篠田 英朗の記事一覧

石川健治教授の「ウグイスの巣」としての「抵抗の憲法学」

前回のブログで、自衛権を正当防衛のように理解する「国内的類推」の陥穽についてふれた。 http://agora-web.jp/archives/2027289.html そこで思い出すのは、石川 健治・東京大学法学研究科教授である。石川教授は、最も年次が上の現役の東大の憲法学担当教員であり、2014年安保法制の閣議決定以降、メディアに頻繁に登場する、「立憲デモクラシーの会」(石川教授の師匠である樋...

2017年07月30日 10:46

木村草太教授の「将棋」としての「抵抗の憲法学」

昨日、読売・吉野作造賞の受賞式を開催していただいた。学者には申し訳ない華やかな会となり、関係者・出席者の皆様にあらためて厚く御礼申し上げる。 受賞作『集団的自衛権の思想史』は、集団的自衛権が...

2017年07月19日 02:26

内閣支持率の低下は、改憲案への逆風か、改憲案が作った風か

都議選における自民党の惨敗と、内閣支持率の低下によって、改憲案を進めるのは困難になった、といった見方が多数出されるようになった。だがその考え方は順序が逆で、改憲案の現実化が、内閣支持率の低下を生んだの...

2017年07月17日 08:31

戦後日本の「教育勅語」:文部省「あたらしい憲法の話」の岩盤規制

前回の私のブログ記事に対応して、池田信夫さんが「東大法学部と「武士道」の凋落」という記事を書かれた。http://agora-web.jp/archives/2027079.html 池田さんの『失敗...

2017年07月12日 01:58

自衛隊員「なりすまし」政治利用は、もうやめてほしい

稲田朋美防衛大臣の「自衛隊としてお願いします」発言を見て、私は、自分自身が6月20日に書いたブログ記事を思い出した。「自衛隊員の立場を勝手に代弁するのはルール違反ではないか」という題名を付した記事だ。...

2017年06月29日 08:35

憲法学者の言うことが全て法律論であるとは限らない

自民党の全国会議員を集めた憲法改正推進本部の会合が、昨日開催されたという。現在、自民党内の議論は、安倍首相の自衛隊合憲性明記を追記する提案と、石破茂・元幹事長の9条2項削除論の意見が、対立軸になってい...

2017年06月22日 10:01

自衛隊員の立場を勝手に代弁するのはルール違反ではないか

6月19日付『朝日新聞』の長谷部恭男・早稲田大教授と杉田敦・法政大教授との間の「対談」を読んだ後、気分が悪くなった。なぜだったのか、一晩寝かしてから、もう一度考えてみた。 「安倍政権マフィア化」という...

2017年06月20日 11:40

野党の目標は内閣支持率を下げることではない

安倍内閣の内閣支持率がだいぶ下がったということで、各方面でニュースが流れている。なぜ安倍内閣の支持率は下がらないのか、と問い続けてきたメディアが、ついに安倍政権の限界が露呈した、とほとんど高揚しながら...

2017年06月20日 08:21

大西洋憲章と憲法9条2項~憲法9条解釈論その7~

日本国憲法と国連憲章は、「平和を愛する諸国民/平和愛好国家(peace-loving peoples [states])」、という共通の概念を用いている。実は、この概念は、1941年「大西洋憲章」でも...

2017年06月08日 02:16

憲法学者による憲法9条と13条の倒錯的な理解~憲法9条解釈論その6~

1776年アメリカ13州の独立宣言には、次のような有名な文章がある。「われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等で あり、その創造主によって、生命、自由...

2017年05月30日 01:56

日本国憲法の「非中立」性とアメリカ外交政策の「交戦権」否認の伝統~憲法9条解釈論その5~

前回のブログ記事で、「正義(justice)」を媒介にした「日米同盟の絆」について論じた。この点の理解は、さらに「交戦権」という9条に現れる概念解釈にも影響することについて、ふれておきたい。 芦部信喜...

2017年05月24日 00:57

憲法の「秘密コード」と日米「同盟の絆」~憲法9条解釈論その4~

前回のブログで、日本の憲法学が「正義(justice)」に関する議論を避けてきたことを書いた。そしてアメリカ合衆国憲法の前文が「われら合衆国の人民は、より完全な連邦を形成し、正義(justice)を確...

2017年05月17日 01:15

憲法学における「正義」への関心の欠如について~憲法9条解釈論その3~

数日前のブログで、9条は「目的」宣明機能を持った条項であり、その目的とは「正義と秩序を基調とする国際平和」であると書いた。それでは「正義と秩序を基調とする国際平和」とは、どんな平和だろう? 過去70年...

2017年05月14日 01:59

憲法9条の主語と自民党憲法改正案について~憲法9条解釈論その2~

自民党の石破茂氏が、改憲をしたいという安倍首相の方針を批判したという。自民党憲法改正案の作成には多大な努力が払われた、という主張は、人間感情としてはわかるが、まあそこは政治判断だろう。 石破氏は、私の...

