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インストラクターのスキマ時間を活用してリーズナブルな料金を実現。オンライン・フィットネスの「Wello」

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日本では今、スカイプ英会話学習を代表に、オンライン学習サービスが普及しつつある。そうした傾向は米国にもあり、料理教室やアート教室などさまざまなジャンルのサービスを利用できるそうだ。

今回は、そうしたオンライン学習サービスでも珍しいと思われる「フィットネス・ジム」を取り扱ったサービス、「Wello」をご紹介しよう。

同サイトでは、PCとWEBカメラを通じて、自宅にいながらにして本格的なフィットネスやエクササイズをすることができる。また時間や場所を問わないトレーニングのみだけでなく、リーズナブルな価格設定やトレーニングの質を高めるためのさまざまな工夫を凝らしていることでも注目のサイトだ。

Welloは米国サンフランシスコを拠点に2011年に設立。これまでに総額100万ドル(約1億円)の投資を受けている。

既存のフィットネスクラブは需要と供給のバランスが悪く、講習料が高い

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「Wello」の創設者は、スタンフォード大学でMBAを専攻していたAnn Scott Plante(プランテ)氏とLeslie Silverglide(シルバーグライド)氏。ともに運動することが大好きなことなど共通点が多くあり、入学後すぐに仲良くなったという。

プランテ氏らはいつかフィットネスの講習を受けたいと思っていたが、忙しすぎてなかなかチャンスが訪れなかった。そこである日仲の良い友達同士で集まって、DVDの講習を見ながら練習してみることになった。

しかし彼らのフィットネスの力量はバラバラで、うまく練習することができない。もっと個々のレベルに応じた練習方法があるはずと考えたプランテ氏らは、フィットネスについての調査を開始する。

調査の結果、フィットネス市場は想像以上に大きい市場であることが分かった。その一方で、ジムやフィットネス市場には顧客のニーズに応えられるようなサービスが十分に提供されていないことも分かったという。

そこには需要と供給のバランスが悪く、講習料が高いという問題があった。

米国にはフィットネスに関する資格を持っているトレーナーが25万人もいるが、そのほとんどが週20時間ほどのレッスンを持てれば良いぐらいで、ほとんどの場合は充分な予約・利用を得られないでいるという。そのためトレーナーは1時間単位の講習料をより高く取らざるを得ないでいた。

こうした事情を知ったプランテ氏らは、これまでにないトレーニングのあり方を探ってみようと、知り合いのトレーナーにスカイプを通した講習を開いてもらうようお願いした。そのトレーナーもこれまでスカイプで講習を開いた経験はなかったが、いざやってみると案外うまくいった。

スカイプ講習には、場所の制限を受けないという大きな利点がある。自宅にいながら講習を受けられるため、ジムに通う必要はない。また時間も調整しやすく、子供のいる母親や忙しい人でも自宅で講習が受けられる。またトレーナーにとってもオンラインでも仕事ができるようになれば、週あたりのレッスン時間も大幅に増やすことができる。

トレーナーにとっても顧客にとってもメリットがあり、きっと多くの人々のニーズがあるはずだと考えた2人は、このアイディアをビジネスにすることを決意。2011年には米国サンフランシスコを拠点に「Wello」を創設したのだった。

良心的な価格設定と、トレーニングの質を高めるための工夫

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Welloでは、フィットネスを中心とした講習をオンラインで受けることができる。利用に必要となるのはパソコンとWebカメラのみで、あらかじめサイトよりテレビ電話を行うソフトをダウンロードすれば良い。

トレーニングは、他の利用者と一緒に習う「グループ講習」か「マンツーマン」のいずれかから選ぶことができる。グループ講習の場合はそれだけ安くなり、月4クラス以内なら49ドル(約5700円)/月で受講できる。一方マンツーマンの場合は月4クラス以内なら99ドル(約1万1700円)/月で利用可能だ。

一般的なフィットネスでのマンツーマンの講習の相場は、1時間あたり45~70ドル(約5300~8300円)ほどすると言われているので、Welloの料金設定はかなりリーズナブルだ。時間や場所に余裕がない利用者のみでなく、より安い価格で習いたい人にとっても利用しやすいサービスと言えるだろう。

利用者が受講するエクササイズのジャンル、受講の希望日、「体重を減らす」「きつめの運動をする」など目指しているレベルを選択すると、その要望にあったトレーナーが表示される。ここではトレーナーの自己紹介ビデオが見られる他、そのトレーナーが教える講習のジャンルやレベル、これまでの経験、評価などを知ることができる。

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気に入ったトレーナーが見つかったら、スケジュールの空き時間に講習の予約をする。なお、家にある道具に合わせてトレーナーがトレーニングを考えてくれるので、敢えて新しい器具や道具を準備する必要はない。

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当日の講習は、パソコンの画面を通して行われる。パソコンの左画面に大きく表示されるのがトレーナー、右上に小さく表示されるのが利用者自身だ。トレーナーと利用者がお互いの姿をパソコン画面で確認しつつ、講師のする動作を真似して同じ動作を繰り返し、それを講師がチェックしながら進めていくのが基本的な講習の流れのようだ。

なおWelloでは、トレーニングの質、ユーザー体験の良し悪しを決めるのはトレーナーの力量にあると考えており、彼らに厳しめの資格や条件を彼らに課しているという。同サイトで働きたいトレーナーは、まず以下の3つの基準のうちいずれか1点をクリアしている必要があるのだ。

  • 1. フィットネスに関連する学位を持っている+フィットネスに関連する資格を持っている+1年以上のフィットネス業界での経験
  • 2. フィットネスに関連する資格を持っている+3年以上のフィットネス業界での経験
  • 3. 10年以上のフィットネス業界での経験

この要件をクリアしたトレーナーはパソコンとWebカメラを介しての講習方法、顧客の個々のレベルに合わせたトレーニング方法を学ぶ。トレーニングの内容はこのサービスの肝となる企業秘密なので明らかにはされていないが、通常の対面での講習よりも大きく、ゆっくりと声を出し、より多くのデモンストレーションを顧客に見せて、顧客が理解しやすい講習をできるようになるためのトレーニングを受けるという。

その後は自己紹介ビデオやプロフィールの作成、社員によるインタビュー、適切な講習を提供できるかチェックするための模擬演習を行い、これらの過程を踏んだものがWelloの講師として登録される。質の高いトレーナーを選定するとともに、Webカメラに合ったトレーニングを施すことで、より質の高いトレーニングを確保しているのだ。

「さすがにこれはインターネットでは無理じゃない?」を疑ってみよう

僕がこのサービスを知った時、さすがにフィットネスはオフラインでこそ意味のあるサービスなのでは、、と思っていたのだが、こうやって調べて見ると顧客にもトレーナーにもにメリットの有るサービスになっていることがわかった。

Welloでは、顧客は自分の好きな時間、好きな場所で従来のフィットネスよりも安い価格で受講することができる。価格のみならず、オンライン学習のサービスを利用する上で重要なサービスの質に関してもWelloが実際にトレーナーを確認してその質を確保している。

またトレーナーは、これまでは働くことのできなかった時間もレッスンを入れられるようになり、収入を増やすことができる。煩雑なスケジュール管理もサイトで簡単に行うことができるし、顧客の急なキャンセルがあった場合も、ちゃんと支払いがなされているそうだ。

あなたの身の回りには、あなたが思っている以上に問題が転がっているはずだ。それはぱっと見、インターネットで解決できることではないように見えるかもしれない。でもせっかく問題を見つけたなら、ちょっとだけ考えてみよう。「インターネットにできることは何かあるのかな」と。

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