SYNODOSの記事一覧

“子育て罰”を受ける国、日本のひとり親と貧困 - 桜井啓太 / 貧困研究、社会福祉学

◇子どもの貧困は、大人の貧困である。たいていの場合、子どもだけがひとり貧困になるわけではない。一緒に暮らす大人が贅沢な生活をしているのに、子どもを困窮させているのであれば、それは貧困問題ではなくネグレクトである。子どもの貧困は、子どもの親たちが貧しいからこそ生じている経済的問題である。第一線の貧困研究者たちは、ずっと「子どもの貧困」における「罪のない子どもが貧困におかれている」という台詞の裏側に見...

2019年06月10日 17:41

兵器化される情動反応――2019年インドネシア大統領選挙にみる選挙テクノロジーの影 - 本名純 / インドネシア政治研究

直接選挙で国家リーダーを選ぶ国は少なくないが、世界でもっとも巨大な直接選挙を行う国は、アメリカでもインドでもなく、じつはインドネシアである。この国では1億9千万の有権者が直接大統領を選ぶ。世界最大の民...

2019年06月06日 15:37

福島で見つかる甲状腺がんは放射線被ばくとの関連がない

東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、福島県は、原発事故当時18歳以下だった全県民などを対象に、2011年10月から現在まで、超音波を使った甲状腺スクリーニング検査(甲状腺がんの可能性の有無をふるい...

2019年06月03日 21:51

これからの校則の話をしよう - 山本宏樹 / 教育社会学

1.「ブラック校則」の社会問題化2018年、日本の教育界で「ブラック校則」を追放しようという機運が高まりました。「ブラック校則」とは「一般社会から見れば明らかにおかしい校則や生徒心得、学校独自ルールな...

2019年06月03日 16:17

世界から無視される日本 - 畠山勝太 / 国際教育開発

こんにちは、畠山です。今回は国際教育協力と日本について話をしようと思います。国際教育協力分野の論文も掲載してくれる学術誌にはいくつか媒体がありますが、International Journal of ...

2019年05月30日 15:17

福島第一原発事故後、新生児の異常は増えていない――低出生体重児・先天奇形・先天異常は全国と同じ

東京電力福島第一原子力発電所事故によって始まった福島県県民健康調査で、福島県立医科大学は「妊産婦に関する調査」を実施しています。調査には、福島の新生児の体重や異常の有無などが含まれています。2017年...

2019年05月27日 15:18

福島第一原発事故後、甲状腺被ばくを予防する「安定ヨウ素剤」服用の実態は?

原子力災害が起きると、放射性ヨウ素が環境中に飛散することがあります。放射性ヨウ素は、体の中に取り込まれると甲状腺に集まりやすく、とくに子どもの甲状腺がんの発生リスクとされています。甲状腺の放射性ヨウ素...

2019年05月27日 15:12

自粛反対論と「戦士」の黄昏 - 山口浩 / 経営学

2019年3月、音楽グループ・電気グルーヴのメンバーで俳優でもあるピエール瀧(敬称略。以下同様)が麻薬取締法違反容疑で逮捕された。同年4月に起訴され、その後保釈が認められたが、所属事務所であるソニー・...

2019年05月27日 15:02

なぜ、いま炭鉱なのか――「負の遺産」を超えて 嶋﨑尚子×熊谷博子 映画『作兵衛さんと日本を掘る』公開記念対談

2011年5月、炭坑画家・山本作兵衛の遺した絵や日記など697点が、日本国内では初めてユネスコ世界記憶遺産に認定されたことは記憶に新しい。自身炭坑夫だった彼が生涯に描いた絵は実に2000枚にのぼるとい...

2019年05月24日 14:09

対話プロジェクト「ドイツは話す」――ドイツ社会に提示されたひとつの処方箋 - 穂鷹知美 / 異文化間コミュニケーション

もしもまだ会ったことがない人で、会う前から、その人の意見が自分の意見の対極にあるとわかっていたら、みなさんはその人に会いたいでしょうか。それとも、できることなら会いたくないと思うでしょうか。会うのを避...

2019年05月20日 13:53

「自立」に向けた教育のジレンマ - 伊藤秀樹 / 教育社会学

「教育で始末をつける」ことへの違和感生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各...

2019年05月16日 15:24

スポーツにおける“男らしさ”とは何か――伝説のフィギュアスケート男子金メダリストの栄光と孤独 / 映画『氷上の王、ジョン・カリー』監督インタビュー

アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、カリー。彼はバレエのメソッドを取り入れた演技で、1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート...

2019年05月15日 13:56

スウェーデンの主権者教育と政治参加 - 渡辺博明 / 政治学

1.高い投票率2018年9月にスウェーデンで国政選挙が行われた。日本ではもっぱら排外主義政党の伸長が報じられたが、投票率が87.2%を記録したことも注目に値する。この数値は、議会制民主主義を採用してい...

2019年05月13日 15:03

福島第一原発廃炉・トリチウム水処分を考える - 木野正登氏×多田順一郎氏対談 / 服部美咲

原子炉の運転を停止して施設を解体し、核燃料を安全に処理または貯蔵することを「廃炉」という(燃料や主要設備を取り去り、原子炉施設自体は解体せず、人が接近できない状態で保管管理する方法もある)。2011年...

2019年05月10日 22:57

リスクと価値――福島での経験から - 村上道夫 / リスク学

リスク学とはリスク学は、人と社会の意思決定のための科学です。平たくいえば、どのような選択をし、どのように生きるのかという「個人としての意思決定」と、どのような対策を進めて、どのような社会を目指すのかと...

