この日は憲法学の泰斗である樋口陽一先生も客席にいて、ずいぶん緊張した。さいわい、講演後の打...

2019年03月31日 14:31

『内田樹の市民講座』韓国語版序文

『市民講座』韓国語版のための序文 みなさん、こんにちは。内田樹です。 本書出版のためにご尽力くださった皆さんにまず感謝を申し上げます。 序文として読者の皆さんにも一言、この本の趣旨についてお話ししたい...

2019年03月25日 19:25

比較敗戦論のために

2019年度の寺子屋ゼミは「比較敗戦論」を通年テーマにすることにした。どうしてこのようなテーマを選ぶことになったのか。それについて姜尚中さんとのトークセッションで語ったことがある。そのときの講演録を再...

2019年03月24日 10:56

五輪のはなし

東京五輪をめぐるスキャンダルをようやく大手メディアも報道し始めた。私は招致決定以来ずっと「東京五輪招致反対」を言い続けて来た。その理由について述べたものを再録する。最初は2016年にAERAに書いたも...

2019年03月20日 09:11

街場の平成論のまえがき

「街場の平成論」(晶文社)がもうすぐ書店に並ぶ。私が編著で、寄稿してくださったのは小田嶋隆、釈徹宗、白井聡、仲野徹、平川克美、平田オリザ、ブレイディみかこ、鷲田清一という方々である。 「平成を回顧する...

2019年03月16日 15:00

メディアリテラシーについて

標記の主題についてこれまでに書いたものをいくつか採録しておく。最初は2007年に書いたもの。話は古いけれど、言いたいことは変わらない。閣僚の資産公開の記事の中にある閣僚が持っているテレビ局の株が値下が...

2019年02月22日 10:46

言論の自由についての私見(再録)

安倍首相が国会で民主党政権の時代を「悪夢」と評したことについて批判を受けた。それについて「私には言論の自由がある」という反論をした。どうもこの人は(この人に限らず)「言論の自由」という概念を勘違いして...

2019年02月14日 09:27

憲法と自衛隊

元陸将の渡邊隆さんと憲法と自衛隊をめぐって対談した(MCはかもがわ出版の松竹伸幸さん)。自衛隊制服組の人とはこれまで何度か話をしたことがある。防衛研究所で2012年から14年まで3年連続で講演を頼まれ...

2019年02月08日 17:03

追悼・橋本治

橋本治さんが亡くなった。今日(2019年1月29日)の15時9分だと伺った。私にとっては20代からのひさしい「アイドル」だった。最初に読んだのは『桃尻娘』で、「こんなに自由に書くことができるのか」と驚...

2019年01月29日 21:59

「死と身体」韓国語版のための序文

「死と身体」韓国語版序文みなさん、こんにちは。内田樹です。『死と身体』の韓国語版が出ることになりましたので、短い序文をつけることにします。『死と身体』は2004年に医学書院という医学の専門出版社から出...

2019年01月29日 11:09

東アジア共同体について

鳩山・木村鼎談本「第四章」から。東アジア共同体について話した部分を抜粋。東アジア共同体が、想像できる範囲での最適解だということは間違いないと思います。でも、関与するファクターが多過ぎる。われわれが何か...

2019年01月09日 17:53

株式会社化する日本について

鳩山・木村鼎談本の「第二章」からちょっとだけ抜き出し。僕は「株式会社化」した政権だというふうに見ています。安倍政権は、僕が生まれてから見てきた中で、「株式会社的である」という点で際立っていると思います...

2019年01月06日 13:46

「貧乏くさい」2019年の年頭に

2019年の年頭にあたって、年頭のご挨拶がわりに一言申し上げる。今年はどんな年になるのか予測がつかない。「予測がつかない」ということが、現代の実相をよく表しているのかも知れない。「大きな物語」も「グロ...

2019年01月06日 09:27

空虚感を抱えたイエスマン

学者の会のニューズレターから寄稿を依頼された。一般の方の目に触れる機会のあまりない媒体なので、ここに再録する。世代論というのはあまり好きではないのだけれど、どの世代でも、先行世代において支配的だった「...

2018年12月08日 20:05

元号について

朝日新聞から元号について取材を受けた。私は西暦と元号の併用という「不便」に耐えるくらいのことはしても罰は当たるまいという立場である。世の中には「話を簡単にすること」を端的に「よいこと」だと考える人が多...

