河野真樹の記事一覧

弁護士報酬をめぐる認識の溝

報酬というものを挟んだ弁護士と利用者市民の関係は、司法「改革」によっても実は大きく変わっていないという印象があります。その変わっていない関係とは、端的にいえば、「無理解」ということを挟んだ関係であるといえます。弁護士報酬といえば、利用者側にとっての分かりにくさ、さらに高額への不満という側面で語られがちですが、その一方で、弁護士側にも実は延々と「不当性」を掲げられることへの不満もあるのです。 「改革...

2020年03月21日 14:34

日弁連会長選の「慣行」を支えてきた精神

日弁連会長選挙で最多得票ととともに、候補者に課せられる全国三分の一以上の弁護士会での最多得票という当選要件(いわゆる三分の一要件)の目的は、地方弁護士会(現実的には東京、大阪以外の全弁護士会)への配慮...

2020年02月21日 17:33

「改革」が変えた日弁連会長選挙

日弁連会長選挙には、かつてはっきりとした二つの特徴がありました。一つは長老支配や大都市弁護士会の会派(派閥)の力を背景とした、いわば「上から」の選挙が行われること。大票田である大都市の弁護士会では派閥...

2020年01月25日 11:42

ゴーン被告人国外逃亡が生み出した皮肉な状況

明けましておめでとうごさいます。 年末年始の日本に衝撃が広がったゴーン被告人の国外逃亡。これは、日本の刑事司法にとって衝撃的な大事件ではあり、そしてめったにお目にかかれない皮肉な事態であったといえます...

2020年01月11日 14:07

弁護士増員による階層分化と「改革」の無責任

「改革」と名の付くものが、現実的には予想外の事態を生むことは当然理解できますが、こと弁護士会で「改革」を主導した人と話をすると、それも程度の問題ではないか、という気がどうしてもしてしまいます。有り体に...

2019年12月25日 17:26

「受験要件化」の正当性という視点

なぜ、法科大学院制度には、その修了を司法試験の受験要件とする形が張り付いているのか――。現在、ネット上で見れる、法科大学院に関するQ&Aで最も直接的にこの問いに答えているのは、文部科学省でも、法務省で...

2019年12月21日 17:50

弁護士ニュービジネスをめぐる限界と理解

LINE(㈱が、同社運営の「LINE」上で無料で弁護士に法律相談できるサービス(「LINE弁護士相談」)の提供を開始したことが、ネット上で話題になっています。 弁護士会員を持つ「弁護士ドットコム」と、...

2019年11月30日 14:35

濫用的懲戒請求への弁護士会姿勢から見えるもの

東京弁護士会が2016年に発表した「朝鮮学校への適正な補助金交付を求める会長声明」への「賛同」などを理由とした、会員への濫用的懲戒請求について、同会の篠塚力会長は11月19日、弁護士会の立場を明確に表...

2019年11月22日 09:36

弁護士と社会が払っている本当の「犠牲」

今の弁護士が置かれている現実から考えると、もはや忘れてしまいそうになる、と言いたくなりますが、今回の司法改革は当初、弁護士にプロボノを含めた「公益」に対する奉仕者性を求めたものでした。いま考えれば、弁...

2019年11月16日 14:12

新法曹養成をめぐる格差への「感性」

大学入学共通テストで導入される民間の英語試験をめぐる、萩生田光一・文部科学大臣の、いわゆる「身の丈発言」に批判が集まっています。教育格差容認との批判の拡がりに、既に同大臣は「説明不足」として、謝罪・撤...

2019年10月31日 09:09

弁護士必要・活用論への疑念

弁護士は必要だから増やす、というのが、司法改革の増員政策の基本的な発想でした。そのためか、ある意味、当然のごとく、この「改革」では当初から、この社会の法的な需要の受け皿になるのが、「どうしても(あるい...

2019年10月28日 12:35

「無理」への認識と本当の価値

今回の司法改革は、結果的に弁護士と法曹志望者に無理を強いる「改革」モデルだった、といえます。むしろ「改革」の結果は、既にそれをはっきりさせているといえないでしょうか。弁護士は競争・淘汰を乗り越えよ、法...

2019年10月16日 15:31

弁護士業務拡大と需要創出をめぐる不思議

司法改革の結果として、業務拡大、需要創出の必要性が、いまや死活問題として、当たり前に語られるようになった弁護士ですが、弁護士界の外では、そのことに「違和感を覚える」という声に、今でも時々出合います。「...

2019年09月30日 08:33

「スクールロイヤー」の現実的な懸念材料

教育現場の問題に、弁護士が制度的に関与する方向が具体化してきています。2017年から、いわゆる「スクールロイヤー」活用に関して調査していた文科省は、このほど全国各地の教育事務所などに、約300人の弁護...

2019年09月25日 16:56

現実とズレた人材待望論

日弁連・弁護士会の主導層は、本音の部分で、今、どんな人材がこの世界に来ることを待望し、また想定しているのだろうか――。彼らを見ていると、そのことが時々、よく分からなくなってきます。 例えば、日弁連のパ...

