- 2014年10月10日 12:00
残業代不払い、長時間勤務…… ブラックバイトはなくなるか
過酷すぎたすき家の「ワンオペ」
「レジ誤差は自腹」というアルバイト先も
「ブラック企業」という言葉はすでに一般的になって久しいが、昨今話題となっているのが「ブラックバイト」。残業代の不払いや違法な長時間勤務など、労働法規を反しているアルバイトに対してつけられた名称だ。
NAVERまとめにまとめられた、「学生を潰す『ブラックバイト』の厳しく過酷な実態」(http://matome.naver.jp/odai/2137601988394393401)は20万回以上閲覧されている。
その一つとしてネット上でさかんに議論されているのが「すき家」のワンオペ業務だ。
飲食店の業務と言えばおおまかに「接客」「厨房」の2種類に分けられ、それぞれ「レジ業務」「テーブルセッティング」「皿洗い」「ゴミ出し」などの細かな業務があるが、その全てを来店客の少ない深夜などの時間帯に一人でまかなうというもの。現在、第三者委員会からの提言によりワンオペは廃止されたが、その過酷さは想像に難くない。
ほかにもブラックバイトの例としては、「休憩時間を与えない」「罰金制度を設ける」「厳しいノルマがある」「学生の試験期間中でも休みを与えない」などが挙げられる。「ブラックバイト」というネーミングは、2013年に中京大学の大内裕和教授が提唱したものであるが、ネットではかなり以前から「ブラックな働き方」について意見が投じられてきた。
例えば2ちゃんねるの「ブラック企業就職偏差値ランキング」は1999年から設けられており、さまざまな企業のブラックな一面を提言し続けてきた。
また、ブログや掲示板などでは、一労働者たちが実際に直面したブラックな労働環境を書き込むことで情報交換がなされ、「ブラックバイトがある」という事実が認識されるようにもなった。
例えば2ちゃんねるの「ブラックだと思った職場・バイト先」という2012年のスレッドでは、実際にブラックバイトで働いたことがあるという人が
「レジ誤差は自腹」
「年末は、一ヶ月ほどまるまる休みがなかったし、 正月は元旦しか休みがなかった。」
などの書き込みをしている。
昨今、ブラックの実態が昔より明らかになりつつあるが、労働者の意識の変化だけでなく、一般の方がネットで声をあげて違和感を共有したことも一つのきっかけになったのではないだろうか。
違和感を放置すると搾取される? まずは現場の意識改革を
筆者自身、これまでに「飲食店」「ライブスタッフ」「配送」「飛び込み営業」「イベントコンパニオン」「電池工場」「テレフォンオペレーター」「家庭教師」などさまざまなアルバイトをし、その後会社員としてアルバイト雇用の方に指示を出す側も経験した。ブラックバイトは是正すべきだと思うが、簡単に変わらない現状も多い。
例えば「飲食店」のアルバイト。筆者が働いていた飲食店は学生街に位置していたため、年末や歓送迎会時期は休憩なしが当たり前。「ライブスタッフ」のアルバイトでは、アンコールでライブが延長した場合の残業代は支払われなかった。いずれも「そんなバイト先辞めれば済むこと」かもしれないが、また新しくバイト先を探し直すには手間と時間もかかる。また、地方に住んでいた筆者にとっては好条件でアルバイトを募集している企業を探すのも一苦労だった。その上「辞めるのは次の人が見つかってから」と言われることも多く、ズルズルと働き続けてしまったこともあった。
雇用する側としては、社員に任せるには人件費がかかる業務はできるだけアルバイトへ回したいところ。競合との価格競争がある業種では、そのしわ寄せがアルバイトへ行ってしまうこともあるだろう。今回の「すき家」ほどの事例まではいかないものの、繁忙期などは一時的にアルバイトへ甘えてしまうこともあるのではないだろうか。忙しすぎる現場の場合、労働法規を反しているという意識すらなかったというケースも考えられる。
また、労働法に反していなくても「ブラック」と言われることも多い。先に挙げた2ちゃんねるスレッドでは
「社員がどうというより派遣同士のいじめがひどい。」
「上司で上から目線全開の奴が必ずいた」
というコメントもあった。筆者にとって、上司が上から目線でも特に何も感じないが、人によってはブラックだと感じるようだ。
労働法を反していた場合はすぐに改めることが必須だが、そのためには現場が「何が不法雇用にあたるか」を認識する必要がある。また、人によってブラックの基準が違うということも、ブラックバイト問題を難しくしている一因のような気もする。まずは自分がアルバイトとして働くなら、この職場環境は良いかを考えることがブラックバイトを減らす一つの方法になるのではないだろうか。【関連記事】
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