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物価上昇率に与える増税の影響は2%だというのは虚構だ!

 本日、10月の消費者物価指数が公表されましたが、10月の全国の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合が前年同月比2.9%の上昇となったのだとか。

 そして、そのことについて日経新聞は、「4月の消費増税の影響(2%)を除くと、過去に日銀の黒田東彦総裁が「割れることはない」と発言していた1%を下回った」と解説しています。

 どう思いますか? 

 どう思うかなどと聞かれても…多くの人はどうも思わないかもしません。というよりも、多くの人々は、円安のせいで物価が上がるのは困ったことだと感じているでしょう。

 しかし、その一方で、そのような国民の思いとは全く関係なしに黒田日銀総裁は、インフレ率が1%を下回ったことを嘆いていると思うのです。

 そうですよね、インフレ率の目標は2%ですから。それが1%を再び下回ることになれば、目標から一層遠のいたことになるのです。それに、日経も解説していたとおり黒田総裁は1%を割れることはないと言っていたからなのです。

 しかし、繰り返しますが、多くの人々にとってそんな目標は…何の意味もない! 

 むしろ、国民にとっては消費税が上がったことでもあるし、これ以上物価が上がっては困るのです。

 しか~し…日銀の黒田総裁はそうは考えない。麻生財務大臣もそうは考えない。増税の影響分を除いてインフレ率が2%の目標値を達成することが望まれる、と。

 では、何故物価が上がることが望まれるのでしょうか?

 答えは、そうでないとデフレマインドが払しょくできないからだ、と。

 では、何故デフレマインドが払しょくできないと、困るのか?

 答えは、デフレマインドが蔓延すると企業は設備投資などにも積極的になることができず、その結果、景気が回復しないからだ、と。

 理解できますか?

 まあ、一応それなりに理屈は通っているように見えるかもしれませんが…私は、そのようなストーリーを信じる気にはなりません。

 デフレマインドだなんて、そんなものが蔓延しているなんて嘘なのです。

 そうではないのです。日本では少子高齢化が進展し、消費が盛り上がらないからかつてのような経済成長率が実現できないのです。そしてまた、国内の賃金が海外に比べて割高だから、企業は国内での投資に積極的になることができないのです。

 いいでしょうか? デフレからの脱却が優先課題だなんていう政治家や専門家が多いのですが、では、本当に日本企業はデフレマインドに支配されていたのでしょうか?

 確かに、長い期間、国内においては企業が投資に消極的になっているというのは事実でしょう。しかし、それは飽くまでも国内における投資の話であって、海外での投資には積極的であったのです。だから、日本企業がデフレマインドに支配されていたなどというのは事実ではないのです。

 ところで、本日私が言いたいのはそれだけではありません。

 本日、消費者物価指数が発表になったので、皆さんに問いたいと思うのですが…今年の4月から始まった消費税率の引き上げが及ぼす物価への影響が2%であるという日銀の考え方についてどう思いますか?

 何故2%であると断言できるのでしょう。それに、仮に増税直後において2%程度の影響があったとしても、何故半年以上も経った今も2%のままであると断言できるのでしょうか?

 半年経って、2%程度だと思っていた影響が2.5%程度に上がるとか、或いは逆に1.5%程度に下がるとかということは考えられないのでしょうか?

 しかし、この増税の影響が2%であるというのは、永久に変わらないのです。

 何故でしょう?

 一般の人々は、増税を行ってもそれが価格に転嫁されやすいものとされにくいものがあり、それらを総合的に考えると平均して2%程度物価を押し上げることになるのでは…と考えるのではないでしょうか?

 でも、日銀はそうは考えないのです。そうではなく、物価指数を算出するための対象となるモノやサービスのうち、課税の対象となるものはおおよそ7割(従って課税の対象にならないものはおおよそ3割)だから…つまり、3%×0.7=2.1% で、アバウト2%になるだろうという考えなのです。

 しかし、これは、日銀が考えたそうあるべき姿(数値)であるだけで、実際にそうなるという保証はないのです。例えば、課税の対象にならない家賃や診療代や自動車保険料などが増税を契機に値上げされない理由はないのです。

 要するに、増税が物価上昇率に与える影響が2%であるというのは、実際に増税に伴う影響を測定して出てきた数値ではないということなのです。単に、机上の計算で、そうなるのではないかという数値に過ぎないのです。

 物価が重要な指標であると考える今の日銀が、実際の物価上昇の要因を考慮することなく増税の影響は2%であると言い切ってしまう姿勢に私は疑問を感じるのです。

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