2019年09月23日 10:05

増員既定路線に縛られる日弁連

今は姿を消すことになった、司法試験合格者を年3000人にするという「改革」路線の方針を、日弁連がはじめて公の場で示すことになったとされている、2000年8月29日、司法制度改革審議会第28回会議での、...

2019年09月15日 19:58

弁護士利用者への無理解という「改革」の本質

弁護士という仕事が、いかに社会に理解されていないか――。司法改革の結果は、残念ながらこのことを改めてはっきりさせたようにとれます。こう書くと、この「改革」によって厳しい状況に立たされている弁護士業を「...

2019年09月11日 08:48

「超人」弁護士たちへの目線

おカネをとらずに、弁護を引き受ける弁護士がいます。私が尊敬している故・遠藤誠弁護士もそういう人物でした。おカネのない、闘う市民の弁護は、タダで引き受ける。仏教者であり、左翼であり、革命夢想家であった彼...

2019年08月26日 17:12

司法試験「選抜機能」の危機が省みられない事情

司法試験の選抜機能の危機が、ここまで弁護士会内から叫ばれる事態を「改革」路線も、また、それを受け入れた弁護士たちも、実は全く想定できなかったはずです。今月、長野県弁護士会と仙台弁護士会が相次いで、今年...

2019年07月31日 15:07

消えた法曹一元と給費制への姿勢

今、考えると、ある意味、信じられないことではありますが、今回の司法改革は当初、法曹一元制度実現への期待をはらんだものとされました。もっとも正確にいえば、同実現を長年の悲願としていた、弁護士会がこの「改...

2019年07月29日 12:16

弁護士「東京一極集中」と「改革」の矛盾

弁護士は、顕著に東京一極集中で存在している資格業です。今でも、このことを否定的にとらえる論調に接することがありますが、結論からいえば、この東京一極集中という現象は、司法改革の法曹人口増員政策の前後をと...

2019年07月16日 21:18

法科大学院制度の「勝利条件」

「法曹コース」新設と法科大学院在学中受験容認という、時間的負担経験策で志望者の回復を狙った、6月19日成立の改正法(「法曹資格取得『時短化』法成立が意味するもの」)について報じた、同月20日付け日本経...

2019年06月25日 21:15

法曹養成と弁護士をめぐる「認められない」認識

法科大学院本道主義にしがみつく立場の方々は、法曹志望者減という現実を前にしても、「改革」の弁護士増員政策の影響という視点を、極力持ちこまない傾向にあるようにとれます。これまでも書いてきたように、増員政...

2019年05月22日 16:26

法曹志望者回復をめぐる発想と誤解

政府と国民民主党等からそれぞれ提出された法曹養成見直しの2法案が審議された衆院文部科学委員会での参考人の発言(「法曹養成見直し2法案審議が映し出したもの」)を聞くと、改めて「予備試験」という存在が、法...

2019年04月30日 15:33

若手「自己責任論」が覆い隠すもの

先日の日弁連臨時総会で取り上げられた「谷間世代」問題(「『谷間世代』支援を決めた日弁連臨総の欠落感」)を含めて、現状に苦悩している若手弁護士に対して、「自己責任」という言葉をあてがう人たちが業界内外に...

2019年03月14日 17:44

法科大学院制度「執着」が切り捨てているもの

離れていく志望者をどうつなぎとめ、獲得するのかを課題として抱えることになった新法曹養成制度について、「元に戻せばいい」という声が徐々に業界内で広がってきている感があります。何度も書いてきているように、...

2019年01月31日 07:30

「大きな弁護士会」の末路

最近でこそ、あまり耳にすることがなくなりましたが、かつて今回の司法改革をめぐり、さかんに「大きな司法」ということがいわれました。これまでのこの国の司法は、小さ過ぎたのであり、物的・人的設備が拡大される...

2018年12月31日 12:48

伝えない弁護士会の深層

かつての日弁連・弁護士会は、むしろ今よりもずっとオープンな団体だったのではないか、と思うことが度々あります。これは一般の人の印象とは違うかもしれませんが、有り体にいえば、ある時期から、会内情報が外に出...

2018年12月26日 10:59

「司法試験前」という位置取りへの疑問

法科大学院が目指すという教育が、なぜ、司法試験という関門の前に施されなければならないのか、という素朴な疑問が、ずっと弁護士会のなかでくすぶっています。法科大学院教育の存在意義のように語られてきた「理論...

2018年12月10日 12:28

「相談」と「元弁護士」をめぐる事情

ラジオ番組の「テレホン人生相談」を聞いていると、弁護士回答者が、法律相談と人生相談の境目を意識し、しばしばあえてそれを明確にして話を進める場面を耳にします。「これは法律家としてではなく」などと断ったう...

2018年11月28日 15:57

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