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アベノミクス第二幕 - 注力すべき施策とは?

ものごとをシンプルに考えると、複雑な問題が、簡単に見えてくることがある。それは日本政府が思案する景気対策にも同じことが言えるかもしれない。

増大する社会保障費の財源として消費税を増税する一方で、低迷する景気の浮揚策として法人税の減税などを計画する。増税と減税が入り乱れる中で、全体として見ると、実は単なる所得移転となる危険性もある。

国民が望むのはインフレでも、円安でもなく、実質的な給料のアップである。もちろん、政権が目指す景気浮揚策も給料のアップであり、方向性は一致している。ただ、その経路は、法人税減税→設備投資アップ→生産性改善→給料アップ→インフレの定着と、机上の空論感は否めない。

私が企業のトップへ取材をしていて感じるのは、そもそも法人税が下がって現金が増えたとしても、従業員の給料をベースから大きく引き上げるには、角度の高い中長期的な業績改善が見込まれる必要があるため、簡単ではないというのが本音だ。

成熟した国にあって、成熟した産業ほど、魅力的な投資先がなくなるというパラドックスがある。将来的に会社の資本効率が落ちる可能性がある中では、恒久的な固定費のアップ(ベースアップ)は決断できない。まともな経営者ほどそう考える。

これらの状況を鑑みるに、私の意見としては、政府は一律の法人税引き下げではなく、給料を引き上げた分の額を税額控除する施策を打つべきであると思う。最終的な目標が給料のアップであるならば、それを直接企業に促す施策にすればよい。シンプルな話だ。

具体例としては『給与ぷらす』という新しい勘定科目を設けて、その勘定だけ税額控除に加えればよい。そしてGDPやインフレ率が継続的に上昇するまで、時限立法を延長すると政府がコミットすればよい。これなら事務的な負担も少ないし、企業規模による不公平感もなく、各方面への理解も得やすい。

最新の世論調査によると、国民の6割が今回の衆院の解散には合理性がないと考えているという。下がり続ける実質給与に対して明確な施策を出していくことが、アベノミクス第二幕の成否を分ける重要なポイントとなってくるであろう。

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