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  • Sozen
  • 2014年10月10日 08:14

OPECに決断迫る原油下落

原油相場は3営業日続落で遂に$85/bblも割れました。$95/bbl、$90/bblに続いて節目は強いサポートになっていません。

10月9日のNYMEX WTI 原油先物の終値は前日比$1.54安の$85.77/bblで、引け後の時間外取引は$84/bbl台前半です。

需給見通しの悪化により、原油相場は弱気なムードが支配的となっています。
IMFの成長見通し下方修正のほか、米国エネルギー情報局(EIA)の短観で今年から来年にかけての世界の石油需要予測も下方修正されています。

EIA はOPECが減産を行うとの見通しから来年の需給は引き締まると予想していますが、当のOPEC加盟国による姿勢は定まっていません。

OPEC加盟国らはブレント相場の$100~$110/bblを好ましい相場水準としてきましたが、ブレントも$90/bblを割れてしまいました。
当然イランなどは対策を求めていますが、全体に歯切れの悪い印象を与えています。

OPECが減産に慎重なのは、ひとつには供給サイドで足元の余剰を生んでいるリビアやナイジェリア、アンゴラなどの産油量が安定的とは言えない点です。
リビアの産油量はここ2~3か月で急速に回復していますが、国内の政治状況は全く安定しておらず、いつ港湾や石油インフラが封鎖されるかわかりません。

また、サウジアラビアを中心にOPEC諸国は北米のシェールオイル増産に対して楽観論を語ってきましたが、その根拠は非在来型の原油生産コストが$80/bbl近く、大幅な原油価格下落を招くことはないという見方です。

現在のWTI 相場はその推定採算点に接近しつつありますが、採算悪化による開発停滞が事実だとしても実際の需給への影響は即時ではありません。
2010年代後半にかけての北米の産油量増勢に歯止めがかかるというもので、世界の景気減速による目先の石油需要減退を打ち消す材料にはならないと思われます。

今年半ばまで現実の石油供給に支障を与えないウクライナ情勢やイラク情勢といったムードで支えられてきた原油相場だけに、そうした支えを失い需給緩和の圧力に圧されて、一旦は落ちるところまで落ちるのが自然なのでしょう。

2010年第4四半期以降のWTI 相場は$80~$110/bblでの往来を続けており、市場の構造が根本的に変化しない限りその流れは変わらないと思われます。が、根本的変化の時期が来たのでしょうか。

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