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女性に無理ゲーを強いる女性活用~ますます増える女性の育児負担

女性活用といえば聞こえはいいが、「結婚しろ!」「出産しろ!」「子供産め!」といったヤジが国会で飛び交うように、いや、国会だけでなく、多くの親が子供に、「早く結婚しろ」「子供産め」とプレッシャーをかけるなか、出産、育児の負担を減らさず、女性もバリバリ働けって、女性に無理ゲー強いているように思えてならないのは私だけだろうか?

※無理ゲー:苛酷な条件や設定のため、クリアが非常に困難なゲーム

女性の話題は非常に難しく、特に男性が言及すると、「女性差別だ」なんて言われかねない微妙な問題ではあるが、今のこの環境で、女性を活用せよというのは、女性の負担を2倍にしてぶっ潰すってことになりかねない。

そもそも国衰退の原因は少子化・人口減少にあり、私はいいとは思わないけど、経済優先で考えるなら、女性活用なんていって女性を働かせることではなく、女性が働かなくても、旦那に頼らなくても、女性が子供をばんばん産んで、働かなくても子供を育てる環境を作ることが重要なはずなのだが、そうした環境整備はやる気がないのに、女性のご機嫌とりをするがごとく、やれ女性を何人大臣にしただとか、女性管理職が何人いるとか、女性店長は何人いるだとか、数で自慢することで、女性の労働負担を強いることで、結果として女性が出産・育児しずらい状況になっているように思う。

ヤジとして問題になった「結婚しろ!」「出産しろ!」というけれど、一部の女性からしたら「結婚もしたいし出産したいけど、こんな社会で結婚・出産なんてリスクもコストも多すぎてできないし、そもそも働いていてそんな時間がない」というのが本音ではないだろうか。

できれば働きたくない。できれば早く結婚して、早く子供を産んで、早く育児に専念したい。だから「結婚しろ!」「子供産め!」というのはセクハラだとは思わないけど、表層的な「女性活用」なんて言ってもてはやし、そうさせない社会を作っているのは男性議員おまえらだろと言いたいのではないか。

最近、ものすごく話題になっている私が書いたブログ記事、「ダメな子供は母親と料理がダメ~元教員・元銀座のママが「おだしプロジェクト」を始めた理由」(2014/9/27)にはこんなことが書かれている。

教員生活の中で土岐山さんが気づいたことがある。なぜ落ちこぼれの子供が生まれるのか。その大きな原因は2つ。母親と料理が悪いということだ。

http://kasakoblog.exblog.jp/22422478/

でもね、と思う人も多いのではないか。確かに子育てにおいて母親は重要だけど、今の社会環境では、育児や料理にお金も時間もかけている、物理的・精神的余裕のある女性は少ないのではないか。私の周囲には、仕事と育児を両立させ、料理も手を抜かずにがんばっている人もいるが、すべての女性がそうしたことをできるわけがない。

育児を旦那に頼れない。そもそも後先考えず、できちゃった婚ですぐ離婚しちゃったとかで、旦那がいないから、旦那に育児を頼むという選択肢がない。両親に育児の手伝いをお願いできない。地域に育児の手伝いをお願いできない。お金がないから育児を有料で頼むこともできない。金がないから女性が働かざるを得ない。

結果、母親に時間的精神的余裕がないため、土岐山さんが指摘するように、食生活が乱れ、ダメな子供が量産される結果となっていく。

母親だけに無理ゲーを強いれば破綻する。女性活用なんていって働くことだけをもてはやしている場合じゃない。

ワーク・ライフバランスの小室淑恵代表が、「山積する社会問題をタダで解決する、たったひとつの方法」として、

「長時間労働をやめる」ということ

と言及している。

http://www.yomuradio.com/archives/657

女性の短時間勤務もさることながら、小室氏は、「「夫の長時間労働」こそが、実は真の少子化の原因」と指摘している。

今のように旦那が参勤交代のごとく会社に奴隷として捉われ、スマホがあろうがネットがあろうが在宅勤務を認めず、台風だろうが出社を強要するような非効率極まりない社会システムゆえ、子育てに関して旦那の協力はまったく期待できない。

世の中「イクメン」なんていってもてはやしているけど、あれを世の男性の多くは「迷惑」だと思っているのではないか。子育て手伝いたいけど、平日朝7時半~夜22時ぐらいまで、会社に社畜として拘束されていてどうやって育児の手伝いができるのかと。「イクメン」なんていっているのは、よほど恵まれた環境の人だけではないか、と思っているのではないか。

あと「イクメン」なんていうと女性から袋叩きにあう。「女性は普通に労働と育児を両立してるのに、男性だけ育児手伝うと褒められるなんておかしい」と。

ただ昔はよかったんです。旦那がいなくても女性は専業主婦として育児に専念できた。なぜなら旦那は社畜として奴隷拘束される代わりに、終身雇用という生涯保障があった。だから女性にとっては旦那が嫌いになろうが何だろうが、生涯保障のある男性と結婚して、育児に専念することができたわけだ。

ところが今やそうではなくなってしまった。奴隷労働や長時間労働で拘束されている旦那にしがみついても、かつてと違い、旦那の給料が思ったよりも増えないこともあり、ましてや勤めている企業が終身安泰とも限らなくなった。

それに輪をかけて大企業優遇、無駄な景気対策のために財源が枯渇し、社会保障は削るは、消費税は増税するは、ますます生活がしずらくなっている。

ではどうするか。女性は働かざるを得ない。出産も若いうちにというわけにもいかない。子供も何人もというわけにはいかない。女性が働けば働くほど、女性活用が進めば進むほど、少子化・人口減少でますます財源が苦しくなるという悪循環に陥っている。

そこに輪をかけて女性活用なんて言ったところで、女性により無理ゲーを強いるだけだ。そもそも女性活用なんていっているけど、日本社会にはものすごく根強い男尊女卑意識がはびこっており、女性を管理職に据えて人数を誇るアホみたいな大企業が多いように、正当な意味で女性を評価しているわけではない。

女性活用と声高に叫べば叫ぶほど、女性が出産、育児がしにくくなる。女性活用というなら、何も女性管理職として働く人だけを増やすのではなく、働いている女性だろうがそうでない女性だろうが、出産、育児にかかわる負担を減らし、支援する制度がないと、女性に無理ゲーを強いるだけで終わると思う。

そのためにも意味のない会社拘束長時間労働をやめさせて、台風でも出社しないで済むぐらいのことは最低でもすべきだと思う。

あとは逆年金制度。無駄金ためこんで、ろくにお金を使わない高齢者に年金をあげるのではなく、そうした財産のある高齢者から子供を産んだ女性にお金を回す仕組みを作るなり、もしくは育児にかかわる様々な費用の無料化をした方がいいんじゃないかと思う。

結婚しろ!出産しろ!でも働け!女性はますます追い込まれていく。

・「早く結婚しろ」「早く子供産め」という親はセクハラじゃないんですかね?
http://kasakoblog.exblog.jp/22139033/

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