シーア派にとっては、預言者ムハンマッドの甥(正統カリフの4代目)の孫のフセインの殉教は特別に重要な宗教的行事のときで、特に彼の殉教の日のムハッラム月10日のアシューラには、大々的な行進が行われます。
特に、彼の廟があるカルバラは聖なる地で、毎年各地から集まった多くのシーア派信者がバクダッドからカルバラにかけて大行進をします。
ところが、この行事がスンニ派の過激派の絶好の目標?となり、イラク戦争後は毎年血なまぐさいテロ(車爆弾とか自爆テロが多い)が生じてきましたが、今年もムハッラム月に入り、3日にはバグダッドからカルバラへの大行進が予定されているとのことです。
この点に関して、今年は特にISの勢力がイラクで拡大し、バグダッド近くまでも迫っていることもあり、イラク治安当局にとっては、この期間中バグダッド、カルバラ等主要都市、及びバグダッドからカルバラへの道路の安全をいかに確保するかが最大の課題になっています。
この点に関して、al qods al arabi net は、治安当局の言として、この期間中イラク治安当局は最大限の警備を行うために、治安部隊2・5~3万人を動員し、これを15万人の志願者(民兵のことか?)が支援する体制となってと報じています。
また、当局者は最近イラク軍が、イラク南方でバビロン、アンバールに隣接しているjaraf al sakhrからISを駆逐したことは、治安維持上極めて重要で、これまでもこの地域はテロを準備したり、爆薬を準備するための基地として使われていたとしている由です。
しかしこれら当局者も、昨年までに比し、今年のテロの危険が大きいことは事実であると認めているとのことです。
因みに、1日もバグダッドの東部等で、車爆弾により少なくとも24名が殺害された由。
その中にはアシューラ用の点とで殺された者もいる由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2014/11/01/24-قتيلا-على-الأقل-بتفجيرات-في-بغداد-ومحيطها.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2014/11/01/24-قتيلا-على-الأقل-بتفجيرات-في-بغداد-ومحيطها.html
と言うことで、当面イラク各地におけるISとイラク軍、ペッシュメルガ、米連合空軍等との戦いとあわせて、バグダッドやカルバラにおける治安問題が大きな焦点となりそうなので、取り敢えず。
記事
- 2014年11月02日 18:53