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増税したのだからインフレの進行が止まるのは当たり前!

 黒田総裁が、最近、インフレ率が伸び悩んでいるのを気にしているように思えます。

 グラフをご覧ください。

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(データ:総務省)

 前年同月比でみた消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、2013年6月からプラスに転じ、それ以降(リフレ派的思考によれば)順調に伸びてきていたのですが…2014年4月の消費税増税実施以降は、5月と6月に3.4%を記録した後、7月は3.3%、そして8月は3.1%と伸び率が低下しているのです。

 消費税増税の物価に与える影響を仮に2%と仮定すれば、8月のインフレ率は、増税の影響を除いて考えると1.1%とかつてより低下していることが分かるのです。

 何故黒田総裁が若干弱気になっているかが分かろうというものです。

 でも、私はそもそも黒田総裁の考え方の方がおかしいと思います。

 黒田総裁は2%という物価目標(消費税増税の影響を除いて考える)を掲げているので、こうして実績が目標値から遠のき、落胆する訳ですが…しかし、消費者の立場で考えるならば、幾ら消費税率が上がろうとも、実際の物価上昇率が低ければ低いほど税の負担は小さくなる訳ですからむしろ歓迎すべきことなのです。

 それに、増税の分だけ購買力を奪われるので、当然のことながら数量ベースで見た実質消費は減少する、と。だとすれば、消費者にモノを売る店の側に立てば、なるだけ価格を低く抑えて売り上げを伸ばそうと努めるのは当たり前でしょう。

 でしょう?

 だったら、どうして物価が増税実施以前と同じようなペースで上がることなど考えられるでしょうか?

 つまり、消費税増税の実施を境に物価が上がりにくくなったとしても、それは当然のことなのです。

 ここで2%の目標値を達成するために、仮に追加の緩和策を打ったとして…そして、その結果、実際に2%の目標が達成でき、増税効果も含めて物価上昇率が4%を上回ったとしたら、どうなるのでしょうか?

 黒田総裁は目標が達成できたと喜ぶかもしれませんが、しかし、そうやって物価が上がっても、その一方で景気を押し上げる効果がなかったとしたら、消費者としては益々購買力が奪われ、生活水準が落ちてしまうのです。

 黒田総裁は、物価が上がる一方で長期金利を低く抑えることができれば、実質金利が低下するので設備投資や住宅投資などが刺激され景気は良くなると主張します。

 しかし、家計部門からみれば、確かに住宅投資は刺激されるものの、肝心の消費は、家計の保有する金融資産が生み出す実質金利収入が減少することや、インフレによる購買力の剥奪のために弱体化してしまうのです。

 何年かぶりにベアが復活したなんていっても、インフレ率を上回るほど賃金が上がる訳でもありません。

 いずれにしても、消費税を上げたのですから、インフレ率が伸びにくくなるのは当たり前のことなのです。

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