記事

産経新聞の商売優先の「先軍報道」「愛国報道」は国益を損なうと思うけどねえ。

護衛艦「いずも」 中国と朝日新聞が猛批判する理由は?
(産経新聞)
http://www.sankei.com/premium/news/141010/prm1410100001-n1.html

 も、産経新聞の「憂国の士」、杉本康士記者のつい先日の記事に続くトンデモな記事です。

産経新聞と杉本康士記者のメンタリティは国防婦人会のオバちゃんや韓国大統領と同じレベル
http://kiyotani.at.webry.info/201410/article_6.html

 メンタリティと見識が2ちゃんねるあたりで、匿名で誹謗中傷することが生きがいの、程度の低い軍オタと同じレベルです。

 こういうレベルの記事を署名原稿で全国紙に書けるというメンタリティは、ある意味羨ましくあります。中共を礼賛した朝日の秋岡記者あたりと同じですね。
昨年8月6日に命名・進水式が行われると、中国各紙は「準空母」と呼び、日本の「右傾化」を証明するものだと難じた。

(中略)

中国だけではない。朝日新聞も今年1月7日付の朝刊で「どう見ても空母だけど…」という見出しの記事を掲載。政府見解では憲法解釈上「攻撃型空母」は保有できないとしていることを念頭に、「なし崩し的に拡大解釈しているのでは」との軍事ジャーナリストの批判を紹介している。
 この記事はぼくもコメントしていますが、両論併記で別に空母の保有自体を「猛批判」し気じゃありません。空母を駆逐艦というのはまずいでしょう、という話です。

 産経新聞の記者は日本語をもっと勉強した方がいいです。

 「猛反対」するならば空母保保有を否定していないぼくにコメント依頼なんしませんよ。

海自最大の護衛艦「いずも」は空母か 清谷信一公式ブログ 清谷防衛経済 ...
http://kiyotani.at.webry.info/201401/article_10.html
軍オタ的には「いずも」級は強襲揚陸艦らしい 清谷信一公式ブログ 清谷
http://kiyotani.at.webry.info/201401/article_12.html
「いずも」級ヘリ「空母」を駆逐艦と称していいのかね? 清谷信一公式 .
http://kiyotani.at.webry.info/201401/article_11.html

 そもそも論でいえばまず「空母」には米軍や仏軍の原子力空母などの政府答弁とで言う「攻撃型空母」(この表現にはギモンがありますが)もあれば、ヘリ空母、対潜空母が含まれます。また米軍の強襲揚陸艦、近年各国で建造されている多目的揚陸艦や多目的空母と呼ばれるものなども「空母」に含まれるといっていいでしょう。

 いずもを「空母」か、「駆逐艦」と問われれば普通「空母」と答えるでしょう。

 ところが杉本康士記者は軍事知識が皆無なのか、意図的かは知りませんがそれらを混同しています。彼の頭の中には空母といえば、「攻撃型空母」しかないのでしょうか。

 でもご自身は、中国は「準空母」と非難していると書いています。

 中国は「攻撃型空母」と批判しているわけではないのでしょう。ご自身の記事中にある矛盾に気が付かないのでしょうか。デスクや校閲もそれを見逃した、と。

 で、杉本康士記者は以下のように続けています。
これに対し、日本政府は、いずもが空母であることを否定している。そもそも攻撃型空母とは、敵地を攻撃する戦闘機を搭載する能力を有していなければならないが、いずもはF35など垂直発着可能な戦闘機を艦載できる設計にはなっていないというわけだ。
 件の朝日の記事はいずもを「攻撃型空母」と書いていませんけどね。書いてもいないことを捏造するのは、お隣の国の慰安婦問題で騒いでいるメディアや市民団体と同じです。

 他人の行状は判して、自分は同じことをやっても許されるというのは二重基準です。そんな新聞が「従軍慰安婦はでたらめだ」と、書けば書くほど、世界は極右の新聞が書いてているから、それ嘘と違う?と疑うんじゃないでしょうかね。

