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【書き起こし】「“表現の自由”を守るためにもヘイトスピーチを規制しなければいけない」―参議院法務委員会・有田芳生議員質疑

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法規制の必要も指摘されているヘイトスピーチ問題。11月11日に行われた参議院法務委員会で、民主党の有田芳生議員がこの問題を取り上げた。有田氏は今回、ネット上で匿名で行われる差別表現の問題についても言及した。

当該質疑を書き起こしでお伝えする。(※可読性を考慮して文章を一部整えています。また、文中に不適切な表現がございますが、当該質疑の趣旨を考慮してそのまま表記しています。)
有田芳生参議院議員(参議院インターネット審議中継)
有田芳生参議院議員(参議院インターネット審議中継) 写真一覧

ドイツでは逮捕されるような事体が日本ではまかり通っている

有田芳生議員(以下、有田):前回、ヘイトスピーチについて質問をさせて頂きました。さらにこの問題というのはこの数年間日本社会の大きな、あるいは政治問題ともなってきておりますので、新たな課題、例えばインターネット上で匿名でいかに差別の扇動が行われているのかという所に少し重点を絞って、質問通告の順番を替えますけれどもじっくりとお聞きをしたいという風に思います。

先般もお話しをさせて頂きましたけれど、今年の8月20、21日とスイスのジュネーブで国連の人種差別撤廃委員会の日本審査が行われました。実は日本からもNGOのメンバーがかなり現地に出かけまして傍聴致しました。私もその一人でしたけれども、人種差別撤廃委員会の日本審査が始まる直前に委員の方々とお話する機会がありました。

その時に日本から持っていった全国で繰り広げられているヘイトスピーチ、その現場について映像を上映しました。多くの委員の方々、非常に驚いておりました。「こんなことが日本で起きているのか」と。そういう声が上がりました。それは正式の人種差別撤廃委員会の日本審査の中でも何人もの委員の方からお話がありました。前々回でしたか共産党の仁比委員の方からも、ヘイトスピーチ問題の質問がありました。そこでどんな発言があるのかということで、例えば大阪の鶴橋では去年の二月に「南京大虐殺知ってるでしょ、ここから出て行かなければ鶴橋大虐殺をやりますよ」と。あるいは東京の新大久保では「ホロコーストをやるぞ」と「新大久保を更地にしてガス室を作るぞ」というようなことが叫ばれました。

実はその人種差別撤廃委員会の日本審査の直前に見て頂いた映像の中にも大阪の鶴橋の酷いヘイトスピーチの現状が表現されておりました。具体的に言いますと、こういうデモがありました。

「みなさんチョンコと言って差別じゃないですからね、あいつら人類じゃありませんから」と。そういう発言があってデモ行進が行われる。こんなことを、こういう公の場で言う事は憚られると思いながらも、しかしメディアなどがやはり自主規制をせざるを得ないような現状の下で、事実にやはり向き合っていかなければおけないと思いますので、もう少し紹介します。

昨年の鶴橋、昨年の3月24日に行われたデモではこんなことをさらに言っております。「糞チョンコどもを八つ裂きにして家を焼き払うぞ」「焼き払うぞ」というシュプレヒコールが重なる。「一匹残らずチョンコどもを追い込んでやるぞ」「追い込んでやるぞ」。「薄汚い朝鮮半島を焼き払え」「焼き払え」。まあ東京の新大久保の集会でも出発の時には「殺せ、殺、朝鮮人」、こんなことが白昼堂々とまかり通っているというのがこの数年間の日本社会でした。

さらに一点だけ付け加えておけば、今日皆様方にお手元に資料を配布させて頂きましたけれども、写真右側の下、これは11月9日ついこの間、南越谷で行われたデモ行進ですけれども、見ていただければ判りますようにナチスドイツの象徴であるハーケンクロイツ、これを纏った男達がデモ行進をやりました。これは今回初めてではありません。6月には千葉県の西船橋でもハーケンクロイツを使ったデモが行われました。

これはこの一年だけではありません、2012年位から大阪などでもこういうことが続いております。つまり国際社会から見れば「日本ってのは一体何なんだ」と、こんなことがドイツで行われれば即座に逮捕されるような事体が日本では堂々とまかり通っている。2020年東京オリンピック、パラリンピックを迎える国として、まあこれでいいのかと、特に海外からのメディアは厳しい目で見られております。

こうした事について、まず法務大臣にお伺いをしたいのですけれども、こういうデモ、集会というものが日本社会で続いていることについて、どのようにお考えになっているのか、これは人権問題を担当なさっている大臣としてもやはりご意見を伺いたいということ。さらには、こういうデモ・集会についての実態調査、それについて法務省のどういう部署で担当していらっしゃるのでしょうか、お聞きしたいと思います。

上川法務大臣
上川法務大臣(以下、上川):特定の人種、あるいは民族に対して先ほど委員がご指摘になりましたような、様々な暴力的な発言をしてきているということに対しては、まさに社会に対しての大変大きな課題・問題だという風に思っておりまして、極めて由々しきものだという風に理解しているところでございます。

どういう実態になっているのか、ということについての把握というのは、それに対してどう対応するかということを考える上でも大変大事な前提になるというふうに思っておりますので、そこにつきましても実態をどう把握するかということについて、担当の部局人権擁護機関が全国にもございますので、そうした所を通じてしっかりと把握をしていくと、そういうことが大変大事だと思っております。

有田:今大臣から、酷い発言という風に表現がありましたけれども、ヘイトスピーチというのは憎悪のスピーチですから発言という風にどうしても捉えられてしまうのですけれども、人種差別撤廃条約の元々の英文からいうとこれは憎悪表現というようなものではなくて、新聞などでも未だそういう使われ方がしておりますが、差別の扇動なんですよね。

ですから、ここは議論になりますからこれ以上はやめますけれども、つまり「言論表現の自由の範疇なのか」あるいはもっと暴力的な言葉そのものの暴力であると捉えるか、そういう問題もこれからも議論をしていかなければならないと思いますが、まずこの問題でしっかり立たなければいけない立場と私が考えているのは、やはり差別されている人たちがどのような苦しみを被っているか、そこを出発点にしなければいけないという風に思います。

そのことを前提にしながらもう一つ、今人権機関で調査をするとおっしゃって下さいましたけれど、実際にはこういう問題についての調査というのは進んでいるのでしょうか。あの現場からでも構いませんし、大臣からでも構いませんが。

岡村人権擁護局長
岡村人権擁護局長:(以下、岡村)私ども法務省の人権擁護機関では、全国の法務局、地方法務局で人権相談を行っており、また被害者からのメールなどによる被害の申告も受け付けております。こういった申告などを受けて開始した、人権審判事件の調査を通じて現状を把握しているところでございます。

有田:被害者の方からメール、あるいは現場にこられて相談した時、それに対応してくださっているというお話なんですが、こういう差別の扇動行為というのは日本全国で、東京の新大久保だけではなく、この間は銀座の方でも行われました。

毎週のように行われている実態について、「被害が届かないと調査をしない」というのはやはり非常に問題だと思うんですよね。むしろこれだけ社会問題になっている訳ですから、率先して人権機関などが現場にも行ってその調査を進めるというのが、それが相応しいと思うのですがいかがでしょうか?

岡村:私どもでもできる限り実際に、ネット上ですでに載っているYouTubeなどの映像を見て確認しているところもありますが、なかなか全国すべてのネット上の、表現ないしは実際の街頭でのデモ行進などについて網羅的な調査は中々難しく行っておりません。

有田:そこをやはり前に進めなければ日本の人権問題改善にとってもやはり遅れている分野だという風に思うんですよね。今ネット上で全国各地の状況確認はなかなか難しいと仰いましたけれども、そうではなくてやはりあのかなりまとまって、自らの差別行為を在特会をはじめとする団体が今でも出してるんですよね。

もう一つ指摘をしておきたいのは、先ほど私は言葉で、大阪鶴橋の差別の実態というのをご紹介しましたけれども、映像だけでも実は残念ながら判らないんですよ。この委員会、前の委員の方々には私から国連でお配りしたような中身についてDVDをお渡ししました。前回、谷垣元法務大臣も見て下さいまして「そりゃ酷いもんだな」ということをこの場でもお答えいただきました。

だけど敢えて言えば、活字を読んでも中々判らない。残念ながら映像見ても判らないんですよ。これ現場に行けばどれほどおぞましい事が行われているかっていうのは、肌感覚で判る。在特会をはじめとする差別団体が、そういうさっきのような酷いことをやっている。それに抗議する人たちがどんどんどんどん増えて来た。2倍3倍4倍と増えて来ている現状があります。

さらには、やはりトラブルがあってはいけないので警察の方々が、非常に多く警備をしてくださっている。去年のピーク時でいえば、東京新大久保の6月、9月あたりというのはそういう差別をする人たち、それに反対する人たち、警備する警察官たち。おそらく1,000人近い人たちが白昼東京の新大久保から新宿あたりを、1,000人以上の人たちが熱気を持って動き回る訳ですよ。そこに通行人もいれば、買い物客もいる。或いは新大久保の場合には、在日コリアンの人たちが一杯いますから、目の前で攻撃がやってくる。だからそれはもう申し訳ないんだけれども皮膚感覚で感じて貰わなければ、どれほど酷いことが今日本で行われているかっていうのは、残念ながら人間の認識の限界がある。

しかし、それを何とかしていかなければ、繰り返しますけれども被害者の立場に立って差別をなくしていくという、これからの日本の新しい人権状況を作っていくということにはならないと思うんですよね。そのことを指摘して、じゃあそういった差別扇動の集会デモが行われていることについて警察庁にお尋ねしたいのですけれども、日常的な調査というものしているのでしょうか。

警察庁長官官房・塩川審議官
警察庁長官官房・塩川審議官:(以下、塩川)今、議員指摘の在特会につきましてはデモなどの活動に伴い違法行為を引き起こしており、警察は在特会について関心を持ち、情報収集を行っているところであります。

有田: もう一言お聞きしたいのですが、「関心を持って」というのはどういう関心なのですか?

塩川:今ご答弁させて頂いた通りでありますけれども、デモなどの活動に伴い違法行為を引き起こして、しばしば引き起こしておりますので、そういった点から関心を持っているということであります。

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