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- 2014年10月14日 09:33
アイドルになりたい少女や「関係性の貧困」で孤立する女子高生を狙うJKビジネス=売春目的の人身売買
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一昨日(10/12)、「反貧困全国集会2014 ~生きぬくためにつながろう!~」が開催されました。その中で行われたシンポジウムでの女子高生サポートセンターColabo代表・仁藤夢乃さんの指摘にはとりわけいろいろ考えさせられました。(▲写真=反貧困全国集会2014で報告する仁藤夢乃さん)
JKリフレやJKお散歩、最近ではJKカフェやJK占い、JKカウンセリング、JK撮影会など、さまざまな形態のJKビジネスが展開され、少女たちが性暴力にさらされるなか、少女たちへの支援に取り組んでいる仁藤夢乃さんの活動は先月放送されたNHKクローズアップ現代「広がる少女売春~“JKビジネス”の闇~」などで知ってはいたのですが、あらためて衝撃を受けました。
性被害者の半数近くが10代の少女
日本における子どもの貧困は6人に1人。10代の自殺者数は587人で1日1.6人が自殺。10代の望まない妊娠・中絶は1日57件。親の虐待やネグレクト、アルコール中毒などによる被害によって傷つけられる子どもたち。昨年強制わいせつの被害にあった女性7,463件のうち20歳未満の女性は3,789件と半数近くが10代の少女。そして、性犯罪の認知件数は実際の1%に満たない現実(国連報告)の中で誰にも言えない少女に対する性被害の多発。知れば知るほど頭を抱えたくなる現実に私などはすぐ打ちのめされてしまうだけなのですが、そうした深刻な問題に対して、仁藤夢乃さんは立ち向かっているのです。そして、仁藤さんは「難民高校生」「孤立している高校生はどれくらいいるのか?」と問うていきます。「子どもの貧困」「関係性の貧困」の広がりで孤立する女子高校生、そこにつけ込むJKビジネスの罠
高校中退者数は年間5万5千人。不登校者数も中学生9万5千人、高校生5万6千人。ほかにも不登校者にカウントされない保健室登校者などが10万人。こうした問題の背景にある、「子どもの貧困」や「関係性の貧困」が広がるなかで、孤立する少女たちにつけ込み、利用しようとする大人たちがJKビジネスを展開しているのです。JKリフレ、JKお散歩などJKビジネスに絡め取られる少女たちからは、「学費のため」「進学時に奨学金を借りなくてすむようにするため」「修学旅行費のため」などがJKビジネスを行う理由として多く語られるとのことです。JKビジネスで少女の性を搾取する「裏社会の大人たちがセーフティーネットになってしまっている」「裏社会が少女たちの居場所になってしまっている」
とりわけ仁藤さんの指摘で考えさせられたのは、少女の性を搾取する「裏社会の大人たちとJKビジネスがセーフティーネットになってしまっている」という現実の問題でした。JKビジネスは「ニセのセーフティーネット」に違いないのだけれど、誰にも承認されない、居場所のない少女たちに巧妙な「スカウト力」でアプローチして、ニセモノだけれど現実に衣食住と居場所と承認を少女に提供しているわけです。そもそも居場所のない孤立した少女に対して、声をかけてくるのは、援助交際をもちかけてくる大人か、JKビジネスへとスカウトする大人だけという現実があり、教育・行政・まともな大人は声かけどころか発信すらほぼないという問題があります。こんな倒錯したような現実が存在してしまっているのは、貧困や生きづらさを抱え孤立した少女たちに対するまっとうなセーフティーネットが不在であることや、じつはむしろ「表社会」の側が少女たちをJKビジネスという「ニセのセーフティーネット」へと追い込んでいる側面もあったり、まっとうなアプローチを行う大人が皆無に近い現実があるとして、仁藤さんは次のように訴えていました。10畳の部屋に少女8人
10年前、私が高校生だった頃は、ネットカフェ難民でしたが、今はネットカフェもカラオケも18歳未満は午後10時以降は補導されてしまうこともあってずっといることはできないので、JKビジネスはうちだったらいられるよという形でそういうところも突いてきています。脱法ハウスの問題ともつながりますが、寮があるよと言われて、10畳の部屋に少女8人が住んでいたりします。
それと、今はSNSで、ツイッターやフェイスブックで「家出したい」と少女が書いていたらそこにまでJKビジネスはアプローチしてきて、巧妙にからめとるのです。いまサポートしているケースで、家出して地方から東京に来た少女が、「うちに泊めてあげるよ」って言ってきた男がJKビジネスのブローカーで、同じ年頃の少女がたくさん住んでるシェアハウスに住まわされて、そこには売春させられている少女もいます。
私たちの社会が少女たちをJKビジネスへ追い込んでいる
少女たちは、「さみしい」とか「自分を必要とされたい」とか「誰でもいいから名前を覚えてくれたらいい」などと言ったりします。一面で、少女たちは、自分でなんとかしなくてはいけないという自立心が強いところもあってそこにもJKビジネスはつけ込み自分でやっていけるよなどと言う。
背景には貧困があって、親はずっと働きに出ていて、「おはよう」も「お帰り」も誰も言ってくれないし、一日一食、コンビニのおにぎりを食べられるかどうかの生活をしていたりするなど、自分がここに生きている意味とか、自分が存在する意味すらわからない生活を強いられているケースが多い。だから、こんな家にいてもしょうがないし、むしろJKビジネスでも商品として自分に価値が生まれればいいとさえ思っている。もちろん、JKビジネスなどを行う裏社会の大人の責任も問題にすべきですけど、私たちの社会の側の問題として、表社会の大人たちが少女たちをJKビジネスへ追い込んでしまっているところがあるので、そこで支援、伴走したいと私は思っています。
アイドルになりたい少女に迫るJKビジネス
最近はアイドルになりたい少女の問題がとても多くて、JKビジネスも大手芸能事務所がやっていますなどと言っていたり、巧妙な児童ポルノまがいのものに利用されたりするので、アイドルになりたい少女にも危険がたくさんあることを知らせていく必要があります。危ないと思っても誰に相談していいのか少女たちはわからないので、あらゆる大人たちが「いつでも相談していいよ」「何かあったら伝えてよ」と何度でも繰り返し少女たちに伝える必要があります。もともと少女たちは親や学校の先生に傷つけられている子が多く、スクールカウンセラーや行政の窓口に相談したら親や学校に全部バレてしまって誰を信じていいのかわからなくなっている子が多いのです。
「何かあったら相談していいよ」といろいろな大人たちが一緒に知恵を出し合って少女たちに繰り返し発信する必要がある
とにかく「何かあったら相談していいよ」といろいろな大人が少女たちにメッセージを発信する必要があります。少女たちは、自分にまともに向き合ってくれる大人は一人もいないと思っているのです。そういう少女たちにとっては、相談するということ自体がハードルが高いので、いろいろな大人が知恵を出し合って少女たちにかかわり、声をかけることが必要です。JKビジネスの「スカウト力」に負けない工夫が必要です。みなさん、一緒に知恵を出し合いましょう。【女子高生サポートセンターColabo代表・仁藤夢乃さんの反貧困全国集会2014での発言の一部、文責=井上伸】
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