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- 2014年11月10日 07:30
書籍のマーケティング 『リクルートという幻想』で取り組んだ3つの新しい取り組み
1/2画像を見るリクルートという幻想
中公新書ラクレ [Kindle版]
常見陽平
中央公論新社
2014-10-24
『リクルートという幻想』という本を発表してもうすぐちょうど2ヶ月になる。おかげ様で、発売後にすぐ重版がかかった。いくつかの書店ではトップ10入りした。Kindle版も発売された。この間に、リクルートホールディングスは東証一部に上場した。3100円で売りだした株価は現在、4000円にせまる勢いで推移している。タイミングがちょうど合ったこともあり、たくさんの取材依頼を頂いた。
取材依頼同様、実はじわじわと出版関係者から、問い合わせが入った。この本のマーケティングについてである。うん、たしかに、少なくとも自分にとっての初の取り組みを行っている。いや、出版業界の中でも珍しいのではないだろうか。
具体的には、次の3点である。
1.本作りのプロセスをチラ見せする。
2.新作発表記者会見を行い、ニコ生配信する。
3.書籍のCMをつくり、YouTubeで配信する。
この3点だ。
よっぽど売れている著者ではない限り、出版社が広告などにお金をかけてくれるわけではないので、著者自らの売る努力が必要である。おかげ様で、この本は出版社からも多大なる協力を得られた方ではあるのだが。
それぞれの取り組みについて紹介しよう。
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1.本作りのプロセスを開示する
これは賛否あるだろう。これから出る本のことを明かすのだから。
とはいえ、お楽しみ感を高めるために、ゲラなどが届くたびに、それを自分のFacebookにアップし、チラ見せしていった。
これにより、事前の予約はかなり入ったのでセールスにも繋がった。
チラ見せした範囲に関して、Facebookで繋がった方からご意見を頂いたり、あらたなデータ、ファクトをご提供頂いたりもした。
もちろん、そもそも「こんな本、本当に出すのか?」というご批判の声もあったが。
発売前から、想定される賛否や、ツッコまれそうな部分が分かったので、原稿を仕上げる上で大変に参考になったのだった。そして、事前にチラ見せしている原稿を超えなければ、商品として売る意味がないので、励みにもなった。なんせ、事前の予約も増えた。
というわけで、このチラ見せ作品は完成度アップにも売上にも貢献したのだった。