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米国の対「イスラム国」戦略は「過剰な約束」なのか - 岡崎研究所

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米スタンフォード大学上席研究員のフランシス・フクヤマと、同非常勤講師で元駐アフガン米大使のカール・アイケンベリーが、連名で、9月23日付フィナンシャル・タイムズ紙に論説を寄稿し、米国は、中東において、かつて英国が欧州大陸に対して取った、オフショア・バランサー政策を見習うべきである、と論じています。

 すなわち、オバマは、ISIS(イスラム国)を「弱体化させ壊滅させる」として、空爆を始めたが、それは過剰な約束である。もっと実現性のある戦略がいる。

 オバマは、英国の伝統的な欧州大陸政策から学ぶことができる。英国は、永遠の友人を持たず、ある国が欧州の覇権を握りそうな時には、それに対抗する連合を支援した。オフショア・バランス政策により、覇権国候補に対抗した。

 米国は、こういう役割を果たすのに適している。米国は、シーア派とスンニ派の紛争を終結させる立場にはないし、シリアやイラクの政治を改善する手段も持たない。米国が望みうるのは、17世紀欧州での30年戦争のように戦いが続かないことであり、アサドやISISのような 悪が完全に勝利しないようにすることである。

 ISISは、シリアとイラクで手を広げ過ぎ、そのイデオロギーのアピールは狭い。空爆や地域の国家の地上軍の反撃にも脆弱である。地域諸国はISISの残虐性に鑑み、これと戦う気持ちがある。

 米国は、この宗派対立で、永遠の敵も味方も持たない。確かに、米国は、クルドやイラク政府を守りたいと思っているし、シリア空爆に参加した湾岸諸国も、米国と利益を共有している。同時に、米国もイランも、ISISを敗北させたいと思っている。

 アメリカ人は、ミズーリ号での降伏文書署名やソ連の崩壊のような終結を好み、長い内戦を封じ込めるようなことを好まない。しかし、シーア派とスンニ派の対立を理解しているというのは、傲慢でしかない。コントロールできなくなってきている世界から、撤退することもできない。オフショア・バランスは、維持できる姿勢であり、結果も出せる、と述べています。

 (出典“Friendless Obama needs Middle Eastern allies of convenience”;Francis Fukuyama & Karl Eikenberry;FT;Sep.23 2014)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/ec1deb3e-3f5b-11e4-984b-00144feabdc0.html#axzz3GDXUydLc

* * *

 フクヤマもアイケンベリーも優秀な学者、軍人であり、彼らの意見は、多くの場合、傾聴に値します。しかし、この論説の主張は、確かに、面白い意見ではありますが、内容に賛成するかどうか問われれば、やはり躊躇せざるを得ません。

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