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- 2014年11月14日 14:06
【書き起こし】「“表現の自由”を守るためにもヘイトスピーチを規制しなければいけない」―参議院法務委員会・有田芳生議員質疑
2/3匿名でネットで如何に酷いことが続いているか
有田:警察が、そういう差別行為に対して反対する人たちに私が近くで見ていても、これはちょっと取り締まる方向が違うんじゃないかと思う事は多々ありますので、それについてはまた改めて機会があればお聞きをしたいと言う風に思います。今日私が特にこういうことを知って頂きたいし、これを何とかなくしていかなければならないということは、在特会などをはじめとする集団が路上で酷いヘイトスピーチをまきちらしているだけではなく、その背景に私達のこの社会で、匿名でネットで如何に酷いことが続いているか。そのことについての対策も考えていかなければいけないということで、ネット上のヘイトスピーチについてお話をお聞きしたいと言う風に思います。
今30代の在日朝鮮人の女性がいます。北陸地方に住んでいらっしゃいますけれども、今から2年前に子供さんが出来ました、妊娠をしました。まだまだ今に比べると牧歌的な状況がツイッターの世界でもありましたけれども、友人とツイッターでやりとりをやっておりました。そうするとそこに匿名で攻撃を仕掛けてくる人たちがどんどんどんどん増えてきた。
あの資料で皆様にお配りをしておりますけれども、右側の上、一部アカウントなどは消しましたけれども、ここに出ている写真もまったくこの人物のものではありません。読んで頂けますでしょうか。妊娠した在日朝鮮人の今30代の女性に対して匿名でこういう攻撃がなされました。
「はあ?てめえガキ産みやがるのかよ。塵増やすなよ婆」これお婆さんの婆ですね。「蛆蛆増殖しやがって害虫ども」うじゃうじゃのウジは蛆虫の蛆。「てめえごと2匹とも死ね、有害種族」。こういう事がもう当たり前のように今でも続いているんですよ。インターネット上ツイッターではこの書き込み今でも残っております。後に在特会ととても親しくてネット上でこういうことを繰り返して来た人物が別の問題で逮捕されましたけれども、今でもこのような同じような書き込みが続いております。
私はこの女性から話を聞きました、妊娠して安定期に入って友人と軽い気持ちでやりとりをしていたらこういう攻撃がなされてきた。これをきっかけに色々な人から同じような酷い攻撃が来た、誰だか判らない訳ですよね。精神的に大変な思いになって、ストレスがどんどんどんどん高まっていって一週間入院をされました。
その後無事赤ちゃんは産まれましたけれども、そういう被害を被っている女性がいる。彼女が言っていたのは「ツイッターの中でも私達は孤立しているんだ。一般社会でも差別がずっと続いてきて嫌な思いを小さい頃からやってきた。でマジョリティーで助けてくれる人はいなかった。見て見ぬふりばっかりだった」と。だからこういう攻撃をされるのも非常に辛かったし苦しかったけれども、孤立する方が辛かったと、今でも絡まれることがあるけれども、それに反対してくれる人たちが多くなってきたので、段々気分が楽になってきておりますと。そういう発言、感想を述べていらっしゃいました。
こういう事が今でもずっと続いているんですよね。これは単なる一例なんですよ。他に攻撃されたある在日コリアンの人なんかは「死という言葉が自分の頭の中から離れなかったことがある」。これは男性ですけれども、そういう人たちがこの日本社会で一杯いらっしゃる、そのことを私達、「このままでいいのか」「これじゃいけない」。そういう立場で物事を考えていかなければ行けないという風に思います。特に政治の責任としてこういうことをなくしていくこと、これは人種差別を無くすことだけではなく、やはり日本が共生社会としてしっかりとこれから立派な日本になって行くためにも必要なんだと思っております。
先にもう一点だけ指摘をさせて頂きます。今社会問題にもなり、多くの週刊誌・新聞などでも話題になっておりますけれども、朝日新聞の元記者で北海道の大学で今教鞭をとってらっしゃる方が多くのネット上、あるいは電話攻撃を受けて「大学に爆弾を仕掛けるぞ」というようなことまで起きました。これは警察庁、あとでお聞きをしたいと思っておりますが、その元朝日新聞の記者が攻撃されることも異常ですけれども、同時に家族、娘さんに対する攻撃というのは酷いものがあるんですよ。
上川大臣も二人の娘さんがいらっしゃると聞いておりますが、今17歳の女子高生がネット上で顔写真を晒されて、とんでもない差別表現がなされてる。例えば「お父さんは売国奴です。お母さんは密入国朝鮮人の売春婦です」「私はとても誇りに思います」「おい涙ふけよ」「娘は関係ないと言うなよ○○」ここで固有名詞が入っておりますけれども、「晒すことで抑止力が高まる」「こいつ死ねばいいのに」「このガキにもとたんの苦しみを与えないとな」「一族血を絶やすべき」「自殺するまで追い込め」というようなことが異常な程、今でもやられている。これは本当に異常な事体で17歳の少女がどれほど心を痛めているか。ご家族だって大変な思いをしている。これが今の日本の現状なんですよ。
これに対してどうしていいのか、どうしていけばいいのか、まず総務省にお聞きをしたいんですけれども、プロバイダー責任法でどういう対処ができるのか、あるいはどういう限界があるのか、まずそのことをお答え頂きたいと思います。
総務省・吉田総合通信基盤局電気通信事業部長:インターネット上に流通いたします、いわゆる各種の権利侵害の情報につきましては、今委員ご指摘のプロバイダー責任制限法によりまして、プロバイダーの責任範囲を明確化しているところでございます。
具体的には、ある情報がインターネット上に流通することにより、その個人の権利が不当に侵害されたと認めるに足りる相当の理由がある場合にはプロバイダー等が、そのような情報を削除したとしても損害賠償責任を免れることとされております。また名誉等の権利を侵害されたとされる方からプロバイダー等に対して、当該情報の削除の申し出があったような場合には、プロバイダー等が発信者に対しまして削除に同意するか否かを照会いたしまして7日以内に反論がない場合には、その情報を削除したとしても、プロバイダーは損害賠償責任を免れることとされております。これがプロバイダー責任制限法の概要でございます。
このような制度の下におきまして、実際にはプロバイダー等が権利侵害情報等の違法な情報の流通に対応するにあたりましては、例えば約款ですとか利用規約の上で、プライバシー侵害や名誉毀損等を禁止事項として定めまして、これに違反する場合には迅速に削除等の対応を行っているというのが一般的であるという風に承知をしております。
またさらにプロバイダー等の事業者団体におきましても個々のプロバイダー等のですね、そういう円滑な対応を、対応に資するようプロバイダー等と利用者との間で適用される、契約約款のモデル情報というものを作りまして、このような約款の普及に努めるとともに権利侵害への該当性への判断基準となりますガイドラインを策定しているという風に承知しております。
有田:だけどそれでは、先ほどのような書き込みってのはいまだ残っていることを含めて放置されている。それに対しては個人がプロバイダーに依頼をするというプロセスのことは今お話になりましたけれども、私はこの委員会が始まる前に、この17歳の女子高生、元新聞記者の娘さんについて今ネット上でどうなっているかを調べて来ました、相変わらず何にも変わっておりません。こういう事体に対してはどうしたらいいのですか、被害者は?
吉田:私どもと致しましては、現在のプロバイダー責任制限法と、その法制度の枠組みの元で、プロバイダー等の事業者が只今申し上げました約款、あるいは利用規約、ガイドライン等の元で、不適切な権利侵害等の情報につきましては、可能な限り迅速に削除等の対応がされることを期待をしているということでございます。