 であれば産経新聞は国益を大きく損なうことになると思いますが。
「F35など垂直発着可能な戦闘機を艦載できる設計にはなっていない」
これは誰がいったのでしょうか。広報のオフィシャルアナウンスメントを真に受けたのか、杉本康士記者の思い込みではないですか。

 これも事実ではありません。

 いずものエレーベーターはF-35Bの運用が可能な大きさがあり、オスプレイなどの運用に耐えられるように飛行甲板は耐熱加工がされています。海自がF-35を運用しなくとも米海兵隊の機体の離発着を考えたものです。

 杉本康士記者は市ヶ谷の10階とか8階で安易にネタを拾うのではなく、足を使って情報をとる努力をすべきです。

 たまには海外取材でもしてみたらいかがですか?

 「いずも」は駆逐艦だ、エッヘン!、とか、ネイビーリーグやユーロネイバルあたりでやったらププッと失笑されますよ。国内で防衛省と自衛隊の言い分を鵜呑みにしているから、世間の常識が理解できないし、他国と比べての客観的な分析ができない。

 じゃあなんですかい、中国が「遼寧」を駆逐艦だと言い出したらどうします。「そうですねお説の通りで」で、済ませますか?

 産経新聞的には「中国が自国の戦力を過小に見せるための欺瞞、政治的なプロパガンダだ」とか非難するじゃないですか?

 火砲も持たず、魚雷も、対艦ミサイルも、近距離用を除けば対空ミサイルも持たずに、ヘリコプターを10機以上も運用し、僚艦に対する給油機能と、車輌などを多数搭載する揚陸機能をもつ艦を「駆逐艦」と称していのか、ということです。

 ですからぼくはヘリ空母や多目的空母が必要ならば、きちんと議論をして、どのようなフネが必要か、それは護衛艦隊の旗艦であることを主にするのか、揚陸作戦の指揮をするのを主とするのか、PKOや人道支援もそれなりに行うのであれば隻数も必要でしょう。

 国会答弁でも政府は攻撃型空はダメだけと、ヘリ空母は持てるとしています。実際海自はかつてヘリ空母の導入を検討していました。

 現実問題としてヘリ空母にするとあれこれ規則をいじったり根回しが面倒だから、護衛艦にしちゃえ、とやっちゃったわけでしょう。それは国内的には通じますが世間様には通じない理屈ですよ。例えば悪いけど売春を援助交際と言い換えるようなものです。

 むしろ護衛艦とて建造したことよって、無駄や弱点ができた可能性もあります。他の艦に対する給油能力や、ソナーなんぞ必要だったんでしょうか。

 政府が正しいと言ったから、正しいのだ、それを信じない奴は非国民だと罵るのが新聞記者、報道機関の仕事ですかね?産経新聞はMAMORと同じ御用媒体なんでしょうかね?

 MAMORはまあ、しょうがないでしょう。防衛省からカネをもらっているPR誌ですから。でも産経新聞は違うんでしょう?

 まあ、前の戦争もそうやってマスメディアが軍に媚びて軍の批判を封じ、戦争を煽って始まり、そうやって負けたわけですが。

でも産経新聞的は大日本帝国陸海軍には瑕疵はまったくなかった。負けたので運が悪かっただけだ。とか主張するのでしょうかね。

 ぼくはむしろ政府や防衛省の主張が本当かどうか検証することが仕事だと思っておりますから、随分と違いますね。

 防衛省、自衛隊が常に正しい。提灯記事を書くことがこそが報道機関の使命だというのであればそうれは大政翼賛会時代の「常識」です。
同じヘリ搭載型護衛艦は、すでに「ひゅうが」と「いせ」が就航しているが、乗員以外の収容可能人数はひゅうが型が約100人であるのに対し、いずもは約450人に上る。日本国内で大規模災害が発生した際は避難所として機能し、緊急時の在外邦人輸送にも役立つ。日本政府が「多目的性」を誇るのは、このためだ。

(中略)

