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在日朝鮮人女性が在特会を提訴――“複合差別”を指摘

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第一回口頭弁論後に開かれた支援集会で決意を述べる李信恵さん=10月7日。(撮影/平野次郎)

ヘイト・スピーチ(差別煽動表現)で精神的苦痛を受けたとして、在日朝鮮人でライターの李信恵さん(43歳)が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と同会の桜井誠(本名・高田誠)会長に対して550万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が、10月7日、大阪地裁で開かれた。被告側は欠席のまま、原告の代理人が訴状を読み上げた。

訴状によると、桜井会長は昨年1月から今年7月、神戸市内で街頭宣伝中に李さんの面前で「朝鮮人のババア」と発言したほか、インターネット上で「不逞鮮人」などの書き込みを繰り返した。これらの行為は李さんへの名誉毀損、侮辱、脅迫、業務妨害だけでなく、「在日朝鮮人」に対する人種差別に当たるとしている。

ヘイト・スピーチをめぐって個人が在特会などを相手に提訴するのは本件が初めて。法人や団体が名誉毀損などで在特会の違法性を訴えた裁判としては、今年7月の大阪高裁判決で原告の京都朝鮮第一初級学校(現、京都朝鮮初級学校)が勝訴した。だが、被害者が不特定多数の場合はその個人が特定されない限り、現行法で裁判に訴えることが難しい。このため、今回は李さんが「不特定多数」を代表して提訴に踏み切った。

また、本件は原告が女性であることから、性差別をともなう“複合差別”であることも注目される。弁護団によると、ネットでは李さんの容姿を揶揄するものが多いと言う。

閉廷後は「李信恵さんの裁判を支える会」の発足を兼ねた支援集会が開かれ、約130人の支援者らが「京都朝鮮初級学校の裁判に続こう」「女性一人を矢面に立たせることはしない」と激励した。

在特会とは別に「保守速報」(インターネット・サイト)運営者に2200万円の損害賠償を求めた訴訟は、10月30日に第一回口頭弁論が行なわれる。

(平野次郎・フリーライター、10月17日号)

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