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テレビ制作者に求められる「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」って何?!

高橋秀樹[放送作家]

***

筆者は放送作家として作家事務所を主宰しつつ、テレビ制作会社も経営している。「テレビ文化を発展させられる作り手」になれる次世代のテレビマンの育成にできる限り尽力しているつもりだ。

そんな筆者の会社にも、毎年、テレビマンを目指す若い学生たちが、数多く就職に向けてエントリーをしてくれる。当然、採用試験をするのだが、先日のディレクターの採用試験では、思わず苦笑せざるを得なかった答案があった。

採用試験として出題した問題は、次のようなものだ。

[問]自分の出身学校を主語にし「そもそも」という接続詞を使って、文章を作って下さい。

この問題に対し、ある専門学校の男子学生が作った文章は以下のようなものだった。当該の放送専門学校の名前は、何かと問題があるとまずいので「A専門学校」としておこう。

[答]A専門学校は、そもそも、行く必要のない学校だった。

この学校で教えたこともある筆者としては、笑うしかない。面白い文章だし、しかも、この男子学生は現実をよく見ている。合格である。

話が少し横道に逸れるが、偏差値50くらい、つまり最も数の多い層の学生は、接続詞が正確に使えない。一番多いのは「しかし」の使い方の間違い。「しかし」の使い方は「逆接」である。

[間違った例文]この洋服は大変高価である。しかし、長持ちもするのである。

・・・というような文章を平気で書く学生が本当に多い。

前述の専門学校生は「そもそも」が功を奏して、テレビマンへの道を歩むことになったが、そこで思うのは、テレビ制作者は学校ではなく、「オン・ザ・ジョブ・トレーニング(職場内訓練)」でしか育たない、ということだ。

多くのテレビ制作者が言う「教育なんかしているより早く現場に入れちゃえよ」ということなのである。テレビ番組は芸術作品ではないが、工業製品でもない。そういったものづくりは仕事をやりながら身につけるのが手っ取り早い。

この「見よう見まね」の間に必要なのは、自ら発見をして、「テレビ番組づくりの文法」を身につけることである。この「文法」を先輩制作者の背中を見ながら学ぶのである。改まって教えてくれたりはしない世界だから、「盗む」のである。この「文法」を身につけて初めて、「文法」を破壊した「新しい番組」が生まれる。

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