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スマートフォンで明暗をわけはじめた小米(シャオミ)とサムスン

中国のアップルともいわれる小米(シャオミ)が、7~9月期のスマートフォン出荷台数で、初の製品投入からわずか3年で、世界シェア3位に躍進したことをロイターが伝えています。小米(シャオミ)にかぎらず、華為(ファーウェイ)、レノボなどの中国製のスマートフォンの攻勢でもっともその影響を受けているのがサムスンで、前年同期の35%から25%へと10ポイントもシェアを落としています。
スマホ市場シェア、中国の小米が世界3位に躍進=調査会社 | Reuters

IDCの調査では、スマートフォンの世界出荷台数は、7~9月期に前年同期から25.2%伸びたにもかかららず、サムスンは出荷台数も8.2%落とす結果に陥っています。

一方の小米(シャオミ)は、4~6月期に中国市場でサムスンを追い抜きトップに躍り出ただけでなく、インド市場にターゲットを定め、2015年に出荷台数を1億台まで増やすことを目標に掲げ意気軒昂です。

スマートフォン市場は、もっとも成長が期待できる新興国市場でサムスン対小米(シャオミ)、またサムスン対中国メーカーの激突時代に突入します。

このことは、市場でのシェア拡大をはかることで、スマートフォン市場の成長を取り込み、さらに規模の経済効果で高利益を稼いでいたサムスンの勝利の方程式が、土台から揺らぐことになってくるのです。

中国勢との激しい競争の結果、当然価格が下がってきますが、追い打ちをかけるように、ウォン高が襲ってきています。サムスンは、7~9月期の決算で、営業利益を6割も減少させ、すでにその兆候が現れてきています。 
サムスン7~9月期決算、営業利益6割減 スマホ不振で : J-CASTニュース

当然、これまでのように高機能機種でブランドイメージを高め、幅広いラインアップで、普及機種で稼ぐ構図も成りたたなくなってきており、サムスンにも戦略の転換が求められてきています。

普及機種での価格競争を避けたければ、高機能機種に絞り、高付加価値戦略に移るということになりますが、目の上のたんこぶのようにiPhoneが存在しています。

しかも、お膝元の韓国市場で異変が起こり始めています。韓国では、サムスンは60%を超えるシェアで独占状態ですが、10月最終週から始まったiPhone6/6Plusの予約に注文が殺到しており、すでに10万台を超える人気で、同じ期間における韓国サムスンのギャラクシーノート4は予約数が3万台と伸び悩んでいるとか。
韓国でiPhone 6が大人気に! サムスンのギャラクシーノート4...:レコードチャイナ

さらに、機能や品質での差別化が極めて困難になってきたスマートフォン市場で、高機能機種に絞ってはたして成長が可能かも疑問です。高機能機種に絞って生き残りをかけてきた日本の国内メーカーは、もはや世界市場では存在しないに等しいところまで追い込まれ、また国内を見ても伸び悩むどころか2014年上期には出荷台数が前年同期比13.7%減という厳しい結果になっています。いまや、独創どころか「ものづくり」しかできないソニーのエレクトロニクス事業の惨憺たる結果を見てもあきらかです。
Yahoo!ニュース - 2014年度上期の国内携帯電話の出荷台数、過去最低に (RBB TODAY)

サムスンのこれからたどる道は、日本の製造業にとってもいい参考になります。サムスンは、「ものづくり」企業としては奇跡的な成功を収めたのですが、それも破綻しはじめています。

「ものづくり」の競争力で成功するのは、部品や素材の分野などに限られてきています。消費財では、掃除機のダイソンなどのように、独自の切り口、また独自のポジショニングを切り開いた企業だけが成功するということですが、「ものづくり」の能力と「ものづくり」を起点とした企業の古典的なマーケティングが成り立つのかどうかです。

それをブレークスルーする新たな戦略を見出し、もし再び成長を取り戻すことができれば、サムスンはほんとうに奇跡を起こす企業なのでしょう。

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