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高齢先進国・日本の福祉機器開発−高齢者と介助者の生活の質(QOL)向上に向けて! - 土堤内 昭雄

今年10月1日から三日間、東京・有明のビッグサイトで国際福祉機器展(H.C.R.2014)が開催された。同展は1974年に始まり、今年は41回目となる。15カ国・1地域から585社(国内530社、海外55社)が出展し、延べ12万7,651人が来場したという。広い会場には車いす、介護用ベッド、介護用浴槽、福祉車両、介護ロボット、手すり・スロープ、オムツ等の介護用品など、高齢者や障害者の自立と介護を支援する福祉機器が多数展示され、来場者が実際に手にとって使い勝手を熱心に試していた。

私が高齢化の研究を始めた90年代は、スウェーデンやデンマークなど北欧諸国が高齢先進国として有名だった。日本社会の高齢化が急速に進む中、ノーマライゼーションの考え方や先進的福祉機器について学ぶために、多くの研究者や実務家が北欧諸国へ視察に出かけた。それから20年以上が経過し、今や日本の高齢化率は北欧諸国を超え、世界一の高齢社会を迎えた。その間、日本では公的介護保険制度が導入されるなど様々な高齢化への対応が行われ、福祉機器の進歩にも目覚しいものがある。

私は今回の福祉機器展で起立補助装置の付いた車いすを見つけた。お年寄りなどが車いすから起立・着座するときは抱きついて立位移乗するのが一般的であり、介助者への身体的負担は極めて大きい。しかし、この装置の付いた車いすは、介助者が座面の下のペダルを踏むと座面が前方に起き上がり、車いす利用者の重心移動が促され、自力で立ち上がる動作が容易になるのだ。このような福祉機器は、高齢者や障害者の能力を補完し、日常生活の質を高めるための自立支援と同時に介助者をも支援する。その結果、介護を受ける人と介助者の双方の生活の質(QOL)の向上が図られるのである。

今後、日本人の平均寿命はますます長くなり、在宅介護や老々介護が一層増加するだろう。高齢期の生活の質の向上を図るには、高齢者の生活の自立度を高め、介助者の負担を減らす福祉機器の活用が不可欠だ。高齢先進国・日本の福祉機器がそこで果たす役割は、極めて大きくなるだろう。

さらに今後は、国際福祉機器展で紹介されているような多種・多様な福祉機器に関する情報・知識を、介護を受ける人や介助者などのエンドユーザーに広く、早く、正しく届けるための取り組みが必要だ。以前、高齢化の調査のために訪れたオーストラリアの福祉機器展示場では、普通の住宅の中に様々な福祉機器が生活のシーンごとに展示してあった。それを見ると、福祉機器を使うことにより、具体的にどれだけ自立的な暮らし方ができるようになるかがよく分かった。施設の名称も“Independent Living Center”(自立生活センター)だったと記憶している。

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