- 2014年11月10日 04:12
業務効率化が普及のカギ? 電子処方箋の実証実験
昨年の7月から今年の3月にかけて、「処方情報の電子化・医薬連携実証事業」が、香川県で実施された。
総務省の健康情報活用基盤構築事業の一環として、株式会社STNetがまとめ役になり、自治体、県医師会、県薬剤師会、大学などが協力してシステムの開発と実証のための運用が行われた。
医療機関からの処方情報や患者情報、薬局からの疑義照会や薬剤実施情報、患者に渡されるお薬手帳の情報、患者がお薬手帳に入力する服用情報がいずれも電子化され、処方箋ASPサーバー(動的にWebページを生成するWebサーバの拡張機能の一つ。通常はWebブラウザに渡されてから処理されるJavaScriptやVBScriptなどで記述されたスクリプトをサーバ側で処理し、処理結果のみをブラウザに送信する。Microsoft社のWebサーバであるIISで利用できる。ブラウザからデータを受け取ってファイルに記録したり、データベースと連携した動的なWebページを作成したりすることができる。)を介して関係者感でやり取りされる。
医療機関は実際に調剤された薬や患者の服薬コンプライアンスを把握できるし、薬局は処方しじデータにより調剤システムや藥袋印刷などをこなせ、業務効率の向上が期待できる。
患者にも、お薬手帳を紛失した場合でもデータを失わずに済む、飲み忘れの防止のきっかけとなるというメリットがある。
アンケート調査で「利便性を感じた」と答えた割合は、医師75%、薬剤師100%。
患者の67%も「利便性を実感」と回答した。
薬局では、「服薬指導の質的向上」や「医療機関間の連携強化」を理由とする声が目立ったが、「処方情報入力時間の短縮」を挙げる声もあった。継続利用の希望は、医師で50%、薬局で67%。
同事業の実行委員会は、電子処方箋普及の留意点として、「電子化された処方情報の送受信とそれによる調剤などの業務は明確に禁じられてはいないが、電子データの送受信で処方箋の交付とすることには疑義や安全への懸念がなくはない」、「患者に電子処方箋を受け取れる薬局を支持して赴いてもらうことは、禁止されている『特定の保険薬局への誘導』に当たる可能性がある」などを挙げている。
さらに、「処方情報として医療機関から出された情報が、薬局で再利用できることにこそ電子化のもたらすメリットがある。調剤変更を伴う場合には医療機関にその情報が返されないと、次の来院時にも変更前の処方がされてしまい、誰の業務も軽減されない」と、業務効率化への貢献こそが普及の鍵だとしている。
※参考
総務省健康情報活用基盤構築事業「処方情報の電子化‥医薬連携実証事業報告書」より



