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2014.11.03

■11月某日 沖縄では県知事選挙が始まった。候補者は、仲井真弘多前知事、翁長雄志前那覇市長、下地幹郎前衆議院議員、喜納昌吉元参議院議員の4人だ。投開票日の11月16日に向けて選挙戦は白熱していくはずだ。東京からも本土メディアの取材班が沖縄に入っている。官邸が内々で調査した事前予測によれば、保守・革新、経済界などがオール沖縄の県民党として、辺野古新基地建設に反対する翁長雄志候補がリードしており、優勢と伝えられている。それでも安倍政権も官邸も負けるわけにはいかない選挙だ。勝てないまでも、なるべく票差を詰めたいというのが、安倍政権の意向だ。そのためには資金も人脈もフルに投入する方針を打ち出している。すでに大手広告代理店が派遣したメンバーが沖縄でイメージ戦略を展開中と囁かれている。

 今回の県知事選の最大の争点は辺野古新基地建設推進に対する是非だ。翁長氏は反対だが、仲井真氏は昨年末の仕事おさめの日に辺野古の公有水面の埋め立てを承認し、推進派に転向した候補だ。仲井真氏を支援する自民党県連や自民党選出の国会議員5人も転向派。安倍政権から除名を仄めかされて裏切った面々ばかり。実に分かり易い対立図式なのだ。政府に屈服させられた勢力と200年は続く可能性のある辺野古新基地に反対する勢力との一騎打ちでもある。しかも、翁長氏は元自民党県連幹事長もつとめたことのある保守派。仲井真氏の裏切りに対し、県民の総意を問いたいという動機で、自民党を離党して革新系や旧自民党系議員、経済界の支援を受けている翁長氏と利権派保守系の分裂選挙でもある。はっきりしていることは、辺野古新基地建設に対しては県民の8割が反対していることだ。まさに安倍政権と沖縄裏切グループ対沖縄の新基地建設反対の自立志向派の戦いでもある。

 沖縄県知事選で不確定要因だったのが、安倍総理―菅義偉官房長官による総力作戦だった。知事以下の自民党県連や国会議員を転向させた懐柔と恫喝作戦である。しかし、仕掛ける側の安倍政権が女性閣僚のうち、小渕優子経産大臣と松島みどり法務大臣の政治とカネにまつわるダブル辞任劇となった。第二次安倍内閣の目玉のはずだった女性閣僚の辞任劇は政権に亀裂を入れた。政治とカネにまつわる疑惑は、小渕優子の後任となった宮沢洋一大臣、、有村治子女性活躍担当大臣、西川公也農水大臣、江頭聡徳防衛大臣、望月義夫環境大臣と次々に波及。あらためて、自民党議員たちの政治とカネにまつわる不透明さを露呈。枝野幸男民主党幹事長にもパーティにおける収入の未計上が発覚し、ブレーキがかかったものの、まだまだ安倍政権の不安定材料は消えそうにない。残りの女性閣僚も秋の例大祭における靖国参拝や在特会問題など、火種になりそうな材料には事欠かない。

 それにしても安倍政権のこの脇の甘さは何なのだ。閣僚人事の際には「身体検査」を行うのが常識だが、傲慢さや驕りの表れなのかもしれない。これまで安倍政権に対して批判力を行使してこなかったメディアの責任でもある。安倍内閣のゴタゴタで救われたのがバッシングの嵐に襲われていた朝日新聞だろう。せっかくのチャンスを潰したこともあってか、安倍総理が閣僚スキャンダルの連発で「撃ちかた止め」と語ったということを報道した朝日新聞の記事に対して「ねつ造」と怒りを爆発させた。毎日、讀賣、日経なども同じ内容で報じているのに、である。普段の国会答弁では官僚が作成した文書を読み上げるだけだが、フリートークになれば、感情丸出しに豹変するタイプなのだ。盤石といわれながら、イマイチ安定性にかけるのが安倍政権の実態なのだ。国会は難題山積みだけに、イライラして大ポカ発言が飛び出すのも近いのではないか。まずは、沖縄県知事選で日米両政府に辺野古新基地建設への明確な「NO!」を突きつけることだ。

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