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安倍内閣のアキレス腱は「女性閣僚」ではなくて「株価」~田原総一朗インタビュー

共同通信社
政治資金規正法や公職選挙法をめぐる問題で、安倍内閣の女性閣僚があいついで辞任した。後援会の「観劇会」の不明朗な収支を追及された小渕優子経産相と、有権者に配った「うちわ」が公選法違反ではないかと疑われた松島みどり法相。この秋の内閣改造の目玉とされた「女性閣僚」の一角がダブル辞任によって崩れた格好だ。ここまでの一連の動きと今後の展望について、田原総一朗さんはどう見ているのか、話を聞いた。【大谷広太(編集部)、亀松太郎】

野党は女性閣僚の追究よりも「やるべきこと」がある

小渕優子さんのケースについては、親父さんの小渕恵三元首相の代からああいうことをやっていたようだ。大勢の支援者を観劇に招待するという催しを引き継いだということだろう。そういう意味では、気の毒な面もある。いったい経理担当の秘書はなにをやっていたのか。

国会で追及されたあと、結局、大臣を辞めることになったが、それだけで済むかどうか。今後の展開しだいでは、議員辞職を求める声が強まる可能性もある。松島みどりさんのうちわの問題も、同様だ。

小渕・松島の両閣僚の問題に、世論は敏感に反応した。共同通信が10月18、19日に実施した世論調査では、内閣支持率が6.8%落ちて、48.1%になった。もし二人が辞任せずに粘っていると支持率がさらに落ちるから、安倍首相は早々に見切りをつけて、辞めてもらったということだろう。

野党はチャンス到来とばかりに、小渕さんや松島さんの問題を追及しているが、実は、ほかにやるべきことがたくさんある。たとえば、集団的自衛権の問題や特定秘密保護法の問題だ。特に特定秘密保護法は、運用基準が閣議決定され、12月10日の施行まで2カ月を切った。だが、特定秘密保護法のチェック機関がどこまでチェックできるか疑問が残る。

チェック機関として、内閣府の中に「情報保全監察室」が設けられるが、その責任者は審議官クラスで、局長にはしていない。しかもスタッフはいろんな省庁からの出向者で、また元の省庁に戻ることができる。チェック機関には独立性が大事だが、これでは独立性が担保できているとはいいがたい。

結局、政府に都合の悪い情報を隠した官僚たちが恣意的に運用するのではないかという疑念は払拭できていない。国民の「知る権利」や「報道の自由」がどこまで保障されるかという問題もある。これも非常に危ない。

野党は、小渕さんや松島さんのような「やりやすい問題」に力を注いでいるが、秘密保護法のような大事な問題から目をそらしているのではないか。そこが、とても気になる。

株価が1万3000円台になったら危機感が出る

女性閣僚の問題といえば、高市早苗総務相や山谷えり子国家公安委員長、有村治子女性活躍担当相が靖国神社に参拝したことも報じられた。靖国参拝の問題は、マスコミでも取り上げるが、いまは総理大臣と外務大臣と官房長官が参拝しなければいいという暗黙の了解がある。安倍首相は供物を奉納したが、参拝は見送った。それならばいいだろうという一種のなれ合い的な形になっているのが現状だ。

いまは女性閣僚の問題に注目が集まっているが、実は、安倍政権が危なくなるかどうかは、閣僚の問題ではなくて、経済にかかっていると思う。最大の不安要因は株価だ。

安倍首相の就任前は9000円前後だった株価が、政権交代後はアベノミクスの効果でどんどん上がり、一時は1万6000円を超えるところまでいった。それが9月下旬から下がって1万4000円台まで落ちた。いまは少し持ち直して1万5000円台にのせているが、政府の景気判断は2カ月連続で下方修正となっていて、予断を許さない情勢といえる。

もし株価が下落して、1万3000円台になるようだと、安倍政権にも危機感が出てくるだろう。結局のところ、国民が政府に期待しているのは経済政策なので、株価が下がれば、支持率も下がるからだ。安倍首相も、株価と支持率をみながら、政権運営を考えているのだと思う。

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