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黒田バズーカ砲の心理効果が消え、じわじわと景気が悪化

GDP速報値が発表されました。7-9月期は前期比年率換算で1.6%減となったようです。6-8月は、消費税アップ前の駆け込み需要の影響ですが、2期連続のマイナスはエコノミストには「予想外」の結果だったようです。しかし、実感からするとまったく「予想通り」の結果だったのではいでしょうか。内閣府の街角で景気動向の判断を聞く景気ウォッチャー調査を見ても、現状も、先行きも下降傾向を辿っているので、エコノミストよりは街角の実感のほうが正しかったということでしょう。

アベノミクス第一の矢の黒田バズーカ砲で円安・株高を誘い込み、世の中のマインドをずいぶん明るくしました。ほんとうは効かなくとも、薬だといわれて飲むと病状が回復する、いわゆるプラシーボ効果がありました。しかし、金融政策だけでは、企業経営や人びとの心に染みこんでしまったデフレマインドを変えるにはしょせん無理があります。

実体経済を刺激し、萎縮してしまった経営マインドや消費マインドを変える第三の矢の成長戦略が日本の経済活力をとりもどす本命の政策なのでしょうが、マインドを変えるようなサプライズもなければ、民主党政権時代から変わるような鮮度のある施策がなければ、デフレマインドから抜け出すことはできず、当然限界をむかえてしまいます。

その限界がやってきただけの話です。このままだと、日本の経済は、良くもなく、悪くもないままに、活力を取り戻すことができず、膠着状態に再びはいってしまいかねない状態にさしかかってきてしまったのかもしれません。

10月の景気ウォッチャー動向の10月の結果では、3カ月前と比べて景気が良くなっているかどうか聞いてまとめる現状判断指数も9月よりも悪化しており、2~3カ月先の景気に対する先行き判断指数も5ヶ月連続で下がってしまっています。

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また、10月の消費者態度指数を見ても10月は、9月からさらに悪化し「弱含んでいる」状態です。気になるのは10月は、「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「資産価値」のいずれの項目でもマイナスになってしまっていることです。
つまり10月は7-9月期よりも景気がさらに悪化している可能性が高いのです。

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じわじわと、円安によるコスト高と値上げの影響があり、しかし実質収入は伸びず、また消費税増税の影響を人びとが実感し始めた結果でしょう。

しかし、まだ日本の経済はもちこたえているほうだと思います。ただ、経済の停滞から抜け出すのに必要なのは、変化に果敢に挑み、新しい価値を生み出そうという気運です。たとえ援軍がなく一時的な効果だったにせよ、黒田バズーカ砲が沈んでいたマインドを変え、景気が回復しはじめていたことがなによりの証拠です。

解散総選挙をめぐってマスコミがまた活気づいていますが、もし安倍内閣の延命の
ための解散総選挙であれば、壮大な無駄でしかありません。喜ぶのは与党とマスコミぐらいでしょうか。

もし、産業構造の変化を嫌うマインドが染み込んだ日本を変えるような成長戦略を実行することを目指して、岩盤規制への挑戦、中央から地方への権限移譲などを推進することへの国民の信任をとる解散総選挙なら、大いにやってもらいたいと感じます。

あるいは、自民党が大敗すれば、いまひとつ、成長戦略の本丸に踏み込めない安倍内閣へのお灸となり、危機感にかられていい仕事をしてくれるのかもしれません。
そうでなければ、景気浮揚もできない、財政改革も進められないとなると、日本は信用も存在感も失い、厳しい状況を迎える結果になりかねません。

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