2018年12月07日 16:58

大阪万博という幻想

2025年の国際博覧会の開催都市がもうすぐ決まる。 大阪の他に、アゼルバイジャンのバクー、ロシアのエカテリンブルクが立候補しており、聞くところでは、三都市の競争は「横一線」だそうである。 大阪...

2018年11月18日 08:31

外国語学習について

2018年6月12日に「文系教科研究会」というところで、私立の中学高校の英語の先生たちをお相手に英語教育についてお話した。その一部をここに掲載する。ここで論じたのは英語だけれど、言語教育一般について適...

2018年10月31日 16:37

「新潮45」休刊について

毎月ある地方紙にエッセイを連載している。今月は「新潮45」休刊について。すでに二度本欄で触れたけれど、その総括のようなもの。「新潮45」が休刊になった。社告によれば、「部数低迷に直面し、試行錯誤の過程...

2018年10月23日 15:54

編集者への手紙(その2)

おはようございます。内田樹です。メールありがとうございます。こんどの事件がきっかけになって、編集者たちが自分たちの出しているものの社会的な意味を点検し、その結果新潮社の出版物のクオリティが高いものにな...

2018年09月28日 09:52

ある編集者への手紙

はじめまして、内田樹です。メールありがとうございます。新潮社の友人たちからいろいろと内情は伺っております。「新潮45」にも三重さんが編集長をしているころは何度か寄稿させて頂きましたので、愛着のある雑誌...

2018年09月26日 18:52

大学院の変容・貧乏シフト

毎月ある地方紙にエッセイを寄稿している。これは8月分。人口当たりの修士・博士号取得者が主要国で日本だけ減っていることが文科省の調査で判明した。これまでも海外メディアからは日本の大学の学術的生産力の低下...

2018年09月10日 14:52

『細雪』解説

以前谷崎潤一郎の『細雪』の角川文庫が改版されるときに解説を書いたことがある。安田登一座の『イナンナの冥界下り』の凱風館公演を見て、その時に書いた「存在しないもの」だけが文化的な差異を超えて共有されうる...

2018年08月20日 08:55

揺らぐ戦後国際秩序

今朝の毎日新聞の「論点」は「揺らぐ戦後国際秩序」というタイトルで、海外の二人の論者によるドナルド・トランプの保護貿易主義批判の論を掲載していた。ひとりは国際政治学者のフランシス・フクヤマ、一人はWTO...

2018年08月01日 15:30

「天皇主義者」宣言について聞く ――統治のための擬制と犠牲

『福音と世界』8月号に天皇制についてのインタビューが掲載された。キリスト教系の月刊誌なので、当然天皇制については批判的である。そこにレヴィナスの時間論を連載しているわけなので、「天皇主義者」を名乗った...

2018年07月22日 17:05

家庭科教育について

日本家庭科教育学会というところから講演を頼まれた。家庭科教育というのはきっと今日の学校教育のなかでは「冷や飯を食わされている」のだろうなと想像した(現実はどうなのかよく知らないけれど、「スーパーグロー...

2018年07月08日 11:57

死刑について

オウム真理教の死刑囚たち7人が死刑執行された。解説記事を読むと、改元や五輪の日程に合わせて「このタイミングしかない」ということで執行されたと書いてあった。死刑については、いくつものレベルの問題があり、...

2018年07月08日 09:49

大学の株式会社化について

科学技術白書がようやく日本の学術的発信力の低下を認めた。それについて『サンデー毎日』に所見を寄稿した。もう2週間前なので、採録。先日発表された科学技術白書がようやく「わが国の国際的な地位の趨勢は低下し...

2018年07月07日 14:15

敗北主義について

ある地方紙に月一でエッセイを書いている。これは5月に書いたもの。日替わりで行政の不祥事が報道されているので、この記事が新聞に出る頃に日本の政局がどうなっているのか皆目見当もつかない。だが、どちらに転ぼ...

2018年07月07日 12:02

カジノについて

ある地方紙に月一でエッセイを連載している。今月はカジノについて書いた。その地方の方以外はまず目に留まる機会がないと思うので採録。カジノ法案がもうすぐ採択されそうである。賛成派は観光客の増加、雇用の増大...

2018年06月08日 15:34

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