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【読書感想】本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法


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本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)


Kindle版もあります。

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本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)

内容(「BOOK」データベースより)

いかにして「考える力」を養うか。1行たりとも読み飛ばしてはいけない。何百年も残った古典は「正しい」。何かを学ぶなら「厚い本→薄い本」の順。「自分の頭で考える力」をつける読書。注目のライフネット生命経営者にして稀代の読書家による新書・初書き下ろし!


 うーむ、なんだか久々に「硬派な読書術」の本を読んだような気がします。

 僕は「読書術」を読むのもけっこう好きなので、あれこれ読んではいるのですが、最近の「ビジネス書系の読書術」って、けっこう、「本を読めない人」に歩み寄っているものが多いんですよね。

 「本はどこから読んでもいいし、つまらなくなったら、読むのをやめて構わない」とか、「まずは新書をたくさん読みなさい」とか。

 ところが、この出口さんの読書術は、まるで「スパルタの読書戦士養成所」みたいなんですよ。

なんというか、マッチョな読書術。


 7~8冊借りてきたら、次は読み始めるわけですが、本を読む順番が大切です。

 新しい知識を学ぶときには、私は必ず「分厚い本」から読むようにしています。厚い本が最初で、薄い本が最後です。

 あくまで一般論ですが、「分厚い本に、それほど不出来な本はない」と私は考えています。なぜなら、不出来な人に分厚い本が書けるとはまず思えないからです。

 分厚い本をつくるのにはお金がかかるので、出版社も、不出来な人にはまず書かせないと思います。分厚い本が書けるのは、力量のある人です。力量のある人が書いた本なら、ハズレの確率は低いと思います。

 それに、薄い入門書は、厚い本の内容を要約し、抽象的にまとめたものです。全体像を知らないうちに要約ばかり読んでも、その分野を体系的に理解することはできません。


 わからない部分があっても、分厚い本を1字1句読み進めていく。

「これ1冊を全部読み終えたら、いくらかはわかるようになるはずだ」と信じて、それはもう、ひたすら丁寧に読み込みます。すると、4~5冊を読み終える頃には、その分野の輪郭がつかめるようになります。

 このようにして分厚い本を何冊か読んだあとに、薄い入門書に移ると、詰め込んだ知識が一気に体系化されます。目の前の霧がさーっと晴れて、「ああ、わかった。あの本に書いてあったのは、こういうことだったんだ」という感覚を味わうことができます。

 厚い本を先に読み、薄い本をあとで読むのは、たとえて言うなら、「入社直後の上司は、鬼の上司に限る」のと同じことです。


 著者の読書術というのは、だいたいこんな感じで紹介されていくのです。

 僕はこの新書を読みながら、考えていました。

「著者の読書術は、おそらく正しい。これを実行できれば、きっと本から多くのことを学べるはずだ」と。

 でも、こんなふうに「分厚い本から、力づくで読んでいけるような人って、基本的に「本好き」なんですよね。

 自分のやりたい仕事、興味のある分野なら、「鬼の上司」にいきなりしごかれるのも良いのかもしれませんが、本が苦手とか、あまり本を読んだことがない人には、ちょっと敷居が高すぎるのではなかろうか。


 この新書、後半のブックガイドは読書初心者対応なのですが、前半の「読書術」の部分は、「本が好きで、読むことは苦痛ではないのだけれど、どんなふうに読んでいくのがいちばん効率的なのか知りたい」という「すでに読書家になっている人向け」だと思います。

 ダイエットと同じで、「食事療法と運動療法」というような「王道」に効果があることは、みんな知っている。

 でも、その方法はキツいから、楽な方法はないかとあれこれ試して、結局、かえって時間をムダにするだけになってしまうんだよなあ。


 最近の「読書術」には、こういう「王道」ではなくて、「一時的に効果があるようにみえる(でもリバウンドがくる)ラクそうな読書術」が多いので、かえって新鮮なのかもしれませんね。


 人、本、旅の3つの中で、もっとも効率的に教養を得られるツールが、本です。

 旅や人と比較しながら、本の優位性について考えてみましょう。私が考える本のメリットを順不同にあげると、次の5つです。


(1)何百年も読み継がれたもの(古典)は当たりはずれが少ない

(2)コストと時間がかからない

(3)場所を選ばず、どこでも情報が手に入る

(4)時間軸と空間軸が圧倒的に広くて深い

(5)実体験にも勝るイメージが得られる。


 この新書のなかでは、(1)~(5)の内容について、詳述されています。

 これはもう、「その通りです」としか言いようがありません。


 あと、後半のブックガイドに出てくる本には、魅力的なものがかなりありました。

 著者が「自伝の最高傑作」と述べている『バーブル・ナーマの研究(3)』でのインド・ムガール朝の初代皇帝であるバーブルのエピソードや、『ハドリアヌス帝の回想』。

 そして、ドロシー・ロー・ノルト(アメリカの教育者)の詩、『子ども』が引用されていて、人の親として、非常に感銘を受けました。

 そうだよね、子どもって、周りからされたことを覚えながら、成長していくんだな、って。


 初心者向きの「読書術」ではありません。

 本好きにとっての「極めるための読書指南書」としては、なるほどなあ、と思うところと、これを真似できる人は、そんなにいないのでは、というのが半々、という感じです。


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ハドリアヌス帝の回想

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