- 2014年11月23日 16:20
頭をぶつけて病院にかかる患者さんたち
夜間休日の時間帯の脳外科の外来をやっていると、実に半数以上の患者さんは頭部打撲で外来を訪れます。
それ以外の、残りの患者さんの大部分は脳梗塞で、たまに慢性硬膜下血腫や、脳出血やくも膜下出血が紛れている、というような感じです。
そして、どちらかというと、夜間の方が多くの頭部打撲の患者さんが病院に訪れます。
ちなみに、日中に頭部打撲で病院を受診するのはわりとお子さんが多いです。
そして、そのほとんどが軽傷です。
外来で頭皮を縫ったりする必要がある子が何割か、という程度で、病院を受診する小児の頭部打撲のうち、入院が必要になったり手術が必要となるような重症例は1%もいません。
逆に入院を必要とするような重症例は、稀ですが、やはり一目見て具合がおかしいことが多いです。頭をぶつけてもほとんど普段通り元気にしているお子さんは、まず大丈夫なのです。
つまりは、小児頭部打撲のほとんどが「心配だから念のため」というような受診です。
これらの軽傷の患者に対して見境なく全例にCTを行うという愚については、
以前にこのブログで記事にした通りです。
さて、一方で夜間に来る患者の多くはどのような方かというと、
酔っ払いです。
泥酔してしまって、転んで頭をぶつけてしまう人が多いのです。特に都市部での夜間は酔っ払いの数がぐんと増えます。
どんな年代の人が多いと思いますか?
無茶して一気飲みする若者に多いのかと思いきや、実は酔っ払いの頭部打撲で一番多いのは50-60代の男性なんですね。
若者も少ない訳ではないですが、中高年が多いような気がします。
思うに、一気飲みした場合は頭部打撲するというよりも、急性アルコール中毒で運ばれることが多いと思います。
逆に、落ち着いて長時間飲んでいる中高年男性の場合、飲み終わって帰り道に千鳥足で転んで頭をぶつけることが多いようです。
この泥酔による転倒では、結構ひどい傷の患者さんが多いので注意してください。
酔っていると受け身が取れないのが原因なのでしょう、頭皮がぱっくり裂けている人も少なくありません。
傷だけみればかなり酷い傷の患者さんが多いのが、酔っ払いの頭部打撲の傾向です。
ただ、そうは言っても、入院が必要となったり、脳を助けるための手術が必要になるようなケースは、これも、あまりありません。
最後に、酔っ払い以外に、夜間は他にどんな患者さんが多いかというと、これは意外かもしれませんが、
老人ホームなどの施設の高齢者です。
これもほとんどは転倒ですが、中にはベッドからの転落などがあります。別に夜間だけに多いという訳ではなくて、日中も夜間もコンスタントに運ばれてきます。
だいたいはこれも軽傷が多いのですが、施設の従業員の方が念のために受診させるというパターンです。
彼らも自分の施設の入居者に何かあれば、いろいろと責任問題などで大変なので、たとえ軽傷でもかならず受診させるようにしているようです。
そのためか、頭を本当にぶつけたかどうかも定かでない患者さんも運ばれてきます。
最初に書きましたが、脳外科の夜間休日診療の半数以上を占めるのが頭部打撲ですから、
僕らは当直の時間帯などは、
半分以上はこういった仕事をしているのです。
とりとめもない記事ですが、「脳外科の先生って当直の間はどんな仕事してるんですか?」
という質問をいただきましたので、お答えしてみました。
ちなみに、たとえば内科当直ではもっとバラエティは増えるものの、
やはり一番多いのは風邪などになるでしょうし、たとえば整形外科では捻挫や骨折などの怪我がほとんどですね。



