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消費税増税と子育て支援を直結するのは卑怯

今、「消費税上げないと、子育て支援なくなっちゃうぞ」という脅しのロジックがまかりとおってしまっていることが気になる。そもそもそういう構図にすること自体がおかしい、というより卑怯なのでは? 本質的な話として、社会福祉の財源として消費税という理屈は総論ではわかる。軽減税率の設定も含めて、長期的視野でそれを設計するのなら。でも今の議論は目先の税収を増やそうとするためにやっているようにしか見えない。しかも、景気悪化でさらに税収が減るということもありえるし、格差が広がる可能性もある。消費税を増税して国民から広くあまねく税を徴収しておいて、結局同じ財布の別のポケットからお金を出して、ミサイルや戦闘機を買ったり、一部の大企業や投資家にとって有利になるような無駄遣いを続けたりするようなら納得はいかない。現在の状況は、今すべきこと(すべきでないこと)と、本質的に大事なことの、2つのレイヤーの議題がごちゃまぜになって議論されてしまっているように見える。

子育て支援のための財源はたしかにもっと必要だとは思う。でもそれを消費税増税だけに求めなくてもいいのではないかと素人的には思う。また同時に、お金がないのなら工夫の仕方は別にもあるともいえる。子育て支援をするのは最終的には人同士だ。それが社会だ。「お金がないと何もできない」というのは、お金で何でも解決しようとする世の中にありがちな、ある種の思考停止である。バリアフリーな世の中を実現するために、人と人とが助け合うムードがあれば、必ずしもフラットな建造物設計が必要なわけではないのと同様に、制度やしくみとしての子育て支援が仮に不足しているとしても、人と人とが助け合うムードがもっと醸成できれば、目に見えない形での子育て支援は可能だ。「消費税を上げないと子育て支援ができなくなる」というのはそれを見えなくさせる呪文のように私には感じられる。お金があることに越したことはないが、目先のお金を得るために、さらに次世代に大きな負債をもたらすようなことをしなくてはならないくらいなら、ここはじっと我慢して、人同士の互助と知恵で乗り越えるという選択もありだろう。

ちょっと論点がずれてしまうのだけど、たとえば、お金で何でも解決しようとする世の中と、人と人との互助でなんとか解決しようとする世の中、2つの世の中があったとする。前者では経済活動は活発になり、GDPのような指標は上がる。後者では表に表れる経済活動は少ないので、GDPのような指標は少ないだろうし、税収も小さいかもしれない。でも、どちらの世の中に暮らす人のほうがより強くしあわせを感じられるだろうか。後者ではないか。「消費税を上げないとますます子育てがつらくなるぞ」という論理は、人と人の繋がりや工夫や知恵の価値を軽視し、「お金がなければ何もできない」という思い込みを強化し、お金で何でも解決しようとする世の中のムードを推進することになるかもしれない。いままでそうやってきたから、日本人はしあわせを感じにくい体質に陥ってしまっているともいえるのではないか。事態を改善していきたい気持ちはみんないっしょだ。しかし目先のことだけに囚われると悪循環を促進する可能性だってあることを考慮して、冷静に考えなければいけないと思う。といって、私にはどういう選択がベターなのかはまだわからないのだけど。少なくとも「ほら、ここで言われた通りにしておかないと、キミたち自身がもっと困ることになるんだよ」という悪代官の脅しに関しては、真に受けなくてもいいと私は思う。

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