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不安3倍増の安倍政権は即刻退陣を

〔以下のインタビュー記事は、『女性のひろば』12月号に掲載されたものです。〕

 法政大学を退職後、各地に講演で呼ばれることが増えました。「安倍さんになって『不安倍増です』」と発言した方がいらっしゃいます。「安倍」の前に「不」を、後ろに「増」を付けるとそうなる。うまいですね。

 実際には「不安倍増」どころではありません。集団的自衛権の行使容認で平和が脅かされ、消費税増税と物価高で生活が苦しくなり、「生涯ハケン」や「残業ゼロ」を可能にする規制緩和で雇用不安が進む――安倍首相のもとで、平和、生活、労働の不安が「3倍増」になろうとしています。

逃げとごまかし

 9月末から臨時国会が始まりました。しかし、集団的自衛権行使容認、消費税増税、原発再稼働、沖縄新基地建設など、多くの人々が不安を感じている問題について真正面から国民に理解を求めることなく、政府・与党には逃げとごまかしの姿勢が目立っています。

 10月9日には、日米軍事協力についての指針(ガイドライン)再改定に向けた中間報告が出ました。「周辺事態」を削除して「いつでも、どこでも米軍支援」が打ち出され、自衛隊が米軍の補助部隊となって地球的規模で戦争する危険性が明確になりました。これほど重大な内容を含んでいるにもかかわらず、安倍首相は国会できちんと説明しない。日米両政府間の交渉を先行させているのです。

   

「目玉」は地方と女性だが

 今国会の「目玉」は地方創生と女性の活躍推進ですが、これまで自民党が推進してきた政策との矛盾がきわめて大きく、具体的に何をしようとしているのかがあいまいです。TPPに加わったり消費税が再増税されたりすれば、地方の農家や中小業者は大打撃を受けます。労働の規制緩和によって収入が低く不安定な雇用がさらに拡大すれば、非正規雇用の多い女性の困難は増大します。

 地方の衰退や女性の社会進出の遅れをもたらしたのは自民党の悪政でした。それが拡大し深刻化してきたために無視できなくなったわけですが、まるで家の土台を掘り崩しながら屋根を修繕しているようなものです。統一地方選向けの「付け焼刃」にすぎません。

野党は何をしている?

 では、肝心の野党はどうか。民主党は原発を再稼働させた過去があり、3党合意で消費税増税を決めたのも民主党です。自民党を追及して悪政を真正面からストップできない。維新は与党だか野党だかわからない。次世代の党は自民党以上に右翼的でお話しにならない。みんなの党は分裂騒動で国会どころではない。こんな惨憺たる状況で、唯一まともなのは共産党だけです。

 野党は世論をきちんと受け止めて、政策転換を求めていかなければなりません。集団的自衛権の行使容認、消費税の再増税、原発の再稼働、沖縄県辺野古での新基地建設など、どれをとっても反対の方が多いのですから。国民がこれほど反対しているのに強行しようとしている安倍政治は、まさしく「亡国の政治」そのものです。一つや二つ悪いところがあるというのではない。外交・安全保障、生活と労働、社会保障に教育――あらゆる分野で災いをもたらす政権ですから、とっとと辞めさせないと日本は大変なことになってしまいます。

戦後史の大転換

 いま、戦後の日本が歩んできた道が大きく変えられようとしています。「海外で戦争する国」へと踏み出す大きな転換点に立っている。まともな政治家なら危機感を持つのは当然です。政権政党として育ててきた自民党が極右勢力に乗っ取られてしまったようなものですから。『しんぶん赤旗』に自民党幹部のOBが登場して話題になりましたが、彼らは氷山の一角です。日本は大丈夫なのか、これで中国や韓国などときちんとつきあっていけるのかと心配している政治家や官僚は多い。

 かつて政権側にいた内閣法制局の元長官たちや柳沢協二さんや孫崎享さんなどの元防衛官僚なども声を上げています。これからガイドライン再改定や集団的自衛権関連法案の内容が明らかになれば、危機感はもっと高まるでしょう。

共産党の役割は大きい

 世論は働きかければどんどん変化しています。若い人たちも加わって、デモや集会、署名などが取り組まれるようになりました。そこに希望があります。安倍さんを支持する勢力は国会内では大きくても、国会の外では少数派です。選挙で選ばれたといっても、自民党に投票した有権者の割合(絶対得票率)は最大でも4分の1にすぎません。安倍内閣の政治的基盤は強いものではないのです。

 1人ひとりに訴えかけて考えを変え、それが大きな世論となって政治を動かす。これが民主主義というものです。このような政治を取り返すことができなければ、日本は民主主義国家とはみなされず、国際的に孤立するだけでしょう。

 日本共産党は昨年の都議選、参院選で政権批判の「受け皿」となって躍進しました。地方選でも日本共産党の役割は重要です。共産党が候補を出さなければ選挙が成り立たたない場合が多いからです。対立候補や政策的な対立軸をたてる、国会で論戦をリードする、政府・与党が隠したがっている問題に光をあてる、そして「亡国の政治」を阻止する――このような形で、共産党には今後も大きな役割を果たしていってほしいですね。

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