2019年04月25日 10:18

過剰診断とは何か?――福島の甲状腺検査の問題点

東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、福島県では事故当時おおむね18歳以下だった子どもを対象に、超音波による甲状腺のスクリーニング検査(無症状の集団に対して甲状腺がんの可能性の有無をふるい分ける...

2019年04月22日 15:46

ケムニッツ、あるいはドイツ社会の和解のレジリエンスと「憂慮する」市民たち - 辻英史 / 近現代ドイツ史

1.はじめに2018年8月末から9月はじめにかけての2週間、ドイツ社会はこの話題に揺れた。東部ザクセン州の都市ケムニッツでおこったある殺人事件をきっかけに、極右勢力が大規模なデモをおこない、街中で外国...

2019年04月22日 14:59

スイスの自殺ほう助の現状とさらなる自由化をめぐる議論 - 穂鷹知美 / 異文化間コミュニケーション

スイスでは、最初の自殺ほう助団体が設立されてから、すでに35年以上がたち、今日、自殺ほう助について話すことはもはやタブーではなくなりました。タブー視されなくなっただけでなく、2011年チューリヒ州の住...

2019年04月19日 17:08

あらゆる分断を越えて、誰も路頭に迷わせない東京をつくる! / 稲葉剛氏インタビュー

――稲葉さんは現在、クラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/127236)に挑戦中です。最初に現状について教えてください。いま貧困の「かたち」が変...

2019年04月15日 14:42

きょうだいの結婚へのハードルは、案外高くないかもしれない - 山下のぞみ×太田信介×藤木和子×持田恭子

漢字ではなくひらがなで書く“きょうだい”。障害や慢性疾患や難病などを抱えている人の兄弟姉妹がそう呼ばれており、今年2019年から4月10日が「きょうだいの日(シブリングデー)」となりました。一番早い人...

2019年04月10日 14:06

変容する世界のエネルギー地政図――IRENA Geopolitics 解説記事 - 古屋将太 / 環境エネルギー社会論

自然エネルギーの急速な普及拡大と従来型エネルギー資源の利用減少という流れのなかで、世界のエネルギー秩序はどのように変容していくのか。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)がまとめたレポートから、変容...

2019年04月08日 15:29

わが子が学校に行けなくなったら - 木村拓磨 / 心理学・応用行動分析学

不登校の現状とインターネット(SNS)、ゲーム不登校児童生徒数は平成25年度以降、年々増加傾向が見られます。平成29年度にはその数が14万4301人と、平成28年度から1万人程度の増加が見られ、統計を...

2019年04月04日 11:08

「進化論」論争に見るアメリカの基盤――トランプ政策に煽られる文化戦争 - 藤本龍児 / 社会哲学

二つの顔/二つの勢力進化論をめぐる論争今年は、チャールズ・ダーウィンの『種の起源』(1959)が出版されてから160年目にあたる。よく知られているように、ここで提唱された「進化論」は、世界に大きな衝撃...

2019年04月01日 19:27

深まる社会民主主義政党のジレンマ - 近藤康史 / 政治学・比較政治学

2018年10月に行われたドイツの2つの州議会選挙の結果は、日本でも大きく報じられた。それらの選挙でドイツのメルケル首相を支える保守政党(キリスト教民主同盟および社会同盟:CDU/CSU)が大幅に得票...

2019年03月28日 15:05

生きたい世界の選択と実現――日本リスク研究学会イベントレポート - 服部美咲 / フリーライター

日本リスク研究学会設立30周年の大会は、2018年11月に福島県福島市で開催された。「生きたい世界の選択と実現」をテーマに、公衆衛生や医療の現場、環境や社会学などの専門家が集い、東京電力福島第一原発事...

2019年03月25日 13:21

トランプ大統領を支える共和党保守派の「今」を知る - 渡瀬裕哉

2019年3月、トランプ大統領は共和党保守派の年次総会であるConservative Political Action Conference(CPAC)に現職大統領として3年連続出席した。CPACはA...

2019年03月22日 14:57

フランスにおける若者の就職とキャリア - 五十畑浩平 / 経済学

はじめに昨年末、「黄色いベスト(gilets jaunes:ジレ・ジョンヌ)」運動と呼ばれるデモ活動がフランス全土に拡大し、毎週末、世間を騒がせたことは記憶に新しいだろう(編集部注;3月16日、ふたた...

2019年03月18日 13:48

「実践の楽観主義」をもって、社会に風穴を開けていく / 『「当たり前」をひっくり返す』著者、竹端寛氏インタビュー

いまの日本社会で「別の可能性」を想像することはきわめて困難だ。それは「当たり前」だとされていることを疑えなくなっているからではないか? 過去にそうした問いを掲げた三人の先人たちがいた。イタリア人のフラ...

2019年03月14日 15:00

「演劇的想像力」に溢れた作品を――第63回岸田國士戯曲賞予想対談 - 山﨑健太(演劇研究・批評)×田中伸子/演劇ジャーナリスト

去る1月、第63回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の候補作8作品が発表されました。演劇研究・批評の山﨑健太さんと、演劇ジャーナリストの田中伸子さんによる予想対談をお届けします。若手劇作家の奨励と育成を目的...

2019年03月11日 15:38

〈多文化〉韓国を生きる 難民・イスラーム・フェミニズム - 田浪亜央江 / 中東地域研究・パレスチナ文化研究

1.済州島(チェジュド)歳末の街頭募金を呼びかける救世軍の鐘が耳の奥底まで響くのを感じながら、私はソウルから高速バスで100キロあまり離れた町に向かった。2018年10月に済州島で出会ったイエメン人ラ...

2019年03月04日 16:53

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