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バフェットに続け!零細新聞チェーン同士の大型合併

日本ではめったに起きないことですが、広告収入減に悩む米国新聞業界では、このところ毎年、大型の買収話が飛び出します。

2012年、かの著名投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏が、Media General社から63ものローカル日刊紙を1億4200万ドルで買収しました。昨2013年には、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏がワシントン・ポストを2億5000万ドルで手に入れました。名門の一つボストン・グローブは7000万ドルでボストン・レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリー(John Henry)氏の手に落ちました。

そして、今年。つい先日、全米370都市でローカル紙誌を発行しているというNew Media Investment Groupが、日刊紙24を含む36紙を発行するHalifax Media Groupを、2億8000万ドル(約300億円)という大金で買収、合併することを公表しました。バフェット、ベゾス、ヘンリー3氏は揃って大金持ちですが・・・・

まずは、買収されるHalifax社 。36紙の合計部数は63万5千部。平均すると2万部以下です。買収するNew Media社も似たようなものです。自社サイトには細かく書いていませんが、Yahoo米国版のFinanceページによると、日刊紙は87で、部数は73万9千部。週刊紙は243で29万3千部。その他、フリーペーパーや職業別電話帳などを発行してとのこと。日刊紙の平均は1万部以下です。ま、しかし、日刊紙の合計は150に達するのですから、そこそこ大型合併です。

とはいえ、日本的感覚からすれば”零細”新聞社グループ同士の合体で、他人事ながら先行きが気になりますが、株式市場は好意的に受け止めたようで、New Media社の買収公表前日の終値が18.32ドルだったものが、発表翌日の21日の朝方に19.36ドル、そして週明け24日には20.71ドルをつけました。13%もの上昇です。

市場が好感したのは、もしかしたらバフェット氏の先例があるからかも知れません。投資情報会社Allen & Caronの最近のブログ記事Local Media Investment Another Big Win for the ‘Oracle of Omaha’では、バフェット氏は、新聞がなくなって身軽になった同社に投資もしていて、当時の株価3.84ドルがいまや15ドルほどになり、莫大な利益をもたらし、同時期に投資した、新聞チェーン大手のLee Enterprisesの株も1.31ドルが3.09ドルになったと報じています。

また、先月、新興有力メディアPoliticoのテレビインタビューに登場したバフェット氏は、「全ての新聞が衰退に向かう中で、小さな新聞はその衰退の割合が都市圏の新聞より小さい。なぜなら、コミュニティにとって、小さな新聞がより重要だからだ。それは数字で証明されている」という、持論を改めて力説していました。

バフェット氏のことばかり引き合いに出しましたが、ワシントン・ポストを手に入れたベゾス氏、編集には口を出すことはなかったようですが、最近、公表されたタブレット向けのニュース配信アプリでは、いろいろアイディアを出し、協力して作ったようだ、とニューヨーク・タイムズが好意的に伝えていました。アマゾンのタブレットKindleの拡販にも繋がるアプリで、そろそろモトを取りに出たのかも知れません。

それと対照的に、同じく2億5千万ドルを提供しながらうまくいってないようなのがeBay創業者の一人で、これまた大富豪のピエール・オミディア(Pierre Omidyar)氏です。ワシントンポストを買いそこねた代わりに、大手マスメディアが出来ないような、政府による公権力の濫用、説明責任の欠如、国家安全保障、個人のプライバシー問題に切り込む本格的な調査報道機関をネット上に作ると宣言したことは、このブログでも紹介しました。

そこでも書いたのですが、新興人気メディアのQuartzは「うまくいけば、世界の左翼的な読者を相手に、英国Guardianに対抗する可能性を秘める」とまで持ち上げるほどで、その母体となるFirst Look Media(FLM)に注目が集まっていたのですが、それから1年余、Daily Beastの記事によると内部崩壊寸前の悲惨なことになっているようです。

<Journalist+eBay Billionaire=Chaos>などという見出しもきついですが、その上に置かれた投稿した日付の前に「NOT DEAD YET」とあるのも強烈です。

ま、この世界に限らずですが、金があれば成功するってわけでもないようです。来年第1四半期には正式に合体するというNew Media社とHalifax社の前途が、カオスに陥らず、業界の落ち込みをいくらかでも食い止めるかを見守りたいと思います。

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