記事

「反日祭り」は終息に向かっているけれど、中国リスクはすぐになくならない

1/3
尖閣沖の漁船衝突事故で逮捕した船長の保釈の後という奇妙なタイミングで起こった「反日祭り」も、予断は許さないとしても、起こったデモも小規模で終わり、ほぼ予想した通り終息に向かい始めているようです。しかしこの騒動から得た教訓を生かさないで、拙速的な関係修復にだけ向かうことは決して両国の利益にならないと感じます。
中国の「反日祭り」はきっと続かない

まず、なぜ「反日デモ」ではなく、「反日祭り」でしかなかったかですが、集まった野次馬の人たちが、ヘラヘラ笑い、携帯で倒したトヨタ車の写真を撮るシーンに怒りの感情の片鱗も、また緊張感も、愛国の感情や正義感も感じられません。起こった出来事、また規模から見て、反日宣伝に洗脳されたごく少数の愛国主義的な若者の煽りに乗った野次馬の憂さ晴らしの暴走、つまり「祭り」でしかなかったというのが実態だと思われます。

この祭りの不思議さは、なぜ船長が保釈されてから起こったのかです。胡錦濤、温家宝などの膝下を揺さぶるためのものだったという権力闘争説や、就職できない大学生たちの不満が反日という看板でぶつけられたなど、さまざまな説がありますが、直接的な原因としては、日中間の尖閣に関する密約の存在に対する中国政府への怒りだったと大紀元は伝えています。ちなみに、大紀元は2000年にニューヨークで、法輪功を支持する華僑たちによって設立され、2005年から日本語版も発行されているメディアです。
日中「尖閣密約」あったか 中国側「中傷と悪だくみ」 炎上の反日感情に亀裂


尖閣に関する密約の存在をスクープしたAERAの記事がネットで伝わり、「自民党にせよ、民主党にせよ、日本軍国主義は恐れることはない。最も憎むべきなのは、我が政府の売国奴だ」などの当局に対する怒りの書き込みが中国国内のインターネット上に溢れていたそうです。

こちらの説のほうが、タイミングといい、中国政府が最初は利用したのかもしれないとしても、過度に広がることを恐れ、ネットの書き込みを執拗に消し、デモを抑えこみはじめたこととも合致します。

密約があったとすれば、中国側からすれば漁船船長の逮捕は晴天の霹靂の出来事であり、親中派だと思っていた民主党政権の暴走に映り、それに怒って強硬姿勢をとったのではないか、さらに、その密約の存在に中国の愛国主義の人たちが自国政府に怒りをぶつけたという構図を想像することができますが、密約である限り真相は闇のなかです。

しかし、それにしても中国の「尖閣が日本の領土ではない」という主張の根拠が薄いことには驚かされます。人民網が、皮肉なことに日本の地図は信用性が高いとし、中国の一市民が所蔵していた吉川弘文館の日本の過去の地図を根據に、それには尖閣が日本の領土とはなっていないというのです。
しかしその写真を見ると、第二次大戦後の日本への沖縄返還前の時期の地図だということがすぐにわかります。しかも昔の時代も領土として記載されていないという主張ですが、1871年に明治政府が廃藩置県によって、琉球王朝が日本に組み込まれるまでの時代に、日本領土とされていないから日本の領土ではないというのも無理な話です。
市民が所蔵する古い地図が証拠 釣魚島は日本に属さない

さて、この先はどうなっていくのでしょうか。騒動は収まっていくと思います。韓国ほどではないにしても、日本にとっても中国は輸出入の相手先としてはトップです。つまり中国への経済の依存度は高いのです。
また、中国も輸出品で大きなウェイトを占めるデジタル機器の部品は日本からも調達せざるをえず、また中国の輸出の中味は日本企業だけではないですが、迂回貿易の色彩が濃いという現実があります。だから中国の輸入国第一位は日本であり、日本製品は否が応でもは輸入せざるを得ない構造になっています。

トピックス

ランキング

  1. 1

    日本は韓国捨てるか 撤退企業も

    tenten99

  2. 2

    長与さん 暴行受けるも正義貫く

    AbemaTIMES

  3. 3

    ゴーン氏逮捕 日産1000万台の壁

    片山 修

  4. 4

    国立大卒を批判? 麻生大臣に苦言

    大串博志

  5. 5

    ゴーン氏逮捕 入管法改正隠しか

    田中龍作

  6. 6

    130人が犠牲 北朝鮮で起きた惨劇

    高英起

  7. 7

    よしのり氏 小池知事発言に苦言

    小林よしのり

  8. 8

    前田日明 日本文化自体パワハラ

    AbemaTIMES

  9. 9

    林先生 専業主婦の子は学力高い

    キャリコネニュース

  10. 10

    佳子さま 眞子さま騒動にため息

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。