- 2014年10月21日 10:00
2023年には一兆円になるという日本のクラウドソーシングの現場から見える事
第1回ではクラウドソーシングの海外動向、第2回では国内動向を見てきた。第3回である今回は、日本におけるクラウドソーシングの現状を更に掘り深めていく。講師は東京工業大学イノベーションマネジメント研究科教授の比嘉邦彦氏、ゲストとして株式会社クラウドワークスの代表取締役社長兼CEOである吉田浩一郎氏(主著『世界の働き方を変えよう クラウドソーシングが生み出す新しいワークスタイル』)として迎え、日本におけるクラウドソーシング市場の動向、更にはクラウドワークス自体について聞いた。
●日本のクラウドソーシング市場が成長しているのは何故か
日本でもクラウドソーシング(以下、CS)市場の成長は活発で、毎月のように新規参入がある。矢野経済研究所によると、国内CS市場規模は2013年の246億円が2017年には1400億円規模(約7倍)に達すると予想されている。吉田氏によると、日本においてCSが成長している理由には主に3つあり、(1)成熟市場における持たざる経営の加速、(2)人材調達の在り方の変化、(3)国や企業に囚われない個人取引の加速がある。成熟市場である日本では正社員を多く抱えない経営が増えてきており、正社員比率は年々低下しており、2015年には45.2%を切ると予想されている。残りの半数以上の非正規雇用者が働くインフラのニーズは大きい。
そもそも持たざる経営が増えている背景には、急激な市場変化に対応する必要性があるからである。不動産において保有から賃貸や時間貸しへとシフトしているのと同様に、人材でも正社員から派遣社員、CSにシフトしている。大企業でも、数万円といった小規模なプロジェクトから簡単に始められ、機動力のある経営が可能になってきている。
企業がCSを活用出来るだけではなく、個人取引も活発化しており、ネットオークションで不要物を売買するように個人が余っている人的資本を売買出来るようになってきている。例えば、Airbnbでは個人の「部屋の空き枠」を個人売買出来る。 こうした誰でも自由に早く「人材」にアクセス出来る点がCSの最大の変革であり、CSサイトでは仕事の発注者と受注者がオンラインで直接交渉して業務を行える。
●1兆円市場に向けて
2020年までに情報・サービス業従事者が全就業者の約半数(3098万人)になり、CSは有力産業となり、仕事の外注や掛け持ちが増えていくと考えられている。2017年に1400億円になると述べたが、その後も成長し続けて2023年には1兆円市場に到達するとも言われる。一方で、1兆円市場を創出するには課題もある。具体的には、個人が働く上で「仕事」・「教育」・「保障」という3つのインフラが不可欠である。例えば、クラウドワークスでは正社員が利用する福利厚生をフリーランス向けに無償提供している。
●急成長するクラウドワークス
そのクラウドワークスだが、「21世紀の新しいワークスタイルを提供する~個の力を最大限活性化し、社会の発展と個人の幸せに貢献をする~」というミッションを元に多種多様なカテゴリーの仕事のマッチングインフラを提供しており、2012年3月のサービス開始から僅か2年弱で取扱高は2300%以上成長し、総額にして77億円を突破している。クライアント数は26000社を超え、会員数は13万名を超えている。日本語利用限定のサイトにも関わらず世界135カ国で利用されているのも特徴だ。最近は行政や大企業との連携も増え、経産省や国交省がロゴやチラシのデザインで利用したり、CA・電通・デジタルガレージ・伊藤忠の4社を中心に14億円を出資したり、その成長性や話題性は顕著だ。
- BBT株式資産講座(大前研一総監修)
- 株式・資産形成講座スタッフによるブログ。



