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若者は本当にPCから遠ざかっているのかのデータを裏取りして驚いたこと

先日よりネット上とかで回っていたニュース

“若者のパソコン離れ”が急加速? 利用時間が1年で約3分の2に減少
Internet Watch

スマートフォンをメインの携帯電話として利用する15~19歳の男女が、PCでインターネットにアクセスする時間は88.2分だった。2013年9月調査では143.9分だったが、1年で約3分の2へと減少しており、ジャストシステムでは「10代でパソコン離れが急加速」と解説している。

スマホ普及で「若者PC離れ」進行
R25 Yahoo!ニュースのトップに転載されていたのはコレ

「パソコンってすっかりビジネスマン専用デバイスになったよな。一般消費者はスマホでほとんどのことできちゃうから、PCの必要性が激的に下がってきてる」
「これは本当にそう。大抵のことはスマホで済んでる。週のうちPCの電源を入れるのは週末ぐらいだ」

若者が本当にPCからスマホに雪崩を打って移行したとすると、実はこれはかなりの大問題であると思う。「スマホで済むんだからPCはいらない」というのは本人にとってはたしかにそうかもしれないが・・。

「昔はそもそもPCなんてなかったんだから」という人たちは物凄く大事なことを忘れている。

前にも紹介した2010年にNHKが調査したデータ

画像を見る

ネットの一般への本格的な普及は1997〜8年頃だと思うが、それ以前の95年には、日曜日には10代の18%、20代の30%が新聞を読んでいた。ネットの普及前には20代の1/3が新聞を読んでいたのである。それが2010年には同じく4%と8%まで激減している。それから4年も経過したわけで、この調子で減り続けていたのなら10〜20代のほとんどはいまは新聞を読んでいない。

ここで新聞、PC、スマホの情報の取得についての物理的な違いを考えてみよう。

新聞は「興味のある記事」を選んで読む場合もあるが、多くは「とりあえず広げてみて全部に目を通す」メディアである。ネットのように自分の興味のある内容を掘り下げて調べることはできないが、新宿のヤクザの喧嘩から、ニューヨーク市場の変動まで幅広い分野で情報を得ることができる。つまり社会常識的な知識が広く浅く得られる。

これに対してPCでのネットサーフでは自分の興味のある情報を掘り下げて調べられる他、ニュースサイトなどでは大きな画面で最新のニュースを確認できる。これは画面の大きさにもよるが、新聞まではいかなくても視界には自分が調べたいと思っていなかったものも飛び込んでくることもある。
しかしスマートフォンになると、「自分の興味の無い」情報を「意図せず」取得することはだいぶん難しくなる。画面の小ささもあるし、アプリを主体的に使うわけで検索行動が減ることは明確である。

Googleなどの大手検索エンジン、深刻な売上シェアの減少。検索に取って代わりつつあるニッチなアプリ
ハフポスト

商品を探すのも天気を調べるのもアプリである。当たり前だがアプリは自分の欲しい情報を得ることだけに特化されていて、ほかの情報ははいってこない。ニュースアプリにしたところでグノシーなど「あなたの興味のあるニュースだけを届ける」というスタンスだもんな。

ホリエモンは「スマホだけあれば十分」というけどそれは彼の周囲がインフルエンサーだらけで勝手にいろいろな情報が彼に流れ込んでくるからである。逆にマイルドヤンキーの親玉である「ヤンキーの虎クラスタ」は、話してみるとITリテラシーは多少低くても(意外と高いんだけど)、知人が多くて新聞も専門紙含めてけっこう読んでいたりで知識の幅がかなり広いしアンテナも張っている人が多い。この人たちはネットには疎くてもいろいろな情報や知識は学歴に関係無くけっこう分厚い。

それにたいして大学生くらいの年齢で情報源が「スマホのみ」になると、自分の興味の無いジャンルについてはまったく無知という傾向がますます強まる。そもそも興味が無いので本人達は「別にそれでもいい」と思うわけだが、社会としては無知な人間ばかりになると弱体化し、または知識レベルが高いクラスタとの二分化がさらに強まると思うんですよ。そんなわけで、自分は若年層が「スマホデバイスのみでしか情報を取得しない」時代はヤバいと思います。

ところでこの調査ってどんな内容なの


と、ここまで書いたんだが、この調査が本当にどうなのか調べてみる。R25にしてもインターネットウオッチにしても、それみてアレコレ言ってる人にしても大元の調査データ見てから言ったほうがいいと思うよ。
調査元はジャストシステムで、サイトから内容をダウンロードできるのです。リサーチの内容は実はかなり幅広くて面白いのだが、調査方法見てちょっとがっくりした。

モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2014年9月度)
• 調査期間 : 2014年9月29日(月)~10月2日(木)
• 調査対象 : Fastask(ファストアスク)のモニタのうち、
男女15歳~69歳まで均等に割り付けて回収
• 有効回答数: 1,100

母数はたったの1,100人?!一サンプル10円の調査だから総調査費用11000円・・・
しかもだ・・

年齢の分布は
15〜19歳 100人
20〜24歳 100人
25〜29歳 100人

と、テレビの「街角で100人に聞きました」と同レベルなのである。NHKのような対面調査ならいざ知らず、100人に聞いた調査データなんて調査資料としては全く無意味でしょう。しかもファストアスクというのは対面調査ではない。本人確認も特にない。ポイント目当てで回答するわけだから、1人が複数の人間を装っても見分けが付かない。IPアドレスでチェックもしてないです。だって・・

画像を見る

同じPCから複数の登録を許可しちゃったら、ひとりで家族を全員名乗ってメルアドだけ変えてリサーチに回答してポイントを稼げてしまうんですけどね・・・

んで・・肝心の「若者がPCを使わなくなったリサーチ」ですが・・・これがそのグラフだと思うんですが

画像を見る

●確かに15〜19歳のPCからのネット接続は減っているが、逆に30〜34歳なんてこの1ヶ月で1.5倍になってる。

●60歳から64歳は月によってPCの利用時間が2倍くらい変動する。驚くべきはもっともPCからネットに長時間接続しているのはこの年代である。(@_@;) んなわけ、ないっしょ!!60代の男女が今年の7月に1日220分、つまり3時間以上も接続してるよ。どんだけITリテラシーたかいんだ。

20〜24歳はPCの利用時間が7月に220時間もあり、これだけ見たら過去半年で1.5倍の伸びだ www

これってリサーチとして意味あるんかいな?

的に思いませんか?
15〜19歳がこの1年でPCからのアクセスが激減しているというのなら「なんと60〜64歳は1日3時間以上もPCでネットサーフする」というリリースも出さないとダメでしょ。なぜ出さないかというと出したら「訳ないでしょ」と言われるからだ。

おそらくリサーチ対象の数があまりに少ないので1人が「引きこもりなんで毎日8時間ネットサーフします」と回答したりすると全体の結果が大きくぶれるんだろう。また、回答においての本人確認や回答内容に信憑性があるのか、ちょっと疑問でくーらくらです。そんなわけで、こうしたネットのリサーチで「今の若者は」とか言うときはちゃんと元データ見た方がいいと思うな〜という本日の話題でございました。元ネタがおかしいのにそれにたいしてアレコレ言うのはもっとおかしい。

ネットリサーチといえばこの方の萩原 雅之さんの本を紹介しておきますね


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