Dainの記事一覧

「世界文学」の日本代表が夏目漱石ではなく樋口一葉である理由

世界文学全集を編むなら、日本代表は誰になる?漱石? 春樹? 今なら葉子?審査は、世界選手権の予選のようになるのだろうか。投票で一定の評価を得た著者なり作品が、トーナメントを勝ち抜いて、これぞ日本代表としてエントリーするのだろうか。スポーツならいざ知らず、残念ながら、文学だと違う。春樹や葉子ならまだしも、夏目漱石は予選落ちである。なぜか?『「世界文学」はつくられる』に、その理由がある。近代日本語の礎...

2020年11月08日 12:00

全人類が共有できる歴史はありうるのか?『新しい世界史へ』

「歴史は勝ったほうが書く」のだから、いま主流の価値観や集団に焦点を当てるのが普通だと思ってた。各時代の支配層が、自らの正統性の証(あかし)を過去に求め、上書き保存してきたのが、歴史叙述だと考えてきた。...

2020年11月01日 15:11

変えられないものをスルーして、変えられるものだけに集中する

人生で一番大事なことは、イチローから学んだ。コントロールできることと、コントロールできないことに分ける。そして、コントロールできないことには関心を持たない。首位打者争いをしているとき、ライバル打者につ...

2020年10月12日 14:37

ナチスが焼いた本のリスト、国際宇宙ステーションにある本、ハリポタの次に読む本……本のリストが面白い

ナチスが焼いた本のリストナチスが焚書した本は4,000を超えており、その全容は把握しきれない。だが、焼かれた本の一部は分かっており、”A Book Of Book Lists” でリスト化されている。...

2020年10月04日 13:48

「名もなき家事」の減らし方

掃除、炊事、洗濯……家事には名前があると思っているのはシロウト。世の中には、名前のない家事が沢山ある。たとえば昨日やったのはこれ。水筒のパッキンやゴムを外して洗い、乾燥させ、組み立てた後に棚にしまう家...

2020年09月13日 15:07

適応としての笑い『ヒトはなぜ笑うのか』

犬、売ります:なんでも食べます。子どもが好きです。意味が分かったとき、めっちゃ笑った。誤りに気づいて愕然とする男と、その傍らでシッポ振ってる犬まで目に浮かんで、笑いが止まらなくなった。同時に、男が殺人...

2020年06月07日 14:33

「感染する自由か、監視された健康か」というレトリック『現代思想5:感染/パンデミック』

「健康」という言葉には色が無く、中立的な善のように見える。しかし、誰も反対しない中立的な言葉からこそ、先入観や政治色を押し付けることができる。無条件に「よい」だと認められるからこそ、レトリックに気づき...

2020年05月16日 15:09

オンラインで読書会したら、すごく楽しかった

好きな本を持ち寄って、まったり熱く語り合うオフ会、それが [スゴ本オフ]。いつもはワインやビール、サンドイッチや唐揚げを持ち寄って、食べながら飲みながら歓談するのだが、このご時世、無理というもの。なの...

2020年04月13日 10:58

日本史に残る巨大 IT プロジェクトから学べること『みずほ銀行システム統合 苦闘の19年史』

大規模 IT プロジェクトの成功事例と、大規模システム障害の失敗事例を合わせた一冊。読み手に応じ、さまざまな学びが得られる。困難な状況で、プロジェクトを成功に導く教訓を学ぶこともできるし、史上最悪のシ...

2020年03月29日 22:10

男子医大は憲法違反か

きっかけはこの記事「日本になぜ「男子医大」は存在しないのか?」*1 。男子医大を作ろうとしたら、憲法違反にされたという。元ネタは厚生労働省の検討会。発言者は全国自治体病院協議会会長の邉見公雄氏で、医師...

2020年03月11日 09:08

すべての歴史は現代史である『日本近現代史講義』

これは面白かった! 第一線の歴史学者による14講義。「歴史の本」というと、教養マウンティングのWikipediaコピペか、イデオロギーまみれのチェリーピッキングが多いように見える。そんな中、歴史学者に...

2020年02月17日 15:38

戦争が子どもを怪物に変える『ペインティッド・バード』

戦争が子どもに襲いかかり、子どもが怪物に変わっていく話。人間が、いかに残酷になれるかを、嫌というほど教えてくれる。あまりのグロさに「劇薬小説」として認定した『ペインテッド・バード』が映画になった。©2...

2020年02月13日 07:56

致死性ウイルス感染症が日常を浸食するプロセスを描いたSF

もし、致死性ウイルス感染症の封じ込めに失敗し、パンデミックになるとしたら、それはどのようなプロセスをたどり、わたしたちの日常生活に、どう見えるのか?テレビやネットの情報は、日常の観点が少ない。せいぜい...

2020年02月05日 22:52

おっぱいに(科学的に)興味がある人必読 『哺乳類誕生』

おっぱいとは何か?この問いに対し、人文科学からたどったのが『乳房論』だ。絵画、文学、宗教、政治、ファッション、医療、ポルノの斬り口から、[乳房をめぐる欲望の歴史]を描き出している。いっぽう、自然科学か...

2020年02月02日 17:10

フェイク歴史を言ったもの勝ちになるいま、『なぜ歴史を学ぶのか』

フェイクニュースがまかり通り、「真実」が希釈化されるいま、歴史学は何ができるのか?この疑問に答える手がかりは、アメリカの歴史学者リン・ハントが著した本書にある。著者はまず、歴史の政治化という問題につい...

2020年01月28日 16:44

萱野稔人・御田寺圭『リベラリズムの終わり』トークイベントまとめ

世界中で嫌われている(らしい)リベラリズムの限界と未来について、萱野稔人さんと御田寺圭さんが考察するというトークイベントがあったので聴いてきた。トピックハイライト顔で選ぶと差別だが、頭で選ぶのは差別で...

2019年12月29日 10:58

ヒットする物語の作り方『SAVE THE CAT の法則』

『SAVE THE CAT の法則』 には、大ヒットする映画の法則と、それを適用する方法が書いてある。ベストセラー小説やゲームにおける、物語のベストプラクティスとしても使える。たとえば、・どんな映画な...

2019年12月18日 22:06

「驚きたい」という欲望を満足させる『驚異と怪異』

不思議な生きものや、奇妙な出来事が好きだ。未知の怪異に触れ、驚きたいという欲望が、わたしの中にあるのかもしれない。異形や怪異を追いかけるうちに、自分の知っていることとのつながりが見えてくる。未知の中の...

2019年12月16日 15:06

GDPがどういう値なのか、ちゃんと理解できていますか?

数値化されるということは、標準化された手続きによって計測・集計できるから、そこに人の思惑や裁量が入り込む余地なぞ無い、と思っていた。ところが、GDPについては違うらしい。『GDP 小さくて大きな数字の...

2019年12月10日 07:36

この本がスゴい!2019

人生は短く、読む本は多い。毎年この時期、自分のリストを振り返るのだが、読みたい本が尽きることはない。読むほどに、知るほどに、知識と理解と表現の不足を痛感する。それでも読むし、ここに書く。読むことで豊か...

2019年12月02日 11:45

おっぱいは誰のものか?『乳房論』

問:おっぱいは誰のものか?答:それを持つ本人のもの2行で終わるはずなのだが、『乳房論』を読むと、こんな単純なものではないようだ。この答えに至るまでに様々な紆余曲折があり、今でも続いていることが分かる。...

2019年11月26日 19:53

「哲学に答えは無い」という誤答

「哲学に答えは無い」という発言を目にする。哲学者は、何千年も似たような問答を繰り返し、さまざまな理論を打ち立ててきた。だが、完全無欠の真実にたどり着いた理論もないし、完璧に誤りであると否定される理論も...

2019年11月18日 10:57

ナチスのデザイン『独裁者のデザイン』

ニュースに接するとき、心の中でアラームが鳴るものと、そうでないものがある。アラームが鳴ったものは、後になって、ニュースを装ったプロパガンダだったり、意見誘導のために歪められた情報であることが判明するこ...

2019年10月14日 10:33

「倫理的に正しい金儲け」が資本主義を最強にする『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

プロテスタンティズムが資本主義を生みだした? さらっと流すと、そう読めてしまう。もちろん、マックス・ヴェーバーは「プロテスタンティズムが資本主義を生んだ」と言ってない。むしろ『プロ倫』では、そうした安...

2019年08月05日 14:34

ネタバレについて哲学者がガチバトルする「ネタバレのデザイン」

ネタバレは悪か?ネタバレは悪という人は、作品から得られる楽しみが減ってしまうからだという。作品を堪能する前に、結末が分かったら、面白くないでしょ? 2018年に南極で起きた殺人未遂の動機は、読んでる本...

2019年07月14日 15:12

死 ね な い 老 人

世界一の長寿国であるこの国は、人生100年の時代ともいわれている。リタイアして、悠々自適の毎日を送る人がいる。趣味やレジャーや学び直しなど、第2の人生を謳歌する人もいる。(未来はともかく)今の高齢者は...

2019年06月27日 22:26

大人もハマる子どもの新書

知らない分野をサクッと知りたいとき、新書が便利だ。ところが、新書の中には、かなり難解で、入門書としては厳しいのも、けっこうある。その点、子ども向け新書は、特に分かりやすく解説されている。だから、それを...

2019年06月20日 08:30

秘密の悩みは、バーチャル師匠に相談せよ

精神的にヤバいとき、どうするか? 自分ではどうしようもできず、かつ、誰にも相談できない悩みだったら、どうするか?そんなとき、バーチャル師匠を召喚する。いわば仮想的な師匠である。バーチャル師匠とはあらか...

2019年06月14日 16:08

映画『ニューヨーク公共図書館』を観たら、未来の図書館が見える

フレデリック・ワイズマン監督『ニューヨーク公共図書館』を観てきた。ニューヨーク公共図書館(NYPL)そのものを主役とし、そこに集う人々を丹念に描いており、ものすごく贅沢な3時間が、あっという間だった。...

2019年05月31日 11:35

リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた

「女の子の匂い」をご存じだろうか?「臭い」ではなく「匂い」である。よく言われる、せっけんの香りではない。デオドラントや柔軟剤、コンディショナー、乳液、ハンドクリーム、化粧水、オーラルケア、ファンデなど...

2019年05月22日 21:38

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