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アルコール問題 「不適切な飲酒」防ぐ社会に

今月10日から「アルコール関連問題啓発週間」が始まる(16日まで)。公明党がリードし、成立したアルコール健康障害対策基本法に定められ、今年から実施されるものだ。アルコールへの正しい知識を普及する機会としたい。

<百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ>。吉田兼好『徒然草』の一節だが、多量飲酒、未成年や妊婦の飲酒など「不適切な飲酒」は、心身の健康障害のみならず、家庭や社会に重大な問題を引き起こす。

厚生労働省の調査によると、わが国では、アルコールに伴う病気や事故、自殺などで年間3万5000人が亡くなっている。また、1日平均純アルコール60グラム(ビール中瓶3本)以上を摂取する「多量飲酒者」は980万人。アルコール依存症は109万人で、その疑いのある人が113万人いる一方、実際に治療を受けているのは5万人に過ぎない。

“飲み過ぎ”による社会的損失は、年間4兆円とも推計され、これは酒税の3倍に相当する。非常事態ともいえるアルコール関連問題の「発生」「進行」「再発」の防止へ、国や自治体、医療関係者、酒類事業者などが連携し、総力を挙げて取り組むべきだ。

今後、都道府県では、政府が策定する基本計画に基づき地域の実情に応じた推進計画を策定していくが、各地の先進事例も参考にしてほしい。

例えば、三重県四日市市では、アルコール依存症の専門医師と、内科や救急の医療現場、さらには保健所や消防、警察などが連携し、多量飲酒者や依存症患者の早期発見と治療支援にあたっている。

国立病院機構・肥前精神医療センター(佐賀県)では、多量飲酒者の酒量低減をめざす「HAPPYプログラム」を開発したほか、節酒指導用のワークブックを作成し、インターネットでも公開。福岡県など、飲酒運転違反者に対し、アルコール依存症に関する診断を義務付ける条例を制定する自治体も増えてきた。

これまでアルコール依存症は、その人の性格など“個人の問題”と誤解されてきたが、飲酒を続ける限り、誰もがかかりうる病気である。適度な飲酒の量や依存症などへの理解を深め、社会全体の問題として対策に取り組みたい。

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