2017年05月11日 00:31

憲法9条の「主語」と「目的」について~憲法9条解釈論その1~

憲法9条については、当然ながら、私もそれなりに思い入れがある。備忘録の意味も含めて、時間のあるときに、ポイントになる事を書きとめていきたい。今回はその第一回目である。 まず、最初に、9条について注意を...

2017年05月10日 02:36

護憲派は改憲案に賛成すべきだ

2020年までの改憲を目指すという安倍首相のメッセージが出た。9条1項・2項を維持したまま、自衛隊の合憲性を明文化するという。妥当な改憲案だ。すでに公明党と維新の会が賛同を示したという。世論調査を見る...

2017年05月05日 00:22

北朝鮮に対してアメリカが持つオプション

一週間ほど前のブログで、朝鮮半島情勢について、「影響力を行使する政策決定者たちは、朝鮮半島全体の政治的管理の見通しに対する洞察から逆算された計算によって、具体的な行動を決していくはずだ」と書いた。私の...

2017年04月24日 23:56

現今の朝鮮半島情勢について思う

米国の北朝鮮に対する武力行使の可能性が高まっているという報道が急速に日本国内で広まり、今や森友問題に見切りをつけたメディアが一斉に飛びついている感がある。 過去の経験則から今月にあらたな核実験やミサイ...

2017年04月16日 01:28

米国のシリア攻撃を国際法的に見る

昨日のブログでは、米国のシリアのシャリラト空軍基地攻撃は国際法上は違法と言わざるを得ないが、トランプ大統領の声明内容の妥当性も鑑みて、広範な支持が集まると想定される。日本政府の支持も妥当だろう、という...

2017年04月09日 04:02

米国のシリア攻撃について

トランプ大統領が、シリアのシャリラト空軍基地への攻撃に踏み切った。北西部イドリブで化学兵器が使用されたとされることへの対抗措置として、化学兵器使用に用いられたとされる軍事基地が攻撃され、破壊されたわけ...

2017年04月08日 03:03

専守防衛という概念について

北朝鮮の弾道ミサイル開発の進展を受けて、自民党が「敵基地攻撃能力」の保有の検討を政府に提言した。この問題については、いくぶんかの議論の錯綜があるようだが、1950年代からの政府答弁の記録も明確なので、...

2017年04月03日 01:40

たたき上げの女性国連職員の昇進を喜ぶ

中満泉さんが国際の軍縮担当上級代表に就任するというニュースが入ってきた。事務次長(Under-Secretary-General: USG)の職階にあたるポストである。副(Deputy)事務総長が事務...

2017年03月31日 02:19

日本のPKO法と国連PKOの現状について

『現代ビジネス』さんに、あらためてPKO法の現状を考える拙稿を掲載していただきました。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51304  先日のアメリカ出張でニューヨ...

2017年03月29日 12:49

「ポスト・南スーダンPKO撤収」時代の日本の国際貢献

『現代ビジネス』さんに日本外交の観点から南スーダンからの自衛隊撤収を考える論考を掲載していただいた。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51194 本来であれば、南...

2017年03月14日 10:31

自衛隊南スーダン派遣をめぐる「ポスト事実」言説に対する検証

  英国国民投票や米国大統領選における「ポピュリスト」の台頭をめぐり、嘘が事実のように語られる現象を指す「ポスト真実(post-truth)」という言葉が、流行語となった。日本でも、政権を批...

2017年03月12日 07:23

自衛隊の南スーダンからの撤収について

南スーダンからの自衛隊の撤収が決まった。日本政府として国連PKOに行っている唯一の貢献であっただけに、私個人の思いとしては、大変に残念だ。私の専門は平和構築活動であり、私個人としては、国際平和活動に従...

2017年03月10日 23:45

「衝突」・「戦闘」をめぐる「言葉遊び」はなぜ生まれるか

政府は南スーダンの状況を「衝突」という言葉で描写し続けていることが、現実と乖離しているという批判を招き続けている。それでは南スーダンにあるのは「衝突」ではなくて、「戦闘」なのか?といっても、「衝突」の...

2017年02月26日 23:27

ジャクソン主義者としてのトランプ大統領とアメリカの立憲主義

トランプの七カ国出身者入国禁止大統領令に対してワシントン、ミネソタ両州が行った提訴に対して、ワシントン州シアトルの連邦地裁が全米を対象に差し止めを命令し、トランプ政権をめぐる事態はさらに流動化してきた...

2017年02月06日 01:17

トランプのジャクソン主義について

トランプ大統領については、「ポピュリズム」「内向き志向」「孤立主義」などのネガティブな単語で、その政治傾向を特徴づけるやり方が一般的であるように見える。確かに、トランプ大統領を「リベラル/保守」のよう...

2017年02月05日 03:23

トランプの入国制限策について

トランプ大統領による中東7カ国からの入国制限措置が、国内外で大きな波紋を広げている。トランプ大統領の偏狭さが批判の対象になっているわけだが、政権発足初期の混乱が垣間見られることは確かだろう。 ...

2017年02月01日 23:04

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