大量の陸上自衛官を輸送することもでき、水陸両用作戦など陸海空自衛隊が連携して作戦行動に当たる統合任務の中核を担うことも可能だ。
 まさにそれって、駆逐艦ではなく、世に言う多目的空母とか多目的揚陸艦に求められている機能ですから。
米空母にも弱点はある。潜水艦からの攻撃にもろいため、敵国潜水艦が潜航する海域には展開しづらいのだ。ここで、海自ヘリ搭載型護衛艦の登場となる。哨戒機SHなどが甲板から飛び立ち、敵潜水艦を探し出し、攻撃を加える役割を担う。
 「弱点」ですか、まるで米軍には対潜能力がないみたいですね。

 その対戦能力の劣る国から対潜哨戒機を導入したり、ソノブイを買ったり、各種対潜システムを導入したりしているのはどこの国でしょうか。

 まあこの記事を素直に読むと、集団的自衛権の行使の憲法解釈を巡る議論って存在すらしないんじゃないかと思います。

 確かに米軍からは長年海自は、米艦隊の対潜能力の補完機能を要求されてきたでしょう。ですが、米空母自体、原子力潜水艦も含め強力な対潜システムを有していますよ。

 因みに最新のSH-60Kは振動がひどくて対潜作戦では深刻な問題を抱えています。

 このような負の情報を産経新聞は報道しないので、読者は自衛隊を「無敵皇軍」と思っているでしょう。そんな愛国心だけは強くて、自衛隊無双と信じる読者が国民の多数派になれば(ならないとは思うけどね)、中国成敗すべし!!とかいう戦争して懲らしめてやれという圧力を政府は受けるようなるでしょう。

 それが国益になるんですかねえ。真に必要な戦争は避けるべきではないと考えますが、面白そうだからと戦争を国民が望むようになると悲劇でしょう。
朝日新聞が中国と一緒になって批判するのは何故なのか。不思議な話ではある。
 杉本康士記者がやりたかったのはこれですね。

 中国と朝日新聞は一体である、日本の敵だと叩きたかった。

 別に産経と朝日が論戦するのは構いません。それがジャーナリズムとものでしょう。

 中国と競合他紙を叩きたいがために売国奴のレッテル貼り、併せて自衛隊無双・無謬を煽るのはイエロー・ジャーナリズムです。あるいは2ちゃんに巣食っているクズと同じレベルです。

 確かに朝日の慰安婦の捏造報道は大問題ですし、軍事に関して偏った記事も多数あります。ぼくも随分批判してきました。

 ですが、それは批判は客観的な資料と、データを元に行うべきです。

 自分の会社が儲かるか、という卑しい根性でやっていれば、次第に読者は離れるでしょう。

 金儲けのために自衛隊を神格化し、国民を惑わすようなことをすれば、一時は一部にあまり知的水準とリテラシーが低い熱狂的な読者が増えるかもしれません。が、長期的に報道機関としての信頼を失うでしょう。

 あと10年後20年後、産経新聞の「先軍報道」が国を誤らせたとメディアの集中砲火を浴びる時代がくるかも知れません。

軍事・航空宇宙の専門サイト始めました。
「東京防衛航空宇宙時評・Tokyo Defence & Aerospace Review」

http://www.tokyo-dar.com/

Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。
【防衛駐在官の質の向上を図れ】~外務省出向システムでは機密情報が防衛省や内閣府に届かない?~
http://japan-indepth.jp/?s=%E6%B8%85%E8%B0%B7%E4%BF%A1%E4%B8%80

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿あました。
御嶽山への自衛隊派遣、口を挟むとサヨク?必要なのは事実に基づく冷静な議論
http://toyokeizai.net/articles/-/49744

戦傷者は「想定外」という、自衛隊の平和ボケ
「国内では銃創や火傷は負わない」との前提
http://toyokeizai.net/articles/-/47994

結論ありき」で高額な兵器を調達する怪
防衛省概算要求に隠された問題<前編>
http://toyokeizai.net/preview/dd9c698dc49dbfafe1fdddad129294461604ead0

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