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ストップ! 集団的自衛権行使 たたかいの展望(その3)

〔以下の論攷は、『憲法運動』9月号、通巻434号、に掲載されたものです。6回に分けて、アップします。〕

Ⅱ 憲法破壊に向けての好戦的政策の実施

(1) 着々と進んでいる「戦争する国」に向けての既成事実化
 このような「戦争する国」になるための憲法破壊に向けての政策は着実に実施されてきています。集団的自衛権行使容認の問題だけでなく、様々な既成事実化が着々と進んでいるということに注目しなければなりません。(文末の「資料」参照)

 「戦争する国」に向けての既成事実化は三つの面で進んでいます。①法・制度の改変、② 自衛隊の「戦力」化と在日米軍基地の強化、③世論対策と教育への介入ということです。

 一つ目は法律や制度の改変です。昨年から今年にかけて、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法が成立し、国家安全保障局が設置されました。戦前、五相会議という戦争主導の体制がありましたが、今日では、4閣僚会合ということになるでしょう。こうした体制ができました。武器輸出3原則から「防衛装備移転3原則」への変更ということで、武器の禁輸から輸出への180度の転換がはかられました。軍事支援・武器援助解禁のОDA大綱改定にむけての報告書が提出される。いま着々とそのための準備が進められています。

 そればかりではありません。法の抜け穴を通じて、富士通の子会社がアメリカのIT企業を買収し、審査を受けずに軍事産業が海外展開を可能にするという例も生まれています。改憲による自衛隊の国防軍化や軍法会議設置の目論見も示されています。自民党の憲法草案にはこうした内容が盛り込まれています。

 二つ目は自衛隊の「戦力」化と在日米軍基地の強化です。これは昨年12月に国家安全保障戦略が閣議決定され、同じときに新防衛計画の大綱と新中期防衛力整備計画も閣議決定されました。日本版海兵隊の新設も来年度予算の概算要求に出され、「陸上総隊」の新設や水陸機動団の編成がはかられようとしています。水陸両用車 52 両、無人偵察機3機、オスプレイ 17 機の導入という計画も明らかにされています。そのオスプレイを佐賀空港に配備するという。沖縄にいるアメリカのオスプレイも本土にやってきて、横田基地などを飛び回っています。

 米軍の辺野古新基地建設に向けて、辺野古沖のボーリング調査が強行されました。それに先立ってブイの設置が8月14 日に始まっています。11月の沖縄県知事選挙に向けて何としても工事を急ぎ、既成事実化を進めてしまおうという焦りのあらわれだといっていいのではないかと思います。

 部隊運用や作戦指導における制服組の指導権の確立もはかられ、シビリアンコントロールが弱められるということも狙われています。

 三番目は世論対策、教育への介入という点です。まずマスコミ対策。安倍首相は主要なマスコミ首脳との会食を頻繁に行っています。NHK会長と経営委員に安倍首相の「お友だち」を選任するということもありました。マスコミ対策、マスコミ工作が非常に周到になされている。細かく神経を配っているといっていいかもしれません。

 たとえば昨年12月26日、安倍首相は昼に靖国神社に参拝し、夕方赤坂のANAインターコンチネンタルホテルに向かい、日本料理屋「雲海」でマスコミ各社の幹部と懇談していた。政治部長なども参加しているわけです。今年の5月15日、安保法制懇報告書が出され、これを受けて夕方、安倍首相は記者会見を行いました。その後首相が向かったのはマスコミ各社の幹部との会食の場であったというのです。

 最近も首相は、河口湖の別荘でゴルフをしていた。広島で土砂災害が起きた時、その報告を受けながらゴルフを再開し、東京にいったん戻ったために批判を受けました。この河口湖でのゴルフは誰と一緒だったのか。森元首相や三枝フジテレビ会長と一緒だったのです。三枝さんとは16日、18日、20日と3日間も一緒にゴルフをしていました。どれほど仲がいいのか。このようなマスコミとの癒着、あるいはマスコミ工作が非常に目につきます。

 そればかりではありません。昨年、特定秘密保護法が成立しました。それと関連して先の国会で国会法が改定され、秘密会が設置されています。軍事機密と情報の隠ぺい、取材規制と国民の知る権利に対する侵害も着々と既成事実化していると言っていいと思います。

 「戦争する国」になるための「人材づくり」、あるいは戦争するための「心づくり」が教育改革です。教育再生実行会議を中心に、教育委員会や教科書への介入、道徳の教科化が行われようとしている。英語を小学校の時から話せるようにする。アメリカとの共同作戦になれば使われる言語は英語ですから、英語教育を重視するというのはそうした裏があるのではないかと勘繰りたくなります。

 「戦争する国」になるには、「戦争を支持する社会」と「戦える人材」を確保することが不可欠なのです。情報の規制、管理、あるいは教育、マスコミ統制など。これらはいずれも、戦える社会、戦える心、人材を生み出すという目的にそった「戦争する国」への準備にほかなりません。

【関連記事】
ストップ! 集団的自衛権行使 たたかいの展望(その1)
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