- 2014年10月31日 17:50
「生命保険料にいくらかけるか考えてみる」
世の中の物事を正しく理解するためには、タテ・ヨコ比較が有効です。すなわち、昔はどうだったか(タテ軸:時間軸、歴史軸)、世界はどうなっているか(ヨコ軸:空間軸、世界軸)ということです。わかりやすいデータがあったので、ここでちょっと日米の保険事情を比較してみましょう。
両国の市民が支払っている生命保険料の総額は、米国53兆4,150億円にたいして、日本は42兆3,758億円。もちろん、この両国が世界1、2位を占めています。ところが、人口はアメリカが日本の3倍近くありますので、市民1人あたりの生命保険料負担は、米国の16万8,808円に対して、日本は2倍の33万5,411円を毎年支払っている計算になります。また、GDP比で保険料を比べれば、アメリカは3.2%、日本は8.8%となります。これは何故でしょうか。実は、この日米の関係は、僕が日本生命に入社した40年前とほとんど変わっていません。 (出所:ダイヤモンドオンライン 2014年9月24日 「日本人は超心配性?!日米の保険事情を比較してみると・・・」
当時は、日米比較について、次のように説明されていました。
「日本は戦後の復興に資するため(税制等で)、貯蓄を優遇し、生命保険もその一環として加入が奨励された。」「一社専属の対面販売(セールス)は、売る力が非常に強い(米国は乗合代理店が中心)。」「高度成長が40年も続き、所得が毎年のように上昇したので保険料負担が年々軽くなっていった。」
僕は最初の理由が一番大きいと思っていますが、ともあれ、「キャッチアップモデル(米国に追いつき、追い越せ)」「人口の増加」「高度成長」という人類史上、ほとんどその例を見ない幸運な条件が3つも重なって、わが国の生命保険業界は大きく発展したのです。
ところで、これからはどうなるのでしょうか。わが国の繁栄を支えた3条件は、様変わりしました。「課題先進国(モデルがない)」「人口の減少」「低成長」と、すべてベクトルが逆向きになりました。注目すべきは世帯所得の低下です。平均所得はこの15年で、18.8%減少しています。
出所:厚生労働省「平成25年 平成14年 平成11年 国民生活基礎調査の概況」
このような時代にあっては、所得が年々上昇した高度成長期とは異なり、たくさん保険に入ると、年々保険料の負担が重くなり、家計を圧迫することになりかねません。
ファイナンシャルプランナーの皆さんの意見を伺ってみると、みなさんの最大公約数は、「生命保険料は、月々の手取り金額の3~5%程度を上限(目安)とすべき」というゾーンに収束します。手取りが20万円なら、生命保険料はあわせて6,000円から10,000円の間に収めておいた方が、(万が一所得が下がった場合等を考慮すると)楽ですよ、ということです。これからの時代を考えると、生命保険料の上限を考えるという視点はとても大切ではないでしょうか。



