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大阪カジノ利権②:入札情報漏えいに関する担当局説明(全文)

先のエントリにおいてご紹介した、大阪市において発生したカジノ事業検討調査に関する入札情報の漏えいに関して、追及が行われた市議会映像が公開されていました。先のエントリを読んでいない方は以下のリンク先から。
噴出する大阪カジノ利権: 入札情報が事前流出
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8588006.html
 
10月31日: 大阪市議会決算特別委員会(1:00:26より)
杉村市議:
維新の杉村です。よろしくお願いいたします。まず私からは統合型リゾート、いわゆるIRに関する候補地関連検討基礎調査委託の公募に関してなんですけれども、公募の募集の公告まえに募集情報が漏れていたということを耳にしたのですけれども、それが事実なのかどうか、事実関係をふまえて局長自身がお応えください。

担当部長:
ご回答申し上げます。統合型リゾートにつきましては海外事例の調査分析や、立地することによる経済効果等を試算することを目的に、10月16日に業務委託の公募を開始したところでございます。委員お尋ねの件につきましては、詳細は現在調査中でございますけれども、当局の職員が業務委託の公募につきまして有識者や関係事業者約30社に対して、公募開始の前日に「明日、公募が開始されるのでHP見るよう」、また公募開始の当日に「本日公募開始したのでHPを参照願いたい」旨のメールを発信したというもので御座います。

当職員に対しまして、事情聴取を実施しましたところ、当該職員は「公募が不調になるリスクを回避したいと思い、本市の取り組みに対して広くPRしたいとの思いで発信してしまった」ということで御座いました。このことは、公募の内容まで漏らしたものではございませんが、特定の相手方に公募開始の時期を知らせていたというものでございまして、公正性、公平性、また競争性を阻害する恐れがあった行為で、配慮が足りなかったと言わざるを得ないと考えており、深く反省するところでございます。

引き続き厳正な調査を進めるとともに、今後はこのことが無いよう、職員に徹底して再発防止に努めてまいりたいと思うところであります。どうぞよろしくお願い致します。

杉村市議:
この手の話というのは、こういう話が付きものだと思うんです。一般職はもとより特別職も、あくまで過去からの噂なんですけれども、今に至ってそういう噂がチラホラ聞こえてくるということはあるんですけれども、この調査がどういう風に広がりを見せるのか、もしくは他にも有るんではないか。人というのは情報を話しますし、喋りますし、漏らすと思うんですよ。そうあるんだという事を念頭に置いて頂いて、キッチリ調査して頂いて、措置もしていただく。そして再発防止にも務めて頂くということは元より、今後、もしかしたら燻っているのではないかとか、そういったものに対する抑止力もかけれるように進めていって欲しいと思っております。

統合型リゾート、いわゆるIRについては現在推進法が国会にて議論されていますが、今後大阪でも立地について広く市民のみなさまと対話し、進めてゆかなければならないと考えています。そのような時に、今回のようなことが水を差し、大阪への立地がとん挫することのないように、本質を見誤るような、水を差さされるようなことがないように、今一度襟を正してしっかりと調査を早く出してほしいと思っております。

以下、私がいくつか思うところ。

①不調に終わることはない

担当者は「公募が不調に終わるリスクを回避したいと思い…」と説明をしているようです。しかし、客観的にみて大阪のこの調査が不調に終わるリスクというのは限りなくゼロです。全国自治体では現在、同種の調査事業の公募がアチコチで行われており、私が知る限り全国自治体の主要な類似調査で不調となった事例はありません。

例えば目下、大阪の最大のライバルである東京都が本年4月に開催した「カジノ・IR動向調査」入札では、入札方式が価格のみで競争する単純競争入札であったのもあり、外資系コンサル会社、デロイト・トーマツ社が応札上限価格を大幅に下回る9万7千円(!!)という破格の値段で調査受託を行っています。当然ながら、10万円弱で調査事業が成立するわけもなく、実態としては現在、各社は有力な候補地においては「原価割れ」をしてでも調査受注をするという一種の「禁じ手」を放っている状態であります。当然ながら、現在全国で最もアクティブにIR誘致を行っている大阪においても、不調どころか熾烈な入札競争になることは必至。「不調のリスクを避ける」という担当者の説明は、全くもって実態に合致していません。

②なぜ「事前に」情報漏えいしたのか

そもそも、「不調のリスクを避ける」のが目的なのであれば、なぜ「事前に」公示情報を漏らす必要があったのかという点に大きな疑問が残ります。入札公示から締め切りまでは、当然ながら一定の準備期間が設定されているワケで、単純に不調のリスクを避けたいのであれば、公示後にPRを行えばよいもの。それを事前に漏えいする形で特定の有識者や事業者に便宜を図る必要性は全くなく、この点においても担当者の説明は論理矛盾を抱えています。

私自身も調査会社の人間として申し上げるのならば、入札というのは一世を風靡した「料理の鉄人」と同じようなもの。各参加者が「用意、スタート!」の掛け声で同時に準備を開始し、限られた時間内で最良の提案を目指すレースです。大阪市は「公募内容を漏らしたものではない」などと説明をしていますが、この種の競争入札でスタートのタイミングを特定の事業者に事前通告してしまうこと自体が、入札の公平性・平等性を害するものだという事は再認識する必要があるでしょう。

担当局による上記の議会答弁では、入札情報の漏えいは特定の有識者や関係事業者約30社に対して行われたものとされています。これらがどういう人物達なのか、はたまたこれまでの大阪の統合型リゾート構想の中でどのようなポジションに座り、また漏えいを行った担当課長とどのような関係にあったのかなど、上記の議会質疑で杉村市議が語っている通り、この調査が今後どのような広がりを見せてゆくかに注目が集まります。先のエントリでも述べた通り、カジノ業界界隈には常に怪しげな話がゴロゴロしているワケで、これをキッカケに業界の膿を出し切って頂きたいと願うところです。

ま、この種のものは大阪市が望まざるとも、共産党や市民オンブズマン組織が延々と追及してゆくのでしょうがね。こういう場面こそ、彼らの活躍のしどころと言えます。

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