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ネット生保立ち上げ秘話(25)13文字の衝撃 − 岩瀬大輔

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怨嗟の声

「みんな来て!これ、凄い!あと少しで1位になるぞ!」

2008年12月8日、夜9時過ぎ。半蔵門駅上のマクドナルドで買った夜食を手にし、紙袋からフライドポテトをつまみ食いしながらマーケティング部の一角へ立ち寄ると、何だか騒然としている。ヤフー出身でウェブ広告を担当する堀江の机の前に4,5人が集まり、何だかパソコン画面の中を覗きこんでいる。面白そうなので、油っこい手をティッシュで拭いて、野次馬に参加することにした。

「どうしたんですか?」

「いや、先日のダイヤモンド社の原価開示の記事がヤフー!トピックスの上位に来ていて、今、経済ニュースで3位なんです!」

皆に交じってブラウザを覗きこむと、ヤフーのトップニュースのヘッドライン(見出し)が並ぶ中に、確かに以下の13文字が異彩を放っていることを確認できた。

 「保険料の原価開示に業界不満」
 
11月20日に中間決算の発表と同時に行なった「付加保険料の開示」が広く世に知れ渡るきっかけとなったのも、この週刊ダイヤモンドの短い記事がきっかけだった。
「業界初!"保険の原価"を開示したライフネット生命に怨嗟の声」

 「なんで開示したのか!」――。

 ある生命保険会社幹部はいらだちをあらわにした。その理由は、11月21日、インターネット専門の保険会社であるライフネット生命保険が、“保険料の原価”の全面開示に踏み切ったためである。

 契約者が支払う保険料は、将来の保険金支払の原資である純保険料と、保険会社の運営経費である付加保険料に分けられる。この付加保険料には、営業職員や代理店への手数料や、保険会社の利益などが含まれ、開示はタブーとされてきた。

(以下、略)

通常であれば雑誌の記事はそれを手にした人の記憶に留まるだけで終わり、たいした伝播効果は期待できない。しかしこと週刊ダイヤモンドについて言えば、記事は同社のオンライン版にも掲載されており、そこから一部の記事はヤフーニュースにも配信されていたのだった。

もっとも、紙面の制約がないウェブ媒体、かつヤフーのように複数のニュース源から記事の提供を受けているサイトであれば尚更、膨大な数の記事が同時に配信されていることになり、読者の注意を惹いて読んでもらうことは容易ではない。読者にしても新聞のように限られた紙面にサイズの大小をつけたレイアウト構成によって読むべきニュースが選定される訳ではないので、何らかのナビゲーション機能が無いと不便である。

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