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経済合理性のある選択肢に流されないように、企業でさえも"自分の軸"を掲げている

■経済合理性で動く社会

社会のルールが「経済的価値を高めること」で動いているので、経済合理性のあることはどんどん進んでいきます。

例えば、投資した分のリターンが見えやすいものや、今使っているものより安くなるもの…同じ値段でも永く使えるとか…。

太陽光発電が固定価格買取制度によって、あっという間に広がっていったのも、白熱電球がLEDに入れ替わっていったのも、経済合理性があるからです。

一方で、経済合理性に反することを第一義としていることは、強い意志やそれなりの説得コストをかけないと広まっていきません。

そのために"エシカル・マーケティング"や"ソーシャル・グッド"と呼ばれるような「経済活動を行うことで、社会貢献活動につながるような仕掛け」をすることで、経済合理性だけでは選ばれない選択肢を提供することが行われています。

Table for twoのようなレストランで対象となっているメニューを選択することで20円分が開発途上国の給食として寄付されるという仕組みだったり、フェアトレードと言われる生産者の利益を守って適正な価格で継続的に購入した商品を購入するのも、安い選択肢ではないものを選ばせる仕組みです。

■経済合理性を牽制する“宗教/道徳と文化の役割”

さて、何を言いたいかというと。。。

上に書いたように経済合理性ではない選択肢を取らせようとすると、やはりややこしい。「お得だから買う」とか「値段の割にうまいから買う」という単純さの強さを再認識してしまう。

ボーっとしていると、経済合理性に流されてしまう。

そのために社会システムに組み込まれているものが、宗教(日本だと道徳や自然への畏怖だったり)や文化(粋や芸術、パトロンやタニマチによって支えられる経済合理性とは別の価値観)だったりするわけです。

コンプライアンスにあたるような、「人を欺く商品を売らない」ということも道徳的なものですし、「同じ道具でも、より素敵なモノ、身につけてみたいものを選ぶ」というのも文化的な力が担っているものです。

■自分の軸が必要と言われるのは、流されないため

こうやって整理していくと、“自分の軸”とか“ブレない自分軸”を持つことを欲している人がなんとなく目に付く理由がわかってきました。

経済合理性だけで物事を決めていったり、人生の選択をしなくて済むような「原理原則」が欲しいからなんですね。それは何かを購入する場面というよりも、もっと大きな人生の選択で決断するときに必要にかられるものです。

経済合理性のある選択をした場合には、みんなが「いい選択だね」と讃えてくれるだろうし、違うものを選んだ時には「なんで○○を選ばなかったの?もったいない」と言われることの気持ち悪さであり、そこに反論できないことの悔しさが残ります。

"自分の軸"を明文化できる人は、こういった場面でも経済合理性ではない選択肢を選んだことを、他人に説明できるようになります。

個人ではなく、企業であれば、"自分の軸"という部分が企業理念であり、ヴィジョンにあたる部分になるわけです。つまり、経済合理性のある選択肢だけを取らないようにするために、企業でさえも"自分の軸"を掲げているのです。

実は、経済的合理性の選択肢だけで、物事の判断をしないことを多くの人も企業も(内心では)求めているということかもしれませんね。

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