記事

子ども達が希望を持って生きられる社会を――国会議員へのLGBT施策インタビュー ‐ 林原由佳衆院議員(無所属)×明智カイト

2/2

ヤジと応援と

明智 質疑後の反応について何かありましたらお願いします。

林原 他の法務委員の反応は様々でした。いずれの質問のときも「そんな権利認められるか」といったしつこいヤジが飛びましたが、一方で「がんばれ」と応援してくれる議員、興味を持って質疑後に声をかけてくれる議員もいました。

前述の同性配偶者の滞在許可に関しては、2013年10月から同性配偶者の帯同を希望する在留資格者本人が高度人材であるかどうかにかかわらず、自国で法律婚関係にある同性配偶者は「特定活動」として、犯罪者等でない限り、原則、法務大臣が個別に入国を許可することになりました。入国が認められた同性配偶者は一定の条件下で就労、就学も可能です。これにより自国で法律婚関係にある配偶者は、異性・同性を問わず実質的に同じ権利が保障されることになりました。なお、事実婚やパートナーシップ法上のパートナーについても、個別に判断して配偶者と認められれば同様の対応となります。

確かに、通常の「家族滞在」が認められず「特定活動」として扱われる点は異性配偶者と異なりますし、こういった別ルートを用意することこそが差別的であるという指摘もあるかと思います。しかし、現時点での国内法との整合性を考えれば、少し前進したと言えるのではないでしょうか。

笑顔で暮らせる日本を目指して

明智 今後の取り組みについてどのように考えていますか?

林原 性的指向や性自認を理由とする偏見や差別の解消は、法務省の主な人権課題のひとつに掲げられています。就職時の偏見に満ちた適正試験で、これから社会に羽ばたこうとする若者の志が傷つけられたり、子供たちが自分の性的なアイデンティティーに苦しんで自殺したりするような状況は、国家にとっても大いなる損失です。国・地方一丸となって、このような事態は根絶すべきと考えています。今後も引き続き、未来を担う若者や子供達が、差別のない社会で安心して暮らせるようにしていきたいと思います。

明智 LGBT当事者のみなさんに何かメッセージはありますか?

林原 当事者の方は理不尽な状況に直面し、辛い経験をされることが多いと思います。しかし日本でも少しずつですがLGBTの皆さんを取り巻く環境は改善してきています。私も微力ながら取り組んでいきたいと考えておりますので、LGBTの皆さんが笑顔で暮らせる日本を目指して進んでいきましょう。

あわせて読みたい関連記事

誰もが愛する人と安心して人生を送られる社会を目指して――体験談から法制度、ロビー活動まで

LGBTと「社会的養護」――家庭を必要としている子どもたちのために

LGBT旅行記――ニューヨークで出会ったたくさんの支援

LGBTと就活――混乱、さらに極まれり?!

LGBT就活――20人に1人の就活生の現状

セクシャルマイノリティーと医療――誰でも受けやすい医療をめざして、思いを「カタチ」に

大人には話しにくい――LGBTの子どもの学校生活といじめ

LGBTと健康――あなたのことも生きづらくする、ありふれた7つのこと

「LGBT当事者の声をもっと聞きたい」――国会議員へのLGBT施策インタビュー

日本は、LGBTの取り組みが遅れている――国会議員へのLGBT施策インタビュー

一人一人の行動で、多様性が尊重される社会に――国会議員へのLGBT施策インタビュー

知のネットワーク – S Y N O D O S -

いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン(いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン)

LGBTの子ども、若者に対するいじめ対策、自殺対策(=生きる支援)などについて取り組みをしている。LGBT当事者が抱えている政策的課題を可視化し、政治家や行政に対して適切な提言をしていくことによって問題の解決を目指すことを目標としている。http://ameblo.jp/respectwhiteribbon

画像を見る

林原由佳(はやしばら・ゆか)

衆院議員

1975年兵庫県生まれ。1998年東京大学薬学部卒、薬剤師国家試験合格。2002年に旧司法試験合格。法律事務所、調剤薬局勤務を経て、第46回衆議院議員選挙初当選。衆議院決算行政監視委員会所属。

明智カイト(あけち・かいと)

NPO法人市民アドボカシー連盟代表理事

定期的な勉強会の開催などを通して市民セクターのロビイングへの参加促進、ロビイストの認知拡大と地位向上、アドボカシーの体系化を目指して活動している。中学生の時にいじめを受け、自殺未遂をした経験から「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」を立ち上げて、「いじめ対策」「自殺対策」などのロビー活動を行ってきた。著書に『誰でもできるロビイング入門 社会を変える技術』(光文社新書)。日本政策学校の講師、NPO法人「ストップいじめ!ナビ」メンバー、ホワイト企業の証しである「ホワイトマーク」を推進している安全衛生優良企業マーク推進機構の顧問などを務めている。

あわせて読みたい

「LGBT」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。