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国が何かしてくれるのを待つのはダメだ、「国が真似をする」くらいのベンチャーをやれ!

僕は、若い人と話をするのが大好きだ。なかでも何かに挑戦しようとしている人が大好きなのだ。例えば、ベンチャービジネスを立ち上げたりする人たちだ。だから若き日のビルゲイツや孫正義にも取材した。

だが、彼らの話を聞いていて、とても残念に感じることがある。日本は、ベンチャービジネスが育ちにくい土壌だということだ。

銀行は担保主義である。担保がないと、お金を貸してくれない。出資ファンドもほとんどない。だから、技術やアイデアはあっても、資本がない若い人は起業しづらい。一方、古い企業はなかなか潰れない。日本は、いわゆる「企業の新陳代謝が悪い」社会なのだ。しかし、さほど資金がなくても起業が可能な分野がある。インターネットの世界だ。

インターネット関連のベンチャービジネスは、年間1000~1500組が立ち上げられているそうだ。そして、そのうち100~150組が成功しているという。ベンチャーの1割ほどが成功しているのだ。これには少なからず驚いた。ベンチャービジネスの世界が活気づいているのは、大変うれしいことだと僕は思う。

今月2日、六本木ヒルズで、ベンチャービジネスを立ち上げた若手経営者10人の話を聞く機会があった。そのうち、最年長は吉田浩一郎さんだ。彼は、クラウドワークスという会社を経営している。

この会社は、簡単にいえば人材派遣業だが、これまでの「派遣」のイメージとはまったく違う。アプリの開発、ホームページの制作、デザインなど、さまざまな分野のプロが22万人以上登録している。そして、ネットで依頼された仕事に対して、適切な人材をマッチングする。

登録している人材は、どこに住んでいても、いつ働いても、すべき仕事さえすればよい。ひとつの企業ではなく、複数の企業と契約してもよい。フリーランスに近いのだろう。2012年3月のサービス開始以来、クライアント企業は4万社を突破し、依頼総額は150億円を超えている。

アグリメディアという企業を立ち上げた、35歳の諸藤貴志さんのアイデアも素晴らしい。現在、日本の農業従事者の高齢化は、非常に進んでいる。そして、高齢化と後継者不足のため、全国で遊休農地が増えている。いま、たいへん深刻な問題になっているのだ。アグリメディアは、そうした農地を農業をしてみたい人たちに、分割して貸し出すサービスをしている。

2012年4月にサービス開始、それから2年半で7万平方メートル、3200区画を運営するまでに成長した。現在は首都圏のみで展開しているが、今後は関西圏や中部圏にも事業を広げていきたいという。

かつて、ある若手経営者から、こんな言葉を聞いたことがある。「国が何かをしてくれるのを待つんじゃない。われわれ民間がアイデアを出して実行し、それを国が真似してくれればいいんですよ」吉田さんのネット派遣会社といい、諸藤さんの農地のレンタルといい、まさにこれからの日本にとって、「ヒント」を与えてくれる事業ではないか。政府はおおいに学ぶべきだ。実際、諸藤さんは農林水産省のアドバイザーにもなっているという。

素晴らしいアイデアを持ち、やる気が溢れる、若き経営者がたくさんいる。彼らの話は、僕にとってもとてもいい刺激になった。

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