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友達がずっとスマホをいじっていても気にならない世代には、傾聴ワークショップも工夫が必要。


カウンセラー養成組織の老舗である、公益財団法人関西カウンセリングセンターが、創設50周年にあたる今年、新たな取り組みを開始した。

それが「ココロトレーニング検定(ココトレ)」だ。これは同センターが培ったカウンセリング心理学をベースにしたもので、「日常の何気ないシーンで感じるココロのモヤモヤを解決する技術『カウンセリングマインド』を身につけ、一人ひとりがコミュニケーション能力の向上を目指すものだ。

僕は東洋大学社会福祉学部社会福祉学科で、主に社会福祉士を目指す学生の選択必修科目のひとつである「就労支援サービス論」という講座を持たせていただいており(2年目)、学生に知識を中心とした座学以外に、実践的なトレーニングもあるのだろうかと聞いてみた。

すると、教授によって好きなひとは技術獲得のためのワークショップをやるひともいるが、基本的にはそういうことはやっていないということだった。実習で社会福祉の現場に行くわけだが、技術獲得のための事前研修なども特にないようだった。

それならばということで、同センターにお願いをしてショートバージョンになるが、ココトレの「聴くチカラ編」を学生に行ってもらった。

対人サービスのための基本的な技術のひとつとして「傾聴」というものがある。「聞く」と「聴く」の違いとして説明するひともいるが、辞書的には「耳を傾けて、熱心に聞くこと」となっている。漫然と話を耳から入れるというよりは、能動的に、積極的に相手の言葉に耳を傾けることだ。問題解決のためのアドバイス/助言とはまた少し異なるようだ。

傾聴トレーニングの基本ワークショップでよく目にするのが、聴き手がお地蔵さんのように、相手が話していることに対して頷きも、相槌もなく、固まって話を聴く。次に、同じ聴き手が、アイコンタクトや頷き、「なるほど」といった言葉を使いながら相手の話を聴くものだ。

話をする側は、前者の場合、とても話しづらく、後者の場合は「聴いてもらっている」ことをダイレクトに感じ、とても心地よく話ができる、ということに気がつくトレーニング。かなり定番なので、体験した方も少なくないのではないだろうか。

今回、ココトレでは、お地蔵さんのように固まるのではなく、とにかくスマホをいじって、スマホに集中をすることで相手に不快感を持ってもらい、その後、頷きや相槌、アイコンタクトなどを通じて、話してがいかに異なる感情を持つかを体験してもらうものが、ワークショップの一部にあった。

100名近い学生のフィードバックシートには、話をする側の立場となった場合、スマホをいじられると話しづらいことや、自分も友達や家族とコミュニケーションを取っているときにスマホをいじっており、相手に不快感を与えていたかもしれないという”気づき”のコメントが圧倒的に多かった。

しかし、フィードバックシートのなかに数名が、相手がスマホをいじっていても、日常的にそうなので話す側として気にならないことや、みんなで話をするときにそれぞれがスマホを触りながらなので、話す側としても、聴く側としても、特に違和感がないという旨のことが記載されていた。

だから最近の大学生はということを言うつもりはまったくなく、むしろ、僕も妻と会話を楽しみながら、互いにスマホをいじったりもしているので、日常の中にその風景がないわけではない。

むしろ、今回のワークショップに限らず、「こういうシチュエーションを作れば、基本的には○○に気づくよね」ということで、機会を提供してみたら全然異なる反応をするケースがあるかもしれないため、本質は変わらずとも、対象者によっては方法や事例を大幅に変えることが必要なんだな、ということがとても学びになった。

最近、小学生や中学生の質問やインタビューを受けることがチラホラあったのだが、その年代に適した言葉や言い回し、事例に発言を変換することに苦慮したことがあり、そういうカスタマイズを丁寧に、かつ、柔軟にやっていかないと、伝えたいことも伝えられない結末になってしまう。その意味で、できるだけ普段、話をしたり、伝えたり、聞いたりすることが多くないひとたちとは積極的にコミュニケーションを取って、感覚的なものを勉強させてもらおうと思う。


ココトレは、カウンセリングなどの関心の有無にかかわらず、体験してみるとよい気づきが生まれる講座で、来年も大学で講座を持たせてもらうようであればぜひ実施したいし、若者支援のための事業所でも、支援者や若者という立場は無関係にトレーニングを楽しく受ける、という意味での導入も検討したい。

特に、普段は座学中心の学生たちが、和気あいあいとワークショップに参加し、フィードバックシートでも非常にポジティブなコメントが多かったので、それだけ身近でも使える技術であると認識されたようだ。

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