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天木直人氏の提言「選挙ボイコット」は有効だろうか

天木直人氏は、昨日のブログで「総選挙に対する最強の反撃は選挙のボイコットだ」と書いている。
「どうすれば国民はこの増長し切った安倍首相に鉄槌を下すことができるのか」と怒りを述べているのは同感だが、「安倍首相に一泡吹かせたいと思うなら、今度の選挙をボイコットすればいいのだ」というのは、どうだろう。その前提に「今の政治状況で、自公が過半数を取れないなどという事が起こり得ることなどあり得ない」というのだが、本当にそうだろうか。

  極端な低投票率なら選挙に正統性がなくなり、政権運営は行き詰るというのだが、そんな「極端な低投票率」の方が、むしろ起こりえないことのように思われる。衆議院総選挙の投票率は、前回の2012年が戦後最低を記録したのだが、それでも59.32%はあった。極端な低投票率というからには、少なくとも50%は切らないと意味がないだろうが、インターネットの呼びかけ程度で、そんなことが起こるだろうか。半端な「国民運動」では、良識派の票を減らすだけで終るのではないか。

  今朝の朝日新聞の分析によると、全国295の小選挙区のうちで、共産党以外の有力な野党候補が競合しているのが60ほどあり、調整を急いでいるということだ。そして有力な対立候補が共産党しかいない選挙区は90近くに達するという。すると残りの大半の選挙区では、与党候補と野党統一候補と共産党候補の3者で一つの議席を争うことになる。これらの選挙区では、与党の当選を減らすために有効な投票を、有権者が個々に決めなければならないだろう。

  比例区の議席は180あるのだが、純粋な比例代表ではなく、全国を11のブロックに分けているのがネックになる。定員が20名以上の区は、北関東、南関東、東海、近畿、九州と5区しかない。それ以外では、5%の支持率がある政党でも、当選者を出せないことになる。日本の選挙制度は、小政党を圧殺する仕組みになっていることを忘れてはならない。

  とはいっても目前の選挙でどうするかを考えよう。何度も書いているように、私はこの選挙を「戦争する国づくり」の可否を問う国民投票だと思っている。戦争する国では経済も福祉も無意味になる。だから安倍政権を退場させたいので、具体的には「集団的自衛権行使容認」の閣議決定を撤回させなければならない。この一点を問う国民投票なら、勝機があると思っているのだ。

  だからとくに公明党の支持者にはお願いしたいことがある。「集団的自衛権」には疑問を感じた人が多かったことだろう。次の選挙で自民党候補への投票を割り当てられたら、名前を書くふりをして、白票を投じてほしい。それが平和な日本を守ることになる。

  私はこういうときに、よく孔子の言葉を思い出す。敵に囲まれたとき、弟子が「君子もまた窮するか」と問うた。孔子は答えた「君子もとより窮す。小人は窮すれば乱る」と。窮してもなお、やらなければならないことがある。

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