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相変わらず酷すぎる神奈川新聞

【社説】文化の日に 萎縮する現状の打破を(神奈川新聞)

 現在の日本はどうだろうか。寛容さが失われ、閉じられているとはいえないか。

(中略)

 端的な例が、インターネットを通して全国に支持者を集めた「在日特権を許さない市民の会」であろう。日本社会で長い時間を生きてきた在日韓国・朝鮮人を他者として排除するヘイトスピーチを続けている。その動きに呼応するように、書店には「嫌韓」「嫌中」本が並ぶ。

 被ばくにまつわる表現が政治家までも巻き込む騒動を巻き起こした「美味しんぼ」の例は、タブーに触れれば社会から攻撃される、という現状を分かりやすく示した。さまざまな意見に向き合い、受け止め、建設的に議論を進めるという健全な動きが見られなかった。

 朝日新聞を筆頭に全国紙には酷い報道が目立つわけですが、地方紙がマトモかと言えばそんなことはなく、この神奈川新聞のような類も少なくありません。批判的に論じられる対象として全国紙が挙がるのは、あくまで有名税的なものであって地方紙も質の悪さでは変わらないのだなと思いました。

 ……で、ここで引用したのは神奈川新聞が明治天皇の誕生日に垂れ流していた社説です。なんと言いますかまぁ、桜井誠という通名で知られる在特会の会長やその辺の支持層も「(在日韓国・朝鮮人の)タブーに触れれば社会から攻撃される」と思っているのであろうと推測されるところです。ある意味、神奈川新聞と在特会は根底において通じ合っているような気がしますね。

 福島――の在住者や出身者、農産物や土地――を指して、何ら根拠もなく事実に反して「危険である」「避けるべきである」と主張することが神奈川新聞の言うように「さまざまな意見」であるならば、同様に在日韓国・朝鮮人を「危険な存在である」「有害である」と説くこともまた、「さまざまな意見」と扱われるべきでしょう。福島を「避けるべき危険」と見せかけるデマも多様な見解と正当化されるなら、在日韓国・朝鮮人の存在に警鐘を鳴らす人々の主張も同様ですから。

 全くの妄想に基づいた言論によって何かを排除の対象に仕向けようとする、それが許されるのかどうかは対象が福島であるのか、それとも在日韓国・朝鮮人であるのかによって左右される問題ではないはずです。福島に対するヘイトスピーチが許されるなら、在日韓国・朝鮮人に対するそれも言論の自由の範疇に入ってしまいます。もしどちらのヘイトスピーチも許容するというのなら、ある種のアナーキズムとして筋は通りますが、一方のヘイトスピーチは批判し、もう一方は言論の自由であると主張するのなら、これほどまでに見苦しい身贔屓はないなと感じるところです。

 神奈川新聞の世界観では、「美味しんぼ」は「タブーに触れ」たために「社会から攻撃され」たそうです。在特会の頭の中も、神奈川新聞と同じだと思います。自分たちが「社会から攻撃され」るのは「タブーに触れ」たからである、と。似た者同士ではあるのでしょう。ただ単に、自分たちの妄想によって危険視する対象、排除すべきだと主張する対象が異なっているだけです。

 まず身内を正せない人々は醜悪だな、と思います。隣国を非難するよりも前に、自国の歴史を直視するぐらいできない人は恥ずかしいなと感じるわけですが、今回の神奈川新聞の場合はどうなのでしょうか。福島に関して誤ったイメージを植え付けようとするような言説を否定できない人が、同様に在日韓国・朝鮮人の誤ったイメージを植え付けようとする言動を非難するというのも身勝手な話です。まずは自分の肩入れしている側が間違ったことを言ったときに、それを制止できないのであれば、その人の自浄能力は推して知るべしです。

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