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- 2014年11月14日 14:06
【書き起こし】「“表現の自由”を守るためにもヘイトスピーチを規制しなければいけない」―参議院法務委員会・有田芳生議員質疑
3/3平成25年のネットを利用した名誉毀損の検挙数約120件
有田:期待しても変わってないんですよ。インターネットを皆さんご存知だと思いますけれど、こういう匿名の書き込みというのはどこの誰だかさっぱり判らない。しかも広範囲に渡っている訳ですよね。だからそういう状況の元で迅速かつ効果的な措置といっても、何にも迅速な効果生まれていないんですよ。先ほどの在日朝鮮人の30代の女性についての書き込みは2012年から2年間ずっと放置されっ放しなんですよ。だから今お話になったことを踏まえてですね、やはりあのインターネット上の様々な問題も新たな段階にやはり進んでいかなければいけないという風に思うんですよね。
札幌の17歳の女子高生の場合、さきほど、本当一端だけお伝えしましたけれども、刑法230条の名誉毀損だけではなく、刑法231条の侮辱だけではなく、刑法222条の脅迫にあたるという風にこれは思います。で告発もなされることでしょうけれども、やはりそういった新しい問題に私達が立法府として、どのように新しい問題解決の道を考えていくか。そこが非常に大事だと思います。
さらに言えば個別の削除要求をしても、イタチごっこで、もう追いつかない現状なんですよね。それで精神的に17歳の女子高生だけではなく、多くの人たちが精神的に追い詰められていってしまうっていう、これが現状ですから、やはりあの新しい問題を前に進めて行かなければいけないと思います。ご存知のように名誉毀損や侮辱罪についても申告罪ですから、被害者自身が警察に行かなければならない、手続きをしなければいけない。そういうことをなかなか普通の人は大変ですから、そういう差別扇動行為がネット上で今でもずっと吹き荒れている以上、それに対して現行法に基づいて適正、迅速に削除する仕組みを作ることも大事ですけれども、後ほどお話しをしますけれども人種差別撤廃条約に基づく、新しい法規制というものも考えていかなければいけないだろうという風に思います。
警察庁にそこでお聞きをしたいのですけれど、先ほどのような、色んな差別扇動の匿名による書き込みがあった時に、現行法を用いて適正迅速にそれを削除していく仕組みっていうのは今あるんでしょうか? 或いはこれから何か検討されるということはありますでしょうか?
塩川:取締りという観点からのお答えになりますが、警察は在特会によるものも含めまして、ネット上での言動について個別の事案にはよりますが、今ご指摘のように刑法の名誉毀損罪や脅迫罪などが成立する場合には、法と証拠に基づき厳正に対処することとしております。
警察におけるインターネットを利用したここ数年の名誉毀損罪、脅迫罪の検挙件数でございますが、平成23年が名誉毀損約80件、脅迫も約80件。平成24年が名誉毀損約100件、脅迫が約160件。平成25年が昨年でございますが、名誉毀損約120件、脅迫約190件、こういった検挙件数となっているとこでございます。
有田:先ほどの北海道の17歳女子高生の場合は名誉毀損、侮辱あるいは脅迫にあたると私は判断しますけれども、警察庁としてはどのように理解されますか? 個別のことにはお答えできませんということでなくて、お答え頂きたいのですが。
塩川:正に個別具体のケースでございますので、ここではお答え差し控えさせて頂きます。
有田:あの朝鮮学校襲撃事件、京都地裁大阪高裁の判決が出ましたけれども、やはりあの新しい法規制というのを検討していかなければいけない段階に日本社会は入っているという風に私は思います。
これはあの後で時間があったらまたお聞きをしたいと風に思いますけれども。もう一度総務省にお聞きをしたいのですけれども、例えば最近社会問題になった脱法ドラッグの規制について、与野党を含めて議論が進んでおりますけれども、これは今の段階でもインターネット上の違法な情報への対応に関するガイドラインなどが変更されてますよね。その経過をちょっと教えてください。
吉田:先ほど申し上げましたように、事業者団体等ではですね、総務省も相談にあずかってございますけれども、いわゆるガイドライン、あるいはそのモデル的なその契約約款というものを作っておりまして、様々な社会的状況に応じて随時改定等を行っております。委員ご指摘の危険ドラック、脱法ドラッグ等につきましても、近時の社会的状況を踏まえまして、関連する情報は違法なものであって、これは禁止事項としてプロバイダー等において削除の対応が可能となるような形のですね、改定を事業者団体等に行っていると風に承知をしております。
有田:確認をしたいのですけど幾つかの団体で協議会を作って、そこに総務省もオブザーバーとして参加をされているという理解で宜しいですか?
吉田:委員ご指摘の通りでございます。
有田:そこで各団体との関係ですけれども、総務省がそこで指導的役割を果たすことはできるのでしょうか?
吉田:オブザーバーという立場でございます。また、インターネット上のその情報の流通に関しましては、いわゆる表現の自由の問題、それと議論になっている趣旨に添いますれば、いわゆる権利の侵害の問題、あるいは違法は情報の流通の問題、さまざまな問題がございます。色々慎重な対応を要する問題がございます。 そういう意味で言いますと総務省が場で指導的な役割というよりも、オブザーバーとして参加させていただいて、行政の立場から事業者団体、民間の事業者の方とも意見交換をさせていただきながらですね、より良い適切な対応が図られるように、そういう風に務めているということでございます。
有田:私は表現の自由を守るためにもヘイトスピーチを規制しなければいけないという立場ですけども、やはり具体的に被害者が苦しい思いをしている、自ら命を絶とうかと思うようなところまで追い込められる。あるいは妊婦さんが一週間入院せざるを得ないような匿名の広範囲の攻撃が行われる。やはりこの新しい課題に対して、脱法ドラッグの問題とは次元が違いますけれども、こういう問題についても、総務省でも積極的にイニシアチブをとって頂いて、新しい問題解決の道を探って頂きたいという風に思っております。
このヘイトスピーチのネット上の問題についてはもうここで終わりにしたいと思いますが、最後に上川大臣、先ほどお伝えしましたけれど2人の娘さんをお持ちのお母さんの立場としても、こういう事体に対してこのままではいけないと風に思われるでしょうけれども、どうお感じになりましたか?
上川:先程来、有田先生から実際に現場の中で、どんなに酷い状態にあるかということについては、文章とかあるいは映像等でも限界があるという、大変適切なご発言がございました。正に現場に行かないと判らないことというのは、沢山あるということでございまして、そういうことを踏まえた上での今日のご指摘であったと、そういう意味では色々な形で考えるということについての大変大きな示唆を頂いたと思っております。
もとより差別的言動が外国人の方をはじめとして、また在日の方も含めまして色んな形で他人の、他の人の人権を侵害するということについては、これはあってはいけない大変大きな問題だと思います。そして今17歳の高校生の娘さんのお話や、また同時に妊娠をしながら大変苦しい状況の中で、しかし見事に赤ちゃんが生まれてお子さんを育てるという今度は母親の立場で、というようなことを考えた時に、そういうことをそのままで置いてはいけないという思いでございます。
色々な人権の侵害案件がございますが、これまでいわゆるヘイトスピーチというところに焦点を当てて、このことについて向き合って来たかといえば、私はそれについては、新しい人権侵害ということの事態であると、まさに仰った通りだという風に思っております。
こうしたことを気にしながら、いわゆるこのヘイトスピーチについての実態がどうなっているのかということにつきましても、特に先ほど申し上げましたけれども、人権の擁護に関する法務省の中での様々な機関がございますし、また省庁との間の連携も含めまして実態の状況についての把握ということ、そして申告をされた事案がどのくらいヘイトスピーチに係る案件としてあるのかどうか、こういうことも含めてしっかりと取り組んでいくということについて指示をしたところでございますので、そういったことも踏まえまして適切に対応することができるように、しかも早急に対応することができるようにして参りたいと思っております。
※この後、有田議員は朝鮮学校の授業料などの問題についても質問を行っている。
発言者:有田芳生参議院議員(民主党)、上川陽子法務大臣、警察庁長官官房・塩川審議官、総務省・吉田総合通信基盤局電気通信事業部長、岡村人権擁護局長
出典:11月11日参議院法務委員会 -参議院インターネット審議中継
出典:11月11日参議院法務委員会 -参議院インターネット審議中継
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