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エボラ出血熱~感染症危機管理の立場から~(3)

10月27日、リベリアから羽田空港に到着したジャーナリストがエボラ出血熱疑いで、指定医療機関に入院となりました。

簡易検査の結果、陰性でしたが、エボラ出血熱が対岸の火事ではなく、何時日本に入ってきてもおかしくないことを明確に示すことになりました。

また、それだけではなく、今回のケースは重要な課題を提示しています。

それは、ジャーナリストやNPO関係者に関してです。

今、エボラ流行国には、現地報道をするための多くのジャーナリスト、そして、医療活動を行うためのNPO関連の人たちが入国しています。

特に、政府や国連関係者が入り込めない地域については、こうしたNPOの人たちの活動が大きな成果を生んでいます。また、流行国の現状は、実際現地取材でしかわかりえない事も多くあります。

しかしながら、彼らたちのエボラ出血熱に対する防御は決して十分なものとは言えないのが現状です。

例えばジャーナリストの中には、エボラ出血熱に対する防御を、取材の妨げになるといって回避する事もあります。

また、NPOの人たちは、感染リスクの大きさを理解しながらも、敢えて危険を冒さなければならないことも十分考えられます。

問題なのは、こうした人達が、感染を拡大する要因の一つになってしまう可能性があることです。報道の自由、有用性、現地での医療活動の重要性は非常に大きいものですが、それを超えるリスクがどの程度存在するのか、そのリスクを回避するためには、規制が必要なのか、もしそうであれば、どの程度か、といったことも含めて様々な角度からの国際的な議論が必要な時だと思います。

WHOが警告する通り、感染症は新たな脅威として私たちの前に立ちはだかっています。この脅威に対抗するためには、世界がその脅威を重大な危機として受け止め、協調することが不可欠です。

今回、ジャーナリストという感染リスクの高い疑い例を出した日本こそ、そのイニシアティブを取る、国際的責任があると